迪化街の行き帰り、気になるレトロな門構えの洋食店「ボレロ」
創業は1934年。台北ではとてもモダンな洋食店として人気だったのだとか。昭和の老舗の洋食屋さんの香りがします。
お見合いや晴れの日のお食事に、きっとあこがれのお店だったこのお店は、今でもそのおだやかな気配を残していました。
日活アクション映画で、合いびきや商談の場面に出てきそうな雰囲気です。今にもハイヒールにスーツの北原三枝さんや、ふんわりしたドレスの浅丘ルリ子さんが階段を優雅に降りてきそう。ドアを開けて入ってくるのは石原裕次郎か、小林旭か。ベレー帽を被った金子信雄が観葉植物の後ろで、聞き耳をたてていそう。とても静かで落ち着いている店なのに、私はひとりでどきどきしてしまいました。
50年代に流行したアトミックなメニュー。こういうデザインと色あいが好きなので、震えます。
オムライスを頼んでみました。
今どきのオムライスはふわふわ、とろとろ感に命をかけて、いかに渦巻くか、流れ出るかに重きを置いていると思います。
「ボレロ」では、そんな流行などどこ吹く風。こんがり焼いたたまごの中に、ケチャップ味のチキンライス。ここには、古き良き時代のあのころ、初めてオムライスを食べて嬉しかったあの日の味がそのままありました。
家族で来ていたおばあちゃまが、おっとり楽しそうに食事をしている様子を見ただけで、なんだか涙が出そうになってしまう。
存在だけで泣かされる店が、いつまでも続きますように。
波麗路西餐廳(ボレロ)Shop Data
住所:台北市民生西路314號
電話:02-2559‐9903
営業時間:11:30-21:30 無休
公式URL:http://bolero1934.com/
※店舗情報は訪問、掲載時のものです。ご利用前に営業状態を確認してからお出かけください。
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