台湾パイナップルケーキの人気ブランド「微熱山丘サニーヒルズ」の炎上
日本人にも良く知られたパイナップルケーキのブランドが、中国向け輸出商品、原産国を「中国台湾」と表記していると指摘をうけ、騒動になっていました。
サニーヒルズはこの騒動を受けて出した見解に、台湾では原産国表示を「台湾」としなければ、輸出が認められないと明記しています。
そのうえで、中国側の代理店が下記のように「原産地:中国台湾」としなければ販売できないと判断したのかもしれない、とのこと。
(確認や対応はしないの?あるいは、どうしようもないことなの?なんだか他人事みたいだ)
画像参照:微熱山丘標「中國台灣」翻車!網點「這間」霸氣嗆中國:深耕台灣
下記はサニーヒルズ側がSNSで出した見解に添付した画像。「原産地:台湾」になっている。https://www.facebook.com/SunnyHills.Taiwan
「なぜ日本人はこんなにパイナップルケーキを欲しがるのですか?」
複数の台湾の知り合いから、困惑気味に、遠慮がちに尋ねられたことがあります。
「パイナップルケーキは美味しいとは思います。でも、台湾に昔からある普通のお菓子なのに、日本の人たちは価値をつけて大騒ぎしているようで、不思議です」と。
私は台湾の果物の中で、パイナップルが一番好き。
台湾では仕事でマンゴーやライチを扱い、嫌と言うほど食べました。日本向けの美しく熟したものも、台湾のお金持ちが特注した市場に出回らないものも。台風や検疫、一般の人間には太刀打ちできないものに阻まれることもあって一時期はマンゴーを見るのもいやになりました。つらい仕事だったけれど、喜びも大きかった。今は、楽しんで食べることができます。台湾の果物は宝。そのなかでも飛び切りだったのは、畑で切り、まだ土の温かさが残るパイナップルでした。足元に滴る果汁、あの思い出が一番濃く強く、甘く残っています。
サニーヒルズも台湾のパイナップルにこだわってケーキを作っている。台湾産を誇りにしているお菓子のはずです。
羽田空港の免税エリアで台湾や香港の人たちがカート一杯に積んでいるお菓子を見て、「なんであの人たちはあればっかり…あのタイプならほかに美味しいのがあるのに…」と首をかしげることがあります。旅行者が「日本へ行くならこれ買って来てって頼まれたから」と買い込む。でも、そればっかりに集中しているのを見ると(結局、他人のすることをなぞるだけか)と寂しいし、情報の力が怖いとも感じます。「日本人には他のブランドが美味しいかもしれないけど、僕らはこっちのほうが合う」と言うのなら、それは好みだから仕方ないけど。
私自身、贈り物には自分の好きな老舗のお菓子を用意します。どれも、親戚や友達が教えてくれた味。「これ自分ちの近所のお店の、美味しいんだよ食べてみて」なんていただきものもの、自分が貰っても、とても嬉しいもの。でも、それも結局「好み」なのでしょう。あなたはそれが美味しいという、でも私の口にはこちらが喜ばしい。生まれ育ちも習慣も違うのだから、好みが違って当たり前でした。
それを踏まえたうえで、贈り物や自分の口に入れるものを選ぶときに、「台湾人としての誇り」を優先するのか、「相手が知っていて喜びそうなもの」を選ぶか。
今回の騒動で、これまで好きだったお店と決別する人たちを見ました。
誰にでも、譲れない線がある。
それを守ることができるのも、台湾の良いところだと思います。
私はこの店を自分の選択肢には入れていないので、悩んだり困ったりすることはなく済みました。私が好きなお店は、いまでも地元にだけ店舗を展開し、北にも南にも売りに出さないポリシーを守っているから、これからもこんなことは起こらないと信じている。万が一にも原産地を相手の都合で書き換えられるのを黙認したと知ったら、「今までありがとうございました」
と、私も心の中でお礼を言って決意するでしょう。
大好きで、長年食べていたからこそ、守りたいものはあります。
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