台湾あるある

台湾の謎「山本頭」ってなに?昔ながらの理髪店で聞いてみた

台湾でも数少ない、「山本頭」が出来る理髪店。「うちはできるぞ」と胸を張るクラッシックなお店を2軒紹介します。

 


「山本頭って何」

台湾で時々見かける理髪店の看板。「山本頭」の詳細は、台湾人の友人に聞いても「わからない」と首をかしげます。

台湾映画「林北小舞(The Gangsters Daughter)」を観ていたら、反社会勢力のエライ人であるお父さんの髪型を、高校生の娘が

「なに、その平頭(まるみのある坊主にちかいスタイル)」

とつっこむと

「平頭じゃねえよ。山本頭だ」

と返す場面がありました。

 

https://www.facebook.com/thegangstersdaughter/photos/a.1329636817106712/1428662453870814/?type=3&theater

出典:林北小舞 公式Facebook

そういう方たちのスタイルなのか。
と思いきや、クラブやジムで花開いている「おしゃれ坊主」系の人も。ライフスタイル次第で、山本頭もスタイリッシュな感じに仕上がるのですね。

「なんで山本頭」なの 先生にきいてみた

Wikiの山本頭に関する記述は、たった三行でした。

山本頭是一種類似平頭髮型,但額頭兩側稍高,頭頂也沒像平頭一樣平,是曾經流行於日本黑社會的一種髮型。

據稱其名稱是源於第二次世界大戰的日本海軍將領山本五十六

出典:「山本頭」Wiki (中国語版)

短い文章の中でも、「平頭」との違いを説明しています。
「平頭」は軍人によく見られる、さっぱりした坊主頭のこと。
「山本頭」はさらに「額の処理」の細かい技巧をこらすようです。

「山本五十六」のヘアスタイルから「山本頭」と呼ぶようになった説もまことしやかに流れていますが、台湾人の友人曰く

「日本人といえば山本姓。だから日本人の頭=山本頭なのでは」

田中や佐藤ではなく、日本人の姓といえば山本。その不思議感覚も、新たな発見でした。

ここはやはり、理髪店の先生に尋ねてみましょう。

「先生、山本頭ってどんな」

「山本頭?昔からやってるよ!」
「できるよ!」

話がかみ合わず。

「何で山本なんでしょう」

もう一度確かめても相変わらず

「うーん」

先生たちも、はっきりしたいわれは知らないようでした。

山本頭と平頭の違いとこだわりは高い技術で作る「剃りこみ」

 

「山本頭」は「平頭」よりも高い技術が必要とされるカットであることは間違いありません。

「山本頭」はカットする人、される人、どちらも「平頭じゃねえ」M字に近い精密なこめかみ上部の「美しい剃りこみ技術」にこだわっているようです。

「山本頭」は、少なくとも週に1度はお手入れしないと不細工になってしまうんだとか。コワモテだけど、黙々と身だしなみに気を遣う、大人の男性って素敵。

台北で山本頭が出来る店

 

理髪店は男の世界。
入りにくい、女人禁制?と二の足を踏みますが、どちらの店もあっさりと「入りなー、見ていきなー写真撮れー」と招き入れてくれました。

帥賓理髮廳

MRT大橋頭駅から迪化街へ向かう途中にあるお店。大きな看板を掲げています。

大橋頭の山本頭。

 

マネキンがヘアカタログがわりに

 

スタイリスト指名料は50元。

 

短く刈り込む丁寧な技術が必要な「山本頭」は、ベテランの仕事だそう。

「出来る人は少なくなったよ」

物陰から「山本頭」の看板をじっと見ていた私に気づくと
「店の写真撮りたいの?撮りな、撮れ撮れ」
と声をかけてくれた劉さんは、笑顔で胸を張っていました。

 

帥賓理髮廳
住所|台北市延平北路二段255之41號
電話|0917-891-776(劉さん)

 

台北紅玫瑰理髮廳

 

西門町。台北一の老舗理髪店は、思い描いた通りの先生たちが白いユニフォームで仕事をしていました。

「写真か」「おう」としぶくポーズをとってくれた先生たち

 

右手前はシャンプー台。大きな流し台に数人並ぶことが出来るのが、台湾理髪店スタイル

 

「山本頭?もちろんできるさ」

ベテランの風格は本当にカッコ良かった。

こんな先生に頭を任せてみたいけど、女性としてその願いは叶わない。そんな手の届かない感じが好きです。

台北紅玫瑰理髮廳

住所|台北市長沙街2段56號2樓
電話|02 2371 7601
URL|公式Facebook

台北にはクールなバーバーショップも

 

台北で、ロカビリースタイルのカッコいいバーバーショップを見つけてました。メンズワールド、誰かの付き添いで行きたいです。

COOL CATS 酷貓理髮廳

 

COOL CATS 酷貓理髮廳|台北のクールなバーバーショップはロカビリースタイル台北でロカビリーテイストのクールなバーバーショップ「COOL CATS 酷貓理髮廳」。台湾に数多ある理髪店の中でも異色の、リーゼントスタイルを得意とする店です。50’sスタイルがリバイバルした1980年代の原宿ロカビリーが原色のまま、國父紀念堂近くの路地裏に現れたかのようでした。...

 

 

COOL CATSの看板ねこちゃん

 

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mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|