新暦のお正月、平渓線の駅でいくつか降りる台湾散歩に出かけました。
台北は曇りだったけれど、こちら側に来ると篠突く雨。
まず台鐵の松山駅から區間電車で猫村のある「猴硐」。平渓線に乗り換えるまでの時間、駅周りで猫に挨拶をして
単線の「大華」の駅前カフェでのんびり、軽めの昼食とコーヒーに、甘いものも。
そして「瑞芳」へ戻り、バスで九份老街へ。
3連休中日の午後、老街の入り口は想像以上の人ごみでした。でも、海外の観光客で込み合っていた頃とは何か違う雰囲気。台湾国内のあちこちから団体も来ていて「5時に集合です」と何度も繰り返し案内するガイドの声が響いていました。
これまで、九份へ来るときは大抵、海外から台湾へ遊びに来てくれた友達や知人、撮影クルーと一緒でした。こんなふうに、完全にフリースタイルで歩くのは何年ぶりだろう。茶芸館で、友達やお店の人たちとただ時が流れるに任せて気楽なおしゃべりをして、立ち止まり、まわりを眺め、黙っていたければ黙っている。九份でそんな風に過ごすのは、とても気分の良い時間でした。
九份は、自由に過ごすと楽しい。
台湾に住み、友達や家族、知人やしがらみで「九份ご案内」をしたことがある人ほど、個人的には九份から足が遠のくものだと思います。
「暗くて濡れているから足元に気を付けて」
「スリがいるからバッグは背中に背負わないで、抱えて」
先に行った人たちを見失わないよう目で追い、何本も交差する自撮り棒に突かれないよう頭を守り、人にもまれて歩く。九份を楽しいと感じるなんて、不可能でした。でも今は、それらの緊張感を全部肩からおろせる。日本語で客引きをされることもない。自分たちが透明に、溶け込んだような安心感がありました。
冬場は17時過ぎに灯るぼんぼり。石畳の階段の好きな場所で立ち止まり、写真を撮る台湾の人たちが何人かいました。海外からの観光客でにぎわっていた頃は、こんなふうに九份を自分のペースで歩けなかった。人の波の中では、立ち止まることも、急ぐこともできなかった。
新型コロナウイルスがなければ、こんなふうに九份を歩き、お茶を飲んで過ごす時間は持てなかったかもしれません。
海外旅行へ行けないと嘆く友達がいたら、九份へお茶を飲みに行こう、平渓線に乗ろうと誘おうと思います。
山城創作坊 店舗情報
住所:新北市瑞芳區九份基山街193號
電話:02-24960340
営業時間:10:00~20:00
公式サイト:https://www.facebook.com/snow2025/
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