台北での部屋探し。内湖に、きれいに内装した部屋が手ごろに出ていました。さっそく大家さんに電話をかけてみます。
永住権持ちの外国人、仕事はフリーランス、猫連れの身分であることを、まず最初に明かしました。
「いいわよ!前の店子が引越して掃除に来てるから、今から見に来る?」
しゃきしゃきとした口調のお姐さんでした。
今からと言われても私はまだ身支度も出来ていなかったので1時間半後にお願い。
「いいわよ!住所言うからね」
彼女が教えてくれたのは、サイトに出ているのと違います。それを指摘すると
「ああ、あの部屋はもう借り手がついちゃった。今掃除してる部屋も広いわよ。見にいらっしゃいよ」
とはいっても、内湖まで行くのだし、せめて写真を見たいと思い、591に掲載しているか尋ねたところ
「まだしてないよ。あと、汐止にも部屋がある。でもあちらはちょっと交通が不便なのね。車かバイクある?ないの。じゃあ内湖に来なさい」
いっぱい物件もってるんだなあと感心しながら出かけました。私は内見をするとき、必ず先に周辺をぐるぐる見て回るようにしています。新鮮な果物屋さん、ある程度の規模のコンビニ、市場やスーパーマーケット。気になる暗がりはないか。騒音の元になりそうな場所はないか。内湖は新しいオフィスやアウトレットの大型ビルが多いけれど、一般的には古く静かな住宅街の印象を持ちました。松山空港が近いから、飛行機の音が結構大きく聴こえる。以前復興北路に住んでいた時も近かったけれど、こんなに大きな音ではなかった。うちの猫どうかな。部屋の中にいてもどこまで聴こえるかが問題だな。怖がるかもしれない。花市も近いし、悪くないけれど。
しゃきしゃきとしたお姐さんは掃除の途中に迎えに来てくれました。
「仕事は何してるの」
「ガイドブックの記事や、台湾紹介の文章書いたり、翻訳したりしています」
「ふーん・・・ネットで?」
「それもありますね」
「ネットでモノを売ってるの?」
「いえ、文章を書いて」
「ネットでモノを売って、伝票を書いてるのね」
しゃきしゃきしているけれど、話が通じにくいのかなと思いました。今まで同じ説明をして歪曲されたことはなかったけど、「作家です」と一言で言えるものでもないし、フリーランスの在宅仕事の説明って難しいのかな。
結局そこは、キッチンの要素が全くなかったのでアウトでした。ホテルのように、寝起きする場所としては綺麗に整っているのだけれども。
「この辺に勤めている人は料理はしないのよ。近くに食べるところが沢山有るから」
新聞社やテレビ局などのメディア関係や、IT関係の会社が多く、不規則な仕事の若い人がターゲットかな。
「私は家で仕事をするから、料理もちゃんとしたいの。なので、ごめんなさい」
と、滞在2分程度でその場を後にしました。
もう一つ気になったのが、アパートの門を「閉めなくてもいいわよ」とお姐さんが言ったこと。管理人のいない公寓で、ドア開けっ放しかしっかり閉じているかで安全度も違うと思います。開けた時についてこられたらどうしようもないけれど、ゆるいところから狙われるだろうし。管理人がいなくても、住人全体が安全意識を持っていないところは避けたいと思います。
家さがしはもう少し続きそうです。
台湾・台北での引っ越し関係コラム集