新型コロナウイルスに感染していた中華航空のパイロットとCAが自主健康管理中に遊びに行ったバー、とばっちりの対応に追われながら「希望全民健康 台灣加油」
中華航空と桃園のノボテルホテルを中心に発生した新型コロナウイルスのクラスター。
本来人の多い場所や公共の交通機関を利用してはいけない「自主健康管理期間中」にパイロットとキャビンアテンダントが出歩き、レストランやバーを利用したため、中華航空は管理不行き届き等の名目で100万元(約390万円)の罰金が課せられました。厳しいけど、何度目?これまでにも規則を顧みず遊び歩いた中華やエバーのCAが告発・処分されたはずです。
今回パイロットとCAが出かけたスポーツバーは、台北の住宅街の中にあるお店。昼間はバー公認の「吉祥物」、幸せを呼ぶマスコットの猫ちゃんが店先でゆっくりお昼寝をしています。近所の人たちもここを歩く時は歩調をゆるめて猫を眺める、ちょっとしたオアシスなんだとか。
私はダーツをしないので中に入ったことは無いけれど、散歩でここの前を通る時は、ゆっくり歩いて猫を眺めていました。
シャッターが下りている昼間、店先のソファやカウンターで猫たちが気ままに日向ぼっこをする、穏やかな場所。ここを通るたびに立ち止まり、猫たちに挨拶をしたり、寛ぐ様子をそっと写真に収めるのが楽しみなのです。
ごく普通の幸せな光景がある小さなバーなのに、報道で店名が出た時には「まさかあの店が」と驚いてしまった。

「陽性者が遊びに来ていた」と一斉に報道され、お店側はマスコミからの問い合わせ対応に追われたようです。衛生署の指導による店内の消毒、スタッフたちのPCR検査や健康管理のため、当然営業もできず臨時休業に。SNSで丁寧に状況を報告しながら、マスコミに対しては「問い合わせはしないでください」という訴えも率直に記していました。
青天の霹靂に驚き戸惑いながらも正しい対応をきちんと行いつつ、少し疲れた様子がSNSの文章からも滲み出ていて、痛々しかった。ルールを破って遊び歩いた張本人は氏名不詳で追いきれず、とばっちりを受けた側が標的になったのも理不尽ですが、それでもお店のSNSは最初の投稿で
「希望全民健康 台灣加油」
全ての人が健康でありますように 頑張ろう台湾。
と文章をしめていました。
だから昨日、スタッフや来店者はPCR検査の結果全員陰性だったとfacebookに投稿があるのを見た時は、ほっと胸を撫でおろしました。通りすがりの私でさえこうなのだから、当事者の皆さんはどれだけ不安だったことか。
出歩いてしまった中華航空のパイロットやCA、彼らと同席したスターラックスのパイロットも
「もう何度も入境と隔離のループを繰り返し、いつも無事だった」
「だからうちらは大丈夫」
「台湾は大丈夫」
と、経験を過信して緩んだ隙に当たってしまったのかもしれない。彼らもまた健康を害してしまったのだし、感染そのものは責めてはいけない。そもそも、ノボテルホテルは防疫ホテルの申請を通していなかったのに中華航空クルーの隔離宿舎に使っていたこと、一般の宿泊者と隔離宿舎が同フロアだったなどで、こちらも罰金を科せられています。パイロットやCAも、会社側の手配ミスでとばっちりを喰らい感染させられた被害者かもしれません。 未落實防疫!華航開罰100萬諾富特16.5萬逐案再加罰
私自身も、
「台湾は大丈夫」
と気が緩んでいるところがあったかもしれません。
このクラスター事件の後、バーの近くのお店で買い物をするとき
「手を消毒してね」
とアルコール入りのスプレーボトルをむけられました。
その店ではこれまでは一度も、そんな対応をされたことはなかったので、危機感が街の中に再び染みわたっているのだと感じました。
お店の人たちも猫たちも近所の人たちも、安心してここで暮らしや仕事が続けられますように。
お店が再開したら、営業中に遊びに行ってみよう。
後日、また会えたので、短い動画を撮ってみました。
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