台湾で香港ムードにひたる場所

「香港特別 行運冰室(Lucky Cafe)」の菠蘿油は台北にいることを忘れてしまう香港の味。

「香港特別行運冰室」がMRT「台電大樓」駅近くに移転&リニューアル。ここの菠蘿油は台北にいることを忘れてしまう香港の味がする

 

以前のお店があった南京復興駅から離れ、公館エリアに移転した「香港特別行運冰室」。カウンター以外は全てボックス席。鮮やかなシートがフカフカ、座り心地が良くて、慄いてしまいました。

「冰室っぽくない」
「冰室、茶餐廳は冷たいつるつるの板ベンチで、直角の背もたれなのに」「でも最近は香港もこんな感じかな…」

ランチセットは週替わり。店舗データに記載しているFacebookやInstagramで公布されるのでチェックして行きましょう。

私はDのタイ式のチキンナゲットライスにしました。ゆるめの目玉焼き、青梗菜を添えて、スープと70元の飲み物がつきます。アイスレモンティ「檸檬茶(冰)」は80元だから、差額10元をプラス。お米はインディカ米。香港で食べる白飯を思い出す口当たりでした。インディカ米はそれほど好きでもないのに、おかずにあうから嬉しかった。

11:30にはまばらだったのに、12:00を周ると店の外にも待つ人がいるほど。すべてのシートがいっぱいに埋まっていました。アラカルト(單訂)のメニューもあります。以前の店の住所入り、出しているものや価格は移転後も変わっていないようです。

アイスレモンティーには分厚いスライスが3枚。
「レモンをつぶして飲んでくださいね」
と説明を受けるのは、新鮮な感覚です。

行運冰火菠蘿油。普通に香港の味です。言われなければ、ここ香港かなと錯覚するほど。

オフィス街の南京復興から学生街に移転したせいか、雰囲気や客層はだいぶ変わったように感じました。座り心地の良いボックス席で、下午茶(アフタヌーンティ)もよさそう。台湾大学も歩いて行けるし、散歩がてらまた来たいです。

香港特別 行運冰室(LUCKY CAFE)店舗データ

住所:台北市羅斯福路三段283巷21弄2號
アクセス:MRT台電大樓駅2番出口から徒歩7分
営業時間:11:00-21:00
予約不可
FB:香港特別行運冰室
IG:THELUCKYCAFE

下記は移転前のお店の記録。好きだったので、残しておきます。

MRT南京復興駅近くの「行運冰室」でどっぷり香港と猫にまみれる

 

久しぶりに「ヤヴァイ」と心の中で30回くらいつぶやいた、台北にいながら本格香港と猫を楽しめるカフェの紹介です。
※2020年12月25日でこの南京復興の住所での営業は終了、移転予定です。

台湾でも人気のある「茶餐廳」や「冰室」は、香港スタイルの食堂。しかし台北にあるこれらの店のほとんどで、私はちゃぶ台返しを我慢するのに苦労してきました。

何度か通りかかるたびに「どうかしら」と気にはなっていた、MRT南京復興駅すぐ近くの「行運冰室」。

これまでがっかりさせられてきた似非茶餐廳のように、香港ぽさを強調した的外れな内装、八角まみれの甘ったるいものをかったるそうに出されるんじゃないか…。

そんなことを警戒して足を踏み入れていなかったのですが、秋晴れの遅い午前、ブランチ替わりに軽く食べて行く気になって、入ってみました。

もっと早く来るべきだった!

 

アイスレモンティー「凍檸茶」も香港風に黄色いレモンの厚切りで。台湾でレモンというと、緑色のライムが主流です。

 

ひとなつっこい猫の黑白ちゃんがお出迎え

ドアを開けると、誰もいない。朝食の混雑がひと段落して、お昼前の仕込みで忙しいかな。
「你好~」
と声をかけると

「ニャー」

と二階からお返事が。

階段の途中に置かれたボウルには「黑白の水」と書かれています。ドキドキしながら見上げてみると、その名の通り白と黒のハチワレが見下ろしていて、「いらっしゃーい」とばかりに階段を下りてきました。

行運冰室 黑白水 行運冰室 黑白登場

しっぽがピーンと立っているのは、喜びのあらわれ!

この時点でもう、私は崩壊していたと思います。
階段の下で、愛しきものが降りてくるのを待つ…ロマンティックな瞬間ではありませんか。

その後来てくれた台湾人の女性スタッフに、アイスミルクティとたまごサンドイッチを注文し、猫の名前を尋ねると「黑白よ」「ですよねー」。

冰室らしい、背もたれが直角のボックス席に座ってワクワクしていると、様子をうかがっていた黑白ちゃんはひょいと私の隣に乗りました。

ねこ同席の冰室!

行運冰室 黑白相席

いやああ、うへぇえ、おっほっほぅ

変な声を出しながらデレデレと黑白ちゃんと戯れます。11月の終わりでまだ生後11ヶ月、元気いっぱいの雄猫に腕をホールドされ猫キックをお見舞いされていると、店に入ってきた男性がぎょっとして

「大丈夫だから、その猫大丈夫だから」

と私に声をかけてくれ、黑白ちゃんにお説教をしていました。

飲み物を運んできてくれた女性に「あの方はオーナーさんですか?」と尋ねると「いいえ、お客さんよ」。

いいわあ、いいわあ。
誰が何だかわからない適当な感じ、大好きです。

行運冰室 お箸

ふわっふわのたまごサンドイッチと、いつもの香港の味のアイスミルクティ

出てきたサンドイッチをしばらくぼうっと見つめてしまいました。パンの中心は軽く炙ったほんのりきつね色、ふわっふわのこの厚み。
ああこれはヤヴァイ。もうだめ。何がだめなのかわからないけれど、なんだかとっても嬉しかった。

行運冰室 滑蛋治 凍奶茶

ミルクティも普通に香港の味。本当に、いつもの香港の味そのものでした。

聴くと、こちらは6人のオーナーのうち4人が香港人なんだとか。順番に台北のこのお店を見に来ているそうです。

鴛鴦。コーヒー紅茶です。ここのは程よい濃さで、砂糖なしでも飲みやすかった。

 

レジの後ろに並べられたイラストや写真。色あせた映画「古惑仔」のポートレート。赤いケースのコーラの瓶。ずらりと並んだ黑白淡奶の缶。

行運冰室 古惑仔
行運冰室 可樂

 

香港が好きで茶餐廳が好きで猫が好きなひとには、ここは楽園と書いてパラダイスです。

トイレは2階のテラスにあります。
黒白ちゃんが締め出されないよう、ドアの開け閉めには注意しましょう。

行運冰室二樓 行運冰室 女厠

※混雑時は出てこないこともあります。ねこカフェではないので、姿が見えない時は次回のお楽しみにしましょう。

行運冰室 入口黑白淡奶缶
星州炒米

 

ご飯ものも色々あります。

 

行運冰室 入口

2019.5.18追記

黑白ちゃんはオーナーのおうちで暮らすことになり、もうお店には出ないそうです。寂しいけど、おうちでゆっくり幸せに暮らしておくれ…。

黑白ちゃんがいない2階席。寂しい。

※店舗情報は訪問、掲載時のものです。ご利用前に営業状態をご確認ください。

※情報や画像の流用、転載は固くお断りいたします。

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mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|