引越し

「日本人の部屋は汚い」理由は「並べて見せる収納」?実家片付け問題で肝に銘じたこれからの部屋作り

 

引っ越し前後はインテリア本や雑誌を読み返すのが好きです。海外での引っ越しは、日本以上に面倒くさいながらも気分転換もふくめて楽しめるもの。

とはいえ、長年離れている日本の実家の片付け問題も、私を含め周囲の友人たちの間では現実的な悩みの種となり、実体験をもとにアドバイスしあう機会が増えてきました。

断捨離やミニマムな生活スタイルが当たり前になってきて、片づけること、ものを少なく持つことが現代の美徳なのかもしれないけれど、「これからの人生」と「今生きている暮らし」がアンバランスになるのもつまらない。

今日は私が参考にしたインテリア本や、台湾、香港で感じたことをまとめてみます。

「物が多すぎて参考にならない」世界のおしゃれな部屋特集にツッコミ

 

台南へ行った時、たまたま入ったカフェに沢山日本の雑誌が置いてありました。世界のおしゃれなお部屋を紹介する特集をふざけ半分に手に取り、友達と駄目だししながら見るのは楽しかった。

「ニューヨークのブルックリンとか、何一つ参考にならない」

「ドイツは大概ベルリンよね」

「けっ」

人様の素敵なおうちとロケーションにいちゃもんをつけまくりです。台北の部屋も紹介されていたので、みんなで間取り図からベランダの枠まで、隈なくチェック。

「松山區ったって富錦街から八徳路まで範囲広いわよ」

「この間取りでこの広さ?ありえないでしょ。間違えてんじゃないの?」

「ベランダのこの枠の感じ、台北よねー」

「バスルームのこのタイルと鏡だけ、手抜いてない?台北よねー」

言いたい放題でした。

駄目だしを楽しんだ現場はこちらです。裏通りの廟の敷地にある素敵なカフェ。

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やがて友達は誌面から目を外し、

「駄目、物が多すぎて参考にならない」。

確かに、世間がミニマムだの断捨離だの少ない方法へ向き始めたところに、あえて「好きなもの沢山」な方向は、珍しいように思いました。そして思い出した、以前香港の友達が言っていたこと。

香港の不動産屋いわく「日本人の部屋は汚い。見せる収納と言って色々並べるから」

 

海外では大家さんにとって日本人は「清潔できちんと家賃を払い、おとなしい」から歓迎される店子といわれているし、私も実体験でそう感じていたので、これは驚きました。

見せるどころか溢れさせてる香港人に言われたくないわよねーっ!と友達と叫んだものの、思い当たるところもあります。

私がインテリア本、部屋づくり本、または誰かの部屋を見て逃げ出したくなる、後ずさってしまうのは、まさにその「見せる収納系」。統一感がなく、圧迫感をおしゃれと創意工夫に書き換えているもの。

香港にいたころはカレン・キングストン女史のこの本を良く読み返していました。これを読むと、「なんか捨てるものねえかー」とビニール袋片手の捨てなまはげ状態になって、わりと楽しくはかどりました。風水を取り入れた考え方、部屋の配置はいまでも参考にしています。

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部屋のトーンをそろえる。目からうろこのアドバイス、ヘザー・ブラッキンさんの本「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり」。

 

光復南路を何度通っても、いつもジュンク堂の反対側を行ってしまって、なかなか入る機会がありませんでした。

でも先日、やっとそちら側を歩いて、入ることが出来た。特に欲しい本は無く、ただ見てみたかっただけなんだけれども、インテリア本のコーナーでヘザー・ブラッキン著「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり」を見つけて、購入。

 

彼女の名前を見てぴんとくるのは森瑶子ファンかな。森さんのエッセイに何度も登場した、三姉妹の長女のヘザーさん。彼女は今、インテリアコーディネーターとして活躍されているとのこと。

彼女が書いているポイント、「部屋のトーンを揃える」「空間を作る」など、基本的なルールだったのが目新しく、分かりやすかった。そして何より、部屋の様子に圧迫感が無かった。良いなあと思って、彼女の本を買うことにしました。

仕舞うにしても、見せるにしても、ヨーロッパの習慣も受け継いでいる人の提案は、すっとして受け入れやすいと感じます。イギリスの血も引いているヘザーさん、そしてもうひとり、私の好きな門倉タニアさんはドイツの習慣を受け継ぎながら、どちらも日本の暮らしも熟知していて、良いバランスを感じるのです。

 

「おもてなしを!」「心地よさを!」「素敵なアタシ!」と肩ひじ張らずに、少しづつ出来るところは手作りして、失敗しても受け容れて取り込む自然な感じが、共通点のように思いました。

限られたスペースで決める住まいのルール。好きなもの、使うものを常に出しておくのか、見て楽しいもの、思い出のものを、どう絞り込むか。

 

片付きすぎている部屋は気持ち悪い。でも、「東京の台所」は正直、もうちょっとしまっても・・・そこまで並べたり、出しっぱなしにしなくても・・・自分の家がこうだったら耐えられない、モノにあふれる画像に不快と感じることも少なくありませんでした。

でも、それぞれの「台所」の主(あるじ)の物語を読むと、そこにあるごちゃごちゃした物の存在には理由があって、愛しいように思えてきました。自分のために、誰かのために使うモノは、そう簡単に片付くものではないのだと。

海外在住者も避けては通れない実家の片付け問題を通じて肝に銘じたのは「迷惑をかけないこと」

 

モノに埋め尽くされた台所を見てモヤモヤした気持ちになるのは、実家の母が貯めに貯め込んだモノを、台北から何度も東京に通って妹と片付けた体験のためです。

「なあにこれ!」と泣いたり笑ったり怒ったりしながら沢山のモノを処分しました。そのなかから、長年しまい込んでいた雛人形と、シチューやおでん、煮物を作ってくれた花模様のホーローの鍋、母が5歳の私にあてて書いた手紙を見つけて、台北に持って帰ってきました。

昭和から平成を生きて、物語や思い出が無いはずはないのよね。

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毎日暮らす部屋は、好きなように、使いやすく、安心できる環境を作っていけばいいと思います。

大事なのは部屋に戻る楽しさや嬉しさ、そこで暮らし食べて眠る居心地の良さと安全で、「わたしの部屋、どうよ?」と、人に見せるためではないですし。

そして、私に万が一のことがあった時、片づけてくれる人に迷惑をかけたくないと、心から思います。まあその時は、

「なあにこれ!こいつアホちゃうか!」

「お茶っぱ売るほどあるやんけ!開けてないのもらっとこ」

と笑ってもらえるといいのだけど・・・。

今回の引っ越しで重要なのは、猫の寝床・トイレ・餌やり場の動線かな。今年のクリスマスには17歳になる猫が不自由しないように、しつらえようと思います。

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mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|