2019年開催のサッカーアジアカップ予選。国慶節連休の最終日10月10日(火)、中華台北がバーレーンをホームに迎え、台北スタジアムで試合が行われました。
3月に台北で行ったトルクメニスタンとの試合を一緒に観に行った友達が、スタジアムの雰囲気をすっかり気に入って「次も絶対行こう」と楽しみにしていた今回の試合。チケットは「早鳥優惠」、早売り割引でメインスタンド300元のところを260元で購入しました。
増加する観客、台湾代表2-1で逆転勝利!
前半はPKを取られてしまったものの、後半で巻き返した台湾代表。3月の時にも人が増えたなと感じましたが、夏のユニバーシアード大会を経て、さらに観客が増加したよう。メインスタンドは天井まで満席、サブスタンドも後半が始まるまでにじわじわ埋まっていきました。ゴール裏にはウルトラス。今までは鳴り物と「フォルモサ・ゴール」のコールだけで、一部だけが頑張っているような印象だったけれど、今回は状況に応じてチャントを変え、スタジアム全体の雰囲気を引っ張り上げているような、大活躍でした。でも、台湾サッカー観戦の良さは、応援スタイルの固定も、怖いサポーターも存在無いところ。日本語で「うぉらっしゃー!」「クォルァアなにやっとんじゃあ!」と叫んでいた私らが一番物騒だった程度。老若男女が気軽に現地観戦でき、子供連れでも全く心配ありません。
初めてのスタメシ販売!今後のメニュー展開に期待。
今までスタジアムでは飲食の販売は無かったので、私は友人たちと、台北アリーナ斜め前の微風南京で仕込んでいくことにしました。するとここの地下にある「艋舺雞排」がスタジアム内で販売を行うと言うアナウンスが。
スタジアムでフライドチキン、楽しそうじゃん!と浮足立ったものの、なにしろ販売は初めての試み。カウンターに殺到やら順番待ちやらで混乱する予感がする。なにが起きるかわからないので、私たちは「先に微風で買って行こう」とお店に行ってみると
「30分まちです」
「なぜ?あっ、もしかしてスタジアムで販売する分を作ってる?」
中華足球協会の「台湾の応援に青いシャツで集まろう!」という呼び掛けにこたえて、青シャツをひっぱりだして着ていた私たち。
「うちらもこれからスタジアムなの」
「じゃあ現地で買ってください」
そう言ってデリバリー担当のお兄さんが抱えあげたスタジアム販売用のチキンを詰めた箱は、ふざけているほど小さなもの。
「足りないよねえ・・・」
案の定、スタジアム内のカウンターは私たちが入場したころには「チキンの予約受付は終了しました」。予約受付てなんや!とがっくり来ましたが、「スタメシ売れるんだな」「もっと準備しようかな」と今後の手配の布石になることでしょう。
電鍋の「大同」足球隊所属!荒川良々系GKのファンになる
この試合の台湾の「門将」、GKは初めて観る選手でした。フィールドの選手たちと明らかに違うちょっとまるまった背中、坊主頭、のっそりとした動き方が遠目には俳優の荒川良々にそっくり。台北スタジアムの施設では先発選手紹介のモニターもなく、彼の背中の名前も見えないので「良々」と呼ぶことに。良々の蹴るボールは夜のスタジアムに何度も綺麗な弧を描いていました。ちょっと左にそれる癖はあるみたいだったけど。
勝利を喜びながらぐるりと周ってスタジアムの歓声に応える選手たち、良々こと潘文傑選手はグループの輪よりもひとり先を行きながら、スタンドのファンを煽る仕草。その独特な、つかみどころのないクールな感じがたまらんと、すっかりファンになってしまいました。
潘選手、調べてみると大同足球隊(Tatung Football Club)所属でした。大同は電鍋だけではなく、サッカー部もあるのです。すごい会社だな。公開練習してないのかな。観に行ってみたいな。
黒田前監督が病気療養をされることで退き、英国人のゲイリー・ホワイト新監督の体制になった台湾サッカーの代表チーム。FIFAのランキングも151位から143位に上がって、過去最高になりました。6年以内の100位入りを目指しているそうです。
http://japan.cna.com.tw/news/aart/201710180007.aspx
次の試合は12月、インドネシアとの親善試合です。国際試合が行えるスタジアムは台北か高雄。台北だといいなあ。じわじわと、でも目に見えて育っている台北でのサッカー観戦人口、この勢いでもっと盛り上がり定着することを願っています。
スタジアムへ入っていく通路の前でどきどきする気持ちは、毎回新鮮。