友達と散歩がてら出かけた明治時神宮で買い求めた榮太樓の缶入りのど飴。家に帰って蓋をひねっても、びくともしなくて途方にくれました。
私は中学時代にふざけて体育館のステージから落ち両手首を同時に骨折して以来握力が弱く、体力測定のたびに「もっと本気を出して握りなさい」と叱られ「ふざけていません。これが限界です」と答えてきましたが、日常生活に支障はありません。なのに榮太樓、ここまで頑丈とは。「榮太樓 缶 開かない」で検索してみると、榮太樓飴の公式ホームページに缶の開け方解説と、動画まで掲載されていました。
コインを蓋のふちに入れて捻りながらあけるのね。なんとまあ。クラッシックで頑固で安全。好きだなあ。
日本の包装技術やデザインは、日本から離れて初めてそのすごさを実感しました。
特にフィルムのラッピング。お菓子やCDなど、香港や台湾のものは「どこからはがすのか」きっかけを探すのにいつも苦労したものです。
その日も香港の尖沙咀・北京道にあったHMVでCDを買い、ラップをはがすきっかけを探していると、一緒に買い物をした香港人の友達が、私の手からCDを取り上げました。彼はポケットから1ドル硬貨を出し、フィルムに切れ目を入れてはがしながら
「日本みたいになんでも便利だと思うなよ」
と言ったものです。
その時点ですでに5年は香港に住んでいたのに、まだ私は日本の便利さを覚えていて、どこかにきっかけがあるはずだと思い込み、つるつるのラッピングをまさぐっていたのね。
恥ずかしいような情けないような、友達かっこいいなとか、いろんな思いが北京道の曇り空の下で渦巻いて、いまだに私の記憶に残ってる。日本で榮太樓飴の缶を10円玉で開きながら、香港のあの日のことを思い出しました。
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