ガンダムの聖地、西武新宿線・上井草駅近くの「カリーナ」でふくよかなサンドイッチを買って、朝の東京散歩へ
台湾から日本へ留学する予定の子に
「東京で、朝ご飯は買えますか?」
と真顔で相談されたことがあります。
その時私は台北にいて、日本を離れた暮らしのほうが長かった。
「コンビニでも買えるし、チェーンの食堂で朝食メニューはあるみたいだよ」
と答えながら、台湾のような手軽さや選択肢の豊かさは望めないだろうと気づきました。
ちなみに、留学する彼女に「やっぱり大同電鍋を東京生活に持っていくの?」と尋ねると
「もちろんです」
淡々と正々堂々、言っていました。
私の友達で留学経験のある子たちもみな、大同電鍋を携えて海を越えたと言っていたっけ。
今なら朝ごはんのことで心配していた女の子に教えてあげられる。心配しないで。西武新宿線沿線に住むなら、カリーナで朝のサンドイッチが買えるよ。
朝食を選んで買って職場で食べる文化に馴染む
朝から真夜中まで、食べることを大事にする。できるだけ作りたてで、安上がりに、気分によって、好きなものを選んで、美味しく食べる。そんな食文化を持つひとたちのため、
台湾では早朝から昼頃まで営業する朝食専門店が通りに何軒もあるというと、日本人は驚きます。通勤スタイルや、職場や学校での飲食のルールや習慣が台湾と日本では違う。バイクで乗り付けて朝ごはんを買うとか、職場のビルの前に出る屋台で買ってオフィスに上がるとか、そういう台湾の人たちの食生活や文化に、日本から来た駐在員が最初のうちはあからさまに不快感を示すことがありました。現地スタッフには言いにくいから、同胞である私に「なんでみんなデスクで朝飯喰って新聞読んでるんだ」と言ってきた上司に「まあまあ、現地の食文化は尊重してある程度目をつぶった方がいいですよ。現地の朝ごはんは種類も多くて美味しいから、召し上がってみませんか」と勧めたり。結局その人も美味しい朝食店を見つけたとかで現地の食文化を楽しみ始め、ごちゃごちゃ言わなくなりました。現地の習慣は食べること、胃袋から始まるね。
https://mimicafe.net/diary_17may2021/
ガンダムの聖地・上井草のサンドイッチ専門店「カリーナ」
西武新宿線の上井草が、ガンダムの聖地だとは知りませんでした。
南口の切符売り場の前にあまりにも自然に銅像があって、街行く人はあまり気にも留めていないよう。
ガンダムって港の近くに実寸大?のフィギュアが登場したりと、派手に大きい印象があります。「これ本当にガンダムかな?」アニメを知らない私はちょっととまどい、胸の中で「こんにちは」と挨拶をして踏切を渡り、北口側のサンドイッチ専門店「カリーナ」へ。
営業は木曜日から日曜日の朝6時から14時まで、売り切れたら店じまいだそうです。つまり、台湾によくある朝食専門店と同じスタイル!
カウンターの奥ではサンドイッチを作る作業をしているのが見えました。
コンビニの冷たくてきっちり型にはまったサンドイッチとは違う、ふくよかなサンドイッチです。
私の前に並んでいたスーツを着た若い男性「あんこクリームはないですか」
お店の人「今日は作ってないんです」
私(あんこクリーム…美味しそうだな…)
学生時代、最寄りの飯田橋駅から学校へ行く途中にあったパン屋さんで、焼き立ての小さいフランスパンを切ってはさむ「あんバタ」「バタピー」を買うのが楽しみでした。朝食ではなくお昼用に買っていくのだけれど、午前中の授業でお腹が空いてしまって、まだあたたかい「あんバタ」が入っているビニール袋を取り出し匂いを嗅いでいたら
「先生、〇〇さんがあんバタやってます」
クラスメイトがふざけて私を告発し、私も調子に乗って
「うるせえなーラリってなんかいねえよー」
と不良のような振りをしたことがありました。当時はシンナー遊びを「アンパンやってる」と言ったので、「あんバタやってる」とふざけたのです。大切なパンを没収された記憶はないので、あんバタは昼休みに無事食べたのでしょう。
あんこクリームのサンドイッチと聞いて、昭和の東京の女子高、のどかな学生生活を思い出しました。「カリーナ」はそんな思い出にもしっくりはまる、昭和な外観でした。お隣の「キッチン南海」もまた、いい雰囲気です。
4年ぶりに東京へ遊びに来た香港のともだちが、
「日本のコンビニのいちごサンドイッチが大好き」
と言って、(そういえばあるけど、食べたことはない)と気になっていました。
香港や台湾の友達のほうが、私なんかよりよほど日本のあれこれを知っている。
カリーナにもフルーツサンドがありました。いちごの旬は過ぎたからか、並んでいたのはパイナップルと桃かな、缶詰フルーツのサンドでした。
ハムカツサンド(210円)とフルーツサンド(260円)。この組み合わせは、なんだかものすごくイケナイよね。こんなこと、していいのだろうか。脳内でQueenのAnother One Bites the Dust、「地獄へ道連れ」が聴こえて来る気がする。悪そうなものほどひかれてしまうのよね。でもサンドイッチの王道・ポテトサラダとたまごの「スペシャル」(300円)もあるからいいの。3つもあれば、朝からお昼まで楽しいみたい。
上井草から新宿方面へ歩くと、最初の踏切。
都内なのに、こんな風景があるなんて。学生が制服姿で自転車をこいで行ったりするともう「これって日本のアニメの世界だね!」とアニメを良く知らない私でさえ、ちょっと震えました。
東京の空と緑、線路を見ると(ああ、トトロがいるんだな)と感じることがあります。なぜこの街でガンダムやトトロが生まれたのか。東京を歩いたり立ち止まったりしていると、この都市で作品が生まれた理由が、体感で腑に落ちるのです。
そんな東京で、出来立てのふくよかなサンドイッチを買って、朝の散歩をしましょう。
私は台湾で朝ご飯を買いに行ったことがついこの間のような思いと、学生時代、昭和の頃を思い出す懐かしさとともに。サンドイッチはつぶさないよう、仔猫か仔犬を抱くように、大切に持ってね。買ってから満員電車に乗るなら、頑丈なボックスでガードか、頭の上に乗せて行きましょう。
「カリーナ」店舗情報
住所:東京都杉並区井草5-19-6
電話:03-3301-3488
営業時間:木~日曜日 6:00~14:00(売り切れ次第終了)
公式サイト:http://kar-na.la.coocan.jp/
※表示価格+8%の軽減税
交通アクセス:西武新宿線 上井草駅 北口から徒歩1分
※ガンダム像は踏切を渡って南口です
まだ日本が物珍しい。東京散歩にまつわるコラム
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