約束の時間まで少し空きができたので、町の文房具店に入ってみました。
冬に文房具。春節前後に香港や台北からの一時帰国をしていた頃は、日本の文房具も必ずまとめ買いをしました。服や化粧品と同様、海外在住者の特権を使って、免税できるチェーンや大型の店で。
日本で暮らし始めてから、免税の特権は手放したけれど、町の文房具店に入る楽しみを知りました。特に地図を見て探しはしない、通りがかりに見かけた店に入ってみます。文具店、とっつきにくさはないのに、入る時は少し背筋がのびる。職員室に入る時の感じを思い出す。ドアを開いて足を踏み入れると、店の中は静かで、清潔で、紙やインクの匂い。品ぞろえは多すぎず、圧はないけど欲しいものやはっとするものがある。お店を守っている人は大抵、高齢の方ひとり。
店の外にかかっていたコクヨの看板にいつわりなし。学生時代からずっと使っているノートは種類やサイズも豊富でした。「やだーこれもいいけどこっちも、迷っちゃうわーもういっそ全部買っちゃう?」大人だから黙っていたけど、心の中ではキャーキャー大騒ぎ。店の中にもう一人、ダンディなスーツの男性はファイルを両手に見比べながら「これもいいなあ、こっちもいいなあ、両方いっとくか」。口に出して楽しそうでした。私はコクヨのノートとパイロットのボールペンを選んでから、レジでちょっと埃をかぶっていたゼブラのボールペンにもキャーとなって追加。
こういうお店がこの先も廃れず残っていきますように。小さなものも大きなものも、眼で見てキャーとなり、手に取ってレジへ行きお店の人と話しながらお金を払って買ったものは、使い心地も大切さもひとしおだから。
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