香港

香港の茶餐廳で菠蘿油と凍奶茶の罪深い朝食。笑顔とおしゃべりを1日分のエンジンにして香港の街を歩く

2025年11月、私にとっては6年ぶりの香港。
ホテルにも朝食ブッフェはあるけれど、あえてパスして早朝の街を歩きました。

 

看板猫を可愛がる店が並ぶエリアの近くで見つけた茶餐廳。
今日も前日とまったく同じ菠蘿油と凍奶茶(少甜)をオーダーします。

菠蘿油は、パイナップルパンにバタースライスを挟んだもの。凍奶茶(少甜)はアイスミルクティ(甘さ控えめ)。香港のパイナップルパンの味が恋しくて彷徨っても、台湾に数ある香港式茶餐廳でも私が美味しいと思ったのは台北と台南で各1店舗のみ。日本ではまだ、美味しいものにめぐりあっていません。

香港に帰ってきて何気なく入った店で、温かく甘い菠蘿油の黄色いかけらが膝に落ちる。店のテレビではTVBのニュース番組「早晨香港」が大埔で起きてしまった大火災の状況を知らせ、ほぼ満席の客の多くが報道にくぎ付け。手元にスマホがあっても、「早晨香港」のテーマ曲やコールサインが聴こえてくれば顔を上げて見入る。香港の朝の風景はそのままでした。

この後の予定を考えるとゆっくりもできず、食べ終わってすぐにエプロンをつけたおばさんに「埋單」を頼むと、私のテーブルの上のお皿とグラスを見て手元の小さな紙に値段を書きつけながら
「あの犬はお姐さんのかい?」
とたずねられました。


「ううん、私が来た時にはもう入口に繋がれていたよ」
答えると、おばさんは笑って
「あんた、さっきちょっとのぞいて通りすぎていったでしょ。入らないから、今日は食べたくないのかと思ってたよ」
「満席だったから、少し歩いてから戻って来たのよ」
「昨日も来たね」
「うん、来た。美味しいんだもん」
昨日来たことも、店の前を通り過ぎて行ったことも見て覚えていてくれたなんて。嬉しいな。また香港へ来たら、ここで食べたい。

日本でいうメロンパンのような菓子パンにバターを挟んで甘いミルクティと一緒に朝からだなんて、カロリー的にも栄養バランスでみても、罪深すぎる。でも、一日香港中を歩き回る予定だから良いのだと即決で決めたメニューでした。

新しすぎる茶餐廳はなんとなく敬遠してしまうし、古い店はもうだいぶ閉まってしまった。6年もこの街から離れていた間に、変わったことはあるけれど、変わらないことも、まだたくさんある。

 

また来るねと言ってお店の人たちと笑顔を交わし、入口でおとなしく誰かを待つ犬たちにも手を振って、猫たちのいる店の方へ歩き出す。短い時間でこの街を走り抜けるには、やっぱりこのくらいのカロリーは必要。どうってことないさ。ないのさ。カロリーと笑顔とおしゃべりが、香港を1日歩くエンジンになります。

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ABOUT ME
mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。