朝の遅い時間に朝食を買いに出かけると、大通りの交差点に老犬がいました。やせて、目もしょぼついて、かなりの高齢だとわかります。なんであんなところにひとりでいるんだろう?
気になってしまい、一度渡った横断歩道を再び戻る。横断歩道の脇の鉄柱に太めのリードでつながれ、リードにはビニール袋もくくられていました。
シニア犬、不安そうに立ってうろうろ。道路にも出てしまうのを、通りがかった人が心配そうに歩道の上に戻していました。
朝食は後回し。その日どうしても必要だったものだけさっと購入に行き、再度交差点へ戻ると、まだ犬はつながれたまま。
雨期の台北、この日は久しぶりに晴れていたけれど、この後雨が降るかもしれない。あまり大きくもない木の葉では、雨も日差しも避けられない。つながれたままの年老いた犬、大勢の人が交差点を行きかう。なんだか呼吸が苦しそうにも見えます。のどが渇いているんだろうか。
あの子、近所のシニア犬に似ている。いつもは玄関先で眠っているけれど、時々ゆっくり散歩をしているところとすれ違う。ゆっくりでも、歩けるんだ。よかった。見送っていると、これ見よがしにステップを踏んだりして、楽しそうだった。
あの子かもしれない。どのくらいつながれているのかわからないけれど、水がほしいんだろうか。手元に財布とスマホ、折りたたみ傘しかないので、急いで家に帰りました。
使っていないプラスチックボウルをバッグに入れ、PCを立ち上げ、遺棄されたり虐待されている動物を保護してもらうにはどうしたらいいのか、通報先を探します。
「社團法人台灣防止虐待動物協會 SPCA」にサイトのフォームから連絡すると、すぐに返事が来たものの、虐待の通報には画像が必要でした。
書きかけのフォームをそのままにして、ボウルを持って再び、犬がつながれていた交差点へ。
犬にあげる水を買うためにコンビニのある道を足早に歩いていたら、飼い主のリードにつながれて、先ほどの犬がゆっくり歩いてきました。私は立ち止まって道の端に寄り、近づいてくる犬にじっと眼をこらします。つながれていたのと同じ色のリード。飼い主の手には、リードにくくられていたビニール袋。犬自身も、毛並みの特徴に間違いありません。行き先を見届けると、やっぱりあの子、近所のシニア犬でした。
遺棄されてしばりつけられていたなんて、私の思い過ごしだった。早とちりでよかった。飼い主の用事の間、つながれて待っていたのでしょう。
でも、あんな交差点は危ないよ。
何人もの人が足やバイク、自転車を止めて、つながれた犬を見ていました。
綺麗な若い犬がしゃれたパン屋の前につながれていたら、中で買い物をしているご主人待ちなのだろうとあまり心配はありません。でも、かなり高齢の綺麗とはいえない犬が交通量の多い場所でつながれてしょんぼりしていたら、胸をかきむしられてオロオロする人もいると思います。昼時にもっと人出や交通量が増えたら、私以外にも通報した人がいたかもしれません。
もし今度こんなことがあったら、写真証拠もためらわずに撮ることにします。間違いだったらそれでいい。SPCAには「飼い主が迎えに来ていました。お騒がせしました」と返信を入れ、サイトを通じて寄付もしました。
社團法人台灣防止虐待動物協會
https://www.spca.org.tw/
落ち着いてからようやく何か食べようという気になって、感じのいい朝食店へ行きました。おかみさんとご主人、ふたりとも程よい距離感で、シンプルに元気、いつも気持ちの良い対応をしてくれます。サンドイッチと豆乳を買ったら、雨が降ってきた。降る前に飼い主が迎えに来てくれて、本当によかったです。





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