日本のコンビニで「台湾ドーナツ」を買ったと、幼馴染がメッセージをくれた。
スイーツのレベルの高さに定評のあるコンビニだから、この商品の話を聞いた時「現地のものとは違う方向でも、美味しそう?」と私も興味を持った。当分日本へ行くのは難しそうだし、食べるチャンスがあるかは、わからないけれど。
でも、SNSでは「こんなん違う」という意見をちらほら見かける。台湾で「台湾ドーナツ」の現物を食べたことがある人にとっては、不味くは無くても所詮まがい物、「台湾」を名乗られるのは、我慢ならないのかもしれない。
随分前に、日本のファストフード店で「マカオエッグタルト」を期間限定販売していた。一緒に東京へ遊びに行った香港人の友達がそれを見つけ、食べたいという。一抹の不安があったものの、私は「止めておきなよ」とは言わず、一緒に食べた。
先に一口食べた友達は英語のFワードを静かにつぶやき、「そんなに?」と恐る恐る口にした私も「これでマカオを名乗るのは、身の程知らずだわね…」と、落胆した。
本物を食べて好きになったから、海外で再現したものに「これじゃない」と反発してしまう。日本人の口に合うように改良したとも言えないシロモノには
「やいやい、このレベルでマカオを名乗るんじゃねえやすっとこどっこい、一昨日来やがれ」
と啖呵を切り、どうか本物を食べて欲しいと悶絶する。
「私の愛する美味しいものが、この程度だと思われたくない」
一種の悔しさなのかな。
日本で売っている「台湾ドーナツ」を、私は食べたことがない。だから頭ごなしに「そんなの違うに決まってる」「現地の美味しさには足元も及ばないはず」と切って捨てる資格はない。ただ、味が違っても、「台湾で本物を食べてみたいな」と、旅に出るきっかけになればいいなと思う。
一度台湾へ遊びに来てくれた幼馴染も、わかっているみたいだった。
「味は現地のと違うと思うけど、台湾気分になれるのが嬉しいよ」
そう言ってくれる気持ち、また台湾へ行けるようになったら本物を食べてみたいと思ってくれる気持ちが、とても嬉しかった。
前回台北に来てくれたのはマンゴーの季節だったから、一緒にかき氷を食べた。火鍋にも行ったし、小籠包も食べた。今度会える時には、出来立ての台湾ドーナツを食べに行こう。他にも色んな、美味しいもの。
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