30年ぶりの東京生活

同級生とフルネームで呼び合うお年頃

台湾のドラマや映画を観ていると、同級生や親しい友達同士がフルネームで呼び合う場面がある。香港だと、ちょっと辛口な場面だった気がするけれど、台湾の映像では兄弟や姉妹でもない、じれったいような友達同士の間で名字から名前までフルネーム、ちゃんもさんも飾りなしで呼びかける場面があって、(青春じゃ!)とおばさん、ニコニコ観てた。

 

日本へ帰ってきて、小学校や中学校の同級生たちと集まるようになった。
卒業以来何年どころの騒ぎじゃない、昭和から平成飛び越えたブランク何十年ぶりなのに、沈黙する暇のないおしゃべりが続く。その合間に何度か、私は男子たちからフルネームで呼ばれた。小学校時代は、名字やあだなで呼び合ってた。いま、みんな立派な大人になって再会して、でもこのグループで会うときは子供の頃のまま、あの頃の立ち位置ではなく同じ高さのテーブルだ。そして女の子たちは当時のあだ名で、男の子たちもあだ名やフルネームで、呼ぶ。私も笑って、女の子をあだ名で、男の子もあだ名やフルネームで呼び返す。

会社や家庭ではお父さんやお母さん、部長や先生と、現在の立ち位置やタイトルで呼ばれることのほうが多い日々かもしれない。
大人になって知り合った人をフルネームで呼ぶなんてこと、まずない。あの頃のあだなやフルネームで呼び合えるのは、気の置けない、子供のころからの友達だけ。みんなおじさんとおばさんになった、元気で笑って、とりとめもなくおしゃべりができる友達でいられるなんて、卒業式の時には知らなかったな。

 

 

 

 

ABOUT ME
mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。