バリ島の海辺でヨガをしたい
台北で始めたヨガ、週末だけ初心者クラスから中の下クラスあたりをうろつく程度で、逆立ち的なことは出来ない。
空いた時間、好きな先生だなとうっかりスペクタクルなクラスをとってしまって、体操の選手か、あなたはたった今少林寺から降りてきましたよね、というレベルの人たちに囲まれ、フラフラになったりする。
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バリ島の海辺でヨガ、情報が多すぎて悩む
いつもは室内なので、ぜひバリ島で、海辺でサンライズヨガなどをやってみたかった。検索をすると情報が多すぎて決め手を見つけられず、一旦横に置いてスパの検索をした。
バリ島のホテル担当者と、リアルタイムチャットで予約
10年くらい前、華美ではないけれど波の音が聞こえるスパに行き大変気分が良かったので、またそんなところを探そうと、キーワードを入れてみたらバリ島の南側にある、海辺のリゾートホテルにたどり着いた。
そのホテルのアクティビティにSUPヨガの写真が載っていた。透き通る海に浮かべたボードの上で、水着で瞑想しているもの。冷静に考えたら、これも相当スペクタクルだろう。でも、旅行という非日常にひきずられて早速問い合わせをしてみる。
今は便利な時代ですね、チャットでリアルタイムに担当者の方に質問ができる。日時や希望をあれこれ伝えると、相手の方は丁寧に手配をしてくれた。
残念ながらSUPヨガの先生はその時期不在だった。
あんなに素敵な画像を見た後では、がっかりの幅も大きかったけれどジャグジーエリアでマットを敷いたノーマルヨガを手配できるとのこと。ノーマルヨガの画像は無いから想像できなかったけれどきちんと代案を提示してくれるのは素晴らしいなと思って、お願いすることにした。
南の南、パラダイス。バリ島のKarma Kanderaは描いた夢を越えていた
バリの南端、初めて行くエリア。
朝早く、からりと晴れた青空の下、ブルータクシーでヌサドゥアを出発。
南の南パラダイス、とThe Black Catsの「もう一度だけランデブー」を口ずさみたくなる。あの曲はシンガポールを唄ったものだけれど。
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リゾートホテルのレセプションはほぼアウトドアで、女性と男性がふたり座れるだけの小さなテーブル。椅子とソファのセットがあるだけで、規模の小さいホテルなのかなと思った。
スパエリアまで石垣に囲まれた細い道を歩いていく。ヴィラのドアがいくつもあるけれど、人の気配はしない。みんなもう、海に出かけているんだろうか。
鳥の声、風の音、波の音も遠くに聞こえてくる。
スパの門が見えて、ここだねと友達と喜びつつ壁を見ると、動物が歩いてくるのが見えた。
猫かしら、と思ったら、猿だった。一匹だけではない、三匹はいたかもしれない。
飛ばないでね、来ないでねとちょっとドキドキしながら中へ入ってくと、スパの担当者と、ヨガの先生が笑顔で待っていて、予約をした私の名前を呼んでくれた。
嬉しい。
ヨガをするジャグジーエリアとはどんなところかと思ったら、崖の上、海を真下に見下ろし、木々と花に囲まれる場所だった。
風が吹いて、波の音が聴こえる。
マットに仰向けになれば、真っ青な空と、せり出す木と花。
目を閉じると、また風が吹いてくる。
この素晴らしい風景を見ないでいるのはもったいない、でも、目を閉じて風と波の音、木のゆれる音、鳥の声だけを感じる贅沢に浸ってみた。
少林寺風の先生は、しなやかで鋭い風貌で英語で優しく、ゆっくりと呑気な私たちを教えてくれた。
台北のヨガスタジオでは、多ければ40人もいるクラスの中でそう目配りもしれはもらえない。ここでは友達と私のふたりだけだったから、細かく直してもらったり、それぞれの癖を指摘してもらったり仰向けに伸ばした足の甲からつま先を、先生の温かく厚い手で伸ばしてもらうと、鍛錬した人だけが持てる力が、だらしない私にも沁み込んでくるようだった。
後から来た人間、いたずらおサルに遠慮する。
ここにも猿が来た。
最初は一匹。壁の上で、大きな猿が座り込み私たちを見下ろしていた。馬鹿な人間がくねくね何をしていやがる。とでも思っていたかな。ちょっと怖かったけど、これもバリ島なのだ。とやり過ごそうとした。
でも、次から次へと、大小の猿たちがどんどん集まって来て小さいのが石を投げ入れてくる始末。穏やかな先生もさすがにまずいと思ったのか、一時中断をして、スタッフを呼びに行くと言う。
壁の上には猿猿猿。
私たちを置いていくんですか、と心細く感じたら先生は笑顔で、短い棒を私に差し出した。これで、身を守れということなのだろう。
戻ってきた先生とスタッフの方は長い棒を手にして、猿には当たらないように、離れなさいね~という感じで遠ざけてくれた。決して傷つけたりはしないのだろう。結局ボスだけは残って、私たちを壁の上で最後まで見ていた。馬鹿な人間が何かしていやがる、と。
ヨガの後、ゴンドラで崖から降りた浜辺でも猿たちにココナツジュースを狙われたりしたけれどスタッフの方たちが「こ~れ」という感じで遠ざけてくれた。寛いでいたゲストも笑いながらちょっと逃げるだけ。誰も怒らない。
猿がいる山と森、海の場所に人間が後から来ただけなんだよなあと思う。
ちょっとお邪魔させてもらっただけ。叩いたり、争ったりしない。叱ったり、厳しい言葉をぶつけたりしない。
競争でも、闘いでもなく、深く呼吸をして、風を感じて、体を伸ばすこと。バリ島でのヨガで、教えてもらえた。
Karma Kandera Data
Jalan Villa Kandara, Banjar Wijaya Kusuma, Ungasan 80362, Indonesia.
https://www.karmagroup.com/find-destination/karma-resorts/karma-kandara