中国武漢で発生した新型のコロナウイルスによる新型肺炎。1月24日から始まる中国の大型連休、春節を前に日本でも報道は急増している。
無防備と無知と無責任ゆえ、中国・広州から香港、台湾にも感染が広がったSARSのことは一生忘れない。香港であの渦中にいたものの責任として書いておく。
こんなところに?と住んでいる方が驚くような場所、静かな町にも、外国人には魅力的な「免税カウンター」や「観光聖地」はあるのだから。
Contents
新型肺炎、日本の報道は遅かった
香港や台湾など繁体中国語圏では報道が始まったころ、日本ではまだ知らない人が多かった。日本にいる家族や友達に個別で知らせると、
「知らなかった」
「教えてくれてありがとう」
「銀座はその時期行かないようにする」
「アキバもやめとこ」
と皆驚いていた。
生まれたばかりの赤ちゃん、受験生、介護が必要な高齢者。感染させてはいけない守るべき家族がいるひと達に知らせなければと、私は神経質になった。2003年、当時暮らしていた香港でも広がったSARSでうけた辛さをどうやっても忘れることはできないから。
日本の対応:外務省は湖北省は危険レベル3の渡航中止勧告
香港マカオを含む中国全域に危険レベル2
2020年1月31日 14:30追記
「外務省海外安全ホームページ 感染危険情報」より
中国(湖北省を除く・香港とマカオを含む)への渡航勧告、危険レベル2
「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」
その国・地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。武漢を含む湖北省への渡航中止勧告は危険レベル3を継続
「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」
その国・地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。(場合によっては,現地に滞在している日本人の方々に対して退避の可能性や準備を促すメッセージを含むことがあります。)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcareahazardinfo_10.html
2020年1月24日18:00追記
外務省海外安全ホームページより
武漢を含む湖北省への渡航中止勧告。危険レベル3
「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」
その国・地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。(場合によっては,現地に滞在している日本人の方々に対して退避の可能性や準備を促すメッセージを含むことがあります。)
中国全土に対し危険レベル1
「レベル1:十分注意してください。」
その国・地域への渡航,滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcareahazardinfo_10.html
2020年1月23日追記
『外務省は武漢市の感染症危険情報について「不要不急の渡航中止」を呼びかけるレベル2(4段階のうちの第2段階に当たる)に引き上げ。』
2020年1月22日時点
今日22日には、WHOが緊急会議を開く。
中国からの渡航先として人気No1の日本。この会議結果次第で、渡航注意だけでなく入国も規制を敷くだろうか。
外務省:「中国における新型コロナウイルスの発生(一部地域の感染症危険レベルの引き上げ)」頁より抜粋
※2020年1月24日にこのページは失効しています。
【危険度】
●中国湖北省武漢市
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(引き上げ)
●上記以外の地域
レベル1:十分注意してください。(継続)
感染がさらに拡大する可能性があるので,最新情報を入手し,感染予防に努めてください。
中国における感染例数等についての最新情報は,感染症広域情報でご確認ください。
新型コロナウイルスに関する注意喚起:https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_009.html1 武漢市人民政府の発表
1月22日,武漢市人民政府は,原則として,必要が無ければ武漢以外の人については武漢に来ないように,また,武漢の市民は,特殊な状況がなければ武漢を離れないよう呼びかけています。2 武漢市の発表
また,武漢市は,「23日10時から,武漢市全域の公共交通,地下鉄,客船,長距離バスは暫定的に営業を停止する。」及び「空港,鉄道の駅及び武漢を離れる道は暫定的に封鎖する。再開の時期は別途通知する。」旨発表しています。3 世界保健機関(WHO)の発表
1月22日(現地時間),WHOは,中国における新型コロナウイルスの発生状況について緊急委員会の第1回会合を開催しました。会合の結果,本事案が進展中の複雑な状況であることから,先に進むにはより多くの情報が必要であるとして,明日23日,再度緊急委員会を開催すること,また,国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)の宣言については,全ての証拠を適切に考慮して判断する旨発表しました。4 上記を考慮し,中国湖北省武漢市の感染症危険レベルを2に引き上げます。5 厚生労働省の取組
厚生労働省検疫所は,武漢市からの帰国者及び入国者に対して,咳や発熱等の症状がある場合には,検疫官に自己申告するよう呼びかけています。日本でもこれまでに1例の輸入症例が確認されており,帰国後にこれらの症状がある場合には,マスクを着用するなどし,武漢市に滞在歴があることを申告の上,医療機関を受診するよう協力を求めています。参考:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.htm
台湾の対応:警戒レベル最高に引き上げ、武漢との団体往来禁止
2020年1月24日17:50追記
台湾交通部から、中国大陸への旅行を禁止する通知。香港・マカオ地区は除外。現地の大手旅行社では、2月末までのツアー費用払い戻しの対応をとるとのこと。
1/23 20:50追記
台湾政府が疫病情況レベルを最も高い「警告」に引き上げたと、交流協会からメール連絡。
23日,衛生福利部下の中央流行疫情指揮中心は武漢で発生した新
型コロナウイルスによる肺炎について,疫情(疫病情況)レベルを 従来の3から2に引き上げ,衛生福利部長が直接指揮をとる体制と なった旨発表しました。 衛生福利部は武漢市の感
染症危険レベルを3段階のうち最も高い「警告」に引き上げ,同市 への不要不急の渡航は控えるよう呼びかけています。
1/22 12:40追記
台湾の蔡英文総統は22日、台北の総統府で談話を発表し、台湾でも感染者が確認された新型コロナウイルスによる肺炎について、多数の発症者が出ている中国湖北省武漢市と台湾との間での団体観光客の往来を一時禁止することを明らかにした。
蔡氏は同日午前に諮問機関「国家安全会議」の幹部会合を開き、対応策を検討。団体観光客は台湾発が22日から、武漢発は23日からそれぞれ禁止する。
台湾にも春節期間、武漢からの団体がやってくることを交通部は公表していた。武漢旅遊團今2團抵台 觀光局:到29日還有10團178中客要來
台湾のみんなも新型コロナウイルス肺炎に注意しよう。
春節で空港や駅に行く人も多い時期、どうか予防を忘れないでください。
✔交通部によると、昨日武漢の空港から2団体24人が台湾に到着。
✔29日まで春節中、10団体178人が武漢から台湾に到着予定だそうです。https://t.co/vwoGl6EYHu
— 𝗆𝗂𝗆𝗂|33ʀᴘᴍ (@mimicafetw) January 22, 2020
空港や鉄道、ひとが多く集まる場所へ行く際には、マスクや手洗い、衛生に十分注意してほしい。私も勿論、気を付ける。
SARSの感染拡大、殉職した医療関係者を忘れない
SARS発生時、香港の知り合いの何人かから
「看護師や医師をしている家族は病院に泊まり込んで家に帰ってこない。家族にうつしてしまわないように」
と聞いた。
私は言葉が出なかった。
大事な人、周りの人に辛い思いをさせてはいけない。終息宣言が出るまで、絶対に気を抜かない。
SARSでは院内感染した香港や台湾の医療関係者の多くが殉職したことを忘れてはいけない。彼らの犠牲を教訓にしなければならない。
SARS期間殉職醫護人員列表
SARSで殉職した医療関係者は中国13名、香港8名、台湾11名、シンガポール2名、イタリア1名。
SARSが発生していた期間中は、感染しなくても、日常生活や仕事に大きな支障があった。旅行業は壊滅状態、給料カット、先行きが見えない中、感染の危険が身近にあった日々。隣のマンションから「SARS感染疑い例」が出た時の絶望感。
あんなこと2度と繰り返したくない。
もう誰にもあんな思いをさせたくない。
「マスクは失礼」と言っている場合ではない。家族や社員を守って
「マスクをするのは失礼」などときれいごとを言っている場合ではない。免税カウンターを持っている商業施設は緊急事態の対応をしてほしい。街のひとたち、働く人たちとその家族を守ることを最優先にしてほしい。目先の利益を優先して万が一感染が広がったら、その先数ヶ月打撃を受ける。東京オリンピックを控えている日本がスーパーインフルエンサーの巣窟になるわけにはいかない。
無防備ゆえに感染が広がったSARSの時のようなこと、あんなことは二度と繰り返してはならない。身を守ること、症状が出たらきちんと対応しながら正直に申告すること。
肩の力を抜けるその日までは、神経質上等じゃい。
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