台湾のニュース

同性婚合法化から2年。「台湾はLGBTフレンドリーで素敵!」と前のめりな人から私は後ずさる。

台湾で2019年にアジアで初めて同性カップルの婚姻が合法化され、5月24日で二周年。

 

行政院が市民に対して行った電話アンケートで「権利を認めるべき」と答えた人が、合法化される前の2018年よりも明らかに増えているのは、大きな変化でした。
でも、合法化されても情緒として飲み込めない人がいる。「台湾人は感情が法律を凌駕するから」と誰かが真顔で言い、笑い話にもならずうなずき合うことがありました。家庭内では両親祖父母兄弟姉妹、あるいは遠縁の者が「跡継ぎはどうするの、キェー」とくちばしを挟むこともあるのでしょう。

 

一方で、「台湾はLGBTフレンドリー、理解があるよね!」と熱く前のめりに語ってくる人もいて、私はどちらかというと「キェー」と叫ぶチームよりそっちのほうが苦手。「みんながみんな、そうではない」と押し戻します。
「LGBTなんて認めないッ許さないッ」と目くじら立てる人と、「偏見は許さないッ平等こそが素晴らしいッ」とがむしゃらに叫んでいる人は、本質が同じところにあるような気がしてならぬ。そんなことはない、一緒なわけがないだろうと反論されるのは重々承知。でも、フレンドリーとアンフレンドリーは、どちらも当事者以外の人が、当事者を介して自分の立場や考えを主張しているだけではないの。

 

で、アンケートの結果はこちら。

 

行政院性別平等處(Gender equality)が電話で行った性別平等、婚姻、同性愛、トランスジェンダーや性別平等措施への同意度に関するアンケート結果で、市民の性別平等に対する観念がいずれも上昇していることがわかった。特に「同性パートナーにも合法的な結婚の権利を認めるべき」の項目に同意する割合が最も増加、6割以上の人が支持すると答えた。

行政院性平處によると、台湾で同性婚が合法化されてから5月24日でちょうど二周年。2021年4月30日までに、台湾では5,871組の同性カップルが結婚登記をしている。

アンケート結果によると、同性パートナーとの婚姻権利を支持する割合は60.4%で、同性婚の方案が可決する以前の2018年に行われた調査結果の37.4%から23ポイント、昨年2020年との比較でも7.9ポイント上昇した。また、67.2%の人が「同性カップルが(血縁のない)子供を養子に引き取る権利」に同意し、72.2%の人が「同性カップルも同じようにきちんと子供を教育できる」と考えていることがわかった。
同性のパートナーが家庭を持つ権利を、人々はすでに認め、尊重しているといえる。

行政院性平處によると、65.1%が「トランスジェンダーと公衆トイレを共有する」ことに同意しており、昨年より3.1ポイントアップ。76.0%の人が「トランスジェンダーは自分が最も心地よくいられる服装を選択して学校や職場へ行く」ことに同意、また、88.9%が「トランスジェンダーと同僚になれる」と回答しており、人々のトランスジェンダーに対するフレンドリーさも上昇を続けている。

アンケート結果は行政院性別平等會の公式サイトで公開している。(https://gec.ey.gov.tw/

新頭殼newtalk:同婚合法將滿2週年 行政院:逾6成民眾支持同性婚姻

 

LGBTフレンドリーなんて言葉も無かった頃、ゲイの友達の実家の食事に呼ばれて行ったら「初めて女のひとを連れて来た!」と連絡を受けた親戚も集まって来る騒ぎになりました。紅包(お年玉)を握らされたり「それでいつ結婚するのか?」とダイレクトに詰め寄られ「友達です」と説明し、円卓を囲んだ人たちの落胆した顔を見るのは、少し辛かった。
「うちの親や親戚のおじさんおばさんは、同性愛っていうのがあることは知っていても、それがなんなのか、自分の息子がそうだっていうのは、理解できないんだよね」
と友達は言っていました。
あれから世代も変わり、
「息子が彼氏を連れて来た」
と友達から報告を聴くこともあります。
子どもの頃から知っている〇君に恋人ができたことに月日の流れを思いつつ
「もうそんなお年頃。彼氏は良い人?」
「イイ子なの。なんならうちの〇よりイケメン」
「〇君だって良い子でイケメンだよう。ふたりが健康で幸せなら言うことないわよね」
嘘も忖度も無く、ただそれだけを願って伝えます。子供の頃から知っている〇君と長い付き合いの友達、まだ見ぬいつか会えるかもしれない彼氏君が、健康で、幸せなら、もうそれでいいじゃないか。友達といっても、家の連なりや思うことを全て知っているわけではない。私がヤイヤイ知ったように他に言うことはありません。健康で幸せに、笑っていて欲しい。結局つきつめればそれだけです。
彼らの幸せを制度が支えてくれるのならば、尚安心。親世代は、賛成しようが反対しようが、大抵は先に逝くのだから。生きていく人を守る制度が整うのを、見届けなければ。

 

私にお年玉を握らせたお父さんの息子は、いまは同性のパートナーと事実婚状態にあります。ふたりは国籍が違うけれど、お互いの国どちらも、同性婚を認めていません。別の友達はやはり外国人のパートナーがいて、相手の国で入籍しました。それでも、現在の居住地では同居人としかみなされない。他国で婚姻していることを、あえて公表もしていない。
友達が「親に理解してもらえない、口もきいてもらえないのがつらい」と静かに泣いていた時、私は彼らの親を説得しには行きませんでした。ここに友達がいる、あなたを好きな人がいるとわかってほしい。そう願い、伝えるけでした。
LGBTフレンドリーは、何もかも肯定させるための標語ではない。
私は失礼な人を敬遠するし、エレガントな人は14歳だろうと90歳だろうと憧れる。私はLGBTパレードでパンツ一丁、筋肉を見せつけながら練り歩くセンスや、これ見よがしにいちゃついて見せる感性とは相容れない。そういった行動を「素晴らしい」「自由だ」とほめそやすセンスには、罪なことを言うねぇと思う。
「理解はするが、受け入れ難い」と感じる個人の許容範囲や感情を「常識」を振りかざして否定するのも、「同性愛は病気、直しましょう」と押さえつけるのと同じくらい、ナンセンスなことだと私は思う。

 

制度が整うことで、誰かの悲しみの涙が一粒でも減れば良い。「キェー」と頭ごなしに反対する人に、感情ではなく理論で説得できる切り札があるのは強みになるでしょう。感情が法律を上回りがちな国民性なら、なおのこと。愛する人の人生に責任を持つ覚悟、安心できる環境で生きる権利を持ち選べる、誰もがスタートラインにつくだけのこと。だからことさらに「台湾のLGBTフレンドリー」を持ち上げるつもりもありません。当たり前のことは、誰かに高らかに見せつける必要はないのだから。

 

 

西門の「Ude 有地」は、いわゆるLGBTフレンドリーなカフェ。通りすがりにその佇まいに惹かれて入った瞬間、店内にいた人たちが優し気な眼差しで振り向いたので「あ、そういうところ」と気づきました。でも、近所のおじさんやおばさんも朝ごはんを食べに来る。「LGBTフレンドリー」は敷居を高くするものではなく、誰もが普通に立ち寄るカフェ。気取らずに静かでエレガント、好きで時々立ち寄ります。
これは、Udeのドアに貼ってあった虹色の春聯。こちらでは、動物愛護にも尽力しています。

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mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|