思い出が詰まった毛だらけの旅行鞄に、ありがとうとさようなら。

久しぶりの二泊三日旅、旅行鞄を出してみたら傷みがひどいと気が付きました。

 

考えてみたら、香港で15年以上前に買った旅行鞄です。確か沙田の、西田だった。お店の人が商品のことをよくわかっていて、「ほら、こうやってくるっと回すことも出来るのよ」と実際に回して見せてくれたこと覚えてる。笑顔のお姉さん、素晴らしい店員さんだったな。

 

香港から台北に移り住んだ時も、この旅行鞄に当座のものを詰めていきました。台湾では住んでいたアパートのゴミ収集場に、仕分けさえすれば小型の旅行鞄も出せたと思います。大抵のものはその日のうちにゴミに出せたから、日本に帰って来て「生ごみは週にふつかだけ…？夏場どうすんの？」と震えあがったわ。分別は当然のこととしても、割ってしまったグラスも、月に二回の不燃物収集の日まで出せないなんて。こわれた物を家の中に置いておくのは気分よくないけれど、仕方ない。

旅行鞄にいたっては、日本では大型ごみ収集の予約をする必要があります。オンラインで調べたら、直近の二週間はもう予約で埋まっている。有料で、しかも順番待ちか！おとなしく予約をして近所のコンビニでゴミ収集クーポンを買い、旅行鞄に貼って、当日の朝、ゴミ置き場に出しました。

この旅行鞄とは、いろんな場所へ一緒に行きました。香港から台湾へ行き、台湾から香港へも行った。台湾の中で、台北から台南へ、墾丁へ、花蓮も台中も一緒でした。台北からバンコクへも、この旅行鞄で行ったっけ。そして最後に、台北から東京へ来たね。

ありがとうね。さようならね。

旅行鞄に手を置いて、お別れを言いました。

 

猫あるある。旅行鞄は出せばまず、猫に占拠されるのよね。そんで旅先も毛だらけで歩き回るの。