台北の大晦日と元旦は小雨交じりの曇り空で寒かった。
日本からの旅行者はどっと増えたものの、台湾は大晦日まで通常営業。台北101周辺のカウントダウンイベントで交通規制があるので、路線の人は巻き込まれないように手を打って早く帰る。
大晦日は友達と近所で昼食をとり、路地裏のカフェで古風なコーヒーとケーキとともにおしゃべりをして、夕方には解散。紅白が始まるまでに年越しそばの準備をする。
去年の紅白はラグビーやゴルフなどスポーツ選手をフューチャーしていたので、背景に試合の様子が流れることが多かった。そのたびに、海外では放送権の関係で、静止画像になる。日本で観ている人が大多数なのだろうけれど、レコード大賞受賞曲を子供たちが英語で歌ったり、世界各地のAKBグループ代表がそれぞれの言葉で歌ったり、「世界に」というわりには海外視聴者は「おあずけ」喰らう場面が、今回はことのほか多かった。それを友達とSNSで愚痴り合う。
スポーツの場面は権利で守られているから仕方がないとしても、それを背景にして歌うアーティストの表情まで「静止画」で隠されてしまうのは興ざめだったなあ……。今年は東京オリンピックだし、2020年の紅白も「おあずけ」が多いんだろうか。とちょっと複雑な思いで、紅白鑑賞はなんとなく終わった。
画面がゆく年くる年の除夜の鐘に切り替わる。日本ではカウントダウン、時差のある台北でも、気の早い花火の音が近所から聴こえてくる。
そんな感じの年の瀬でした。
元旦を挟んで、今日1月2日の台湾は通常営業。昨日までとは打って変わり、穏やかな良い天気。
今年は春節休みが1月23日からなので、日本の年末年始休みと春節休みの短い間隔の中に、新年会と忘年会、仕事はじめと仕事納めが詰まっている。だから私も今日は早朝から仕事。日本が休みの間に、あれもこれも、片付けておかなければ。
一段落してから出かけた今年初めのジムは、いつもより少し人が多い感じ。でも、特に「新年快樂」などの挨拶はしないし、聴こえても来ない。
暖かくて気持ちが良いので、まっすぐ帰るのももったいないような気がしてカフェに寄る。半そでの人たちが歩いている。冷たいカフェラテ。
しばらくぼーっとして、散歩している猫を眺め、会計の時にわりとクールなオーナーバリスタから「新年快樂」と笑顔で言われた。
いつもわりとつっけんどんなジムのカウンターの人たちも、今日はにこやかだったような気がする。台湾は旧暦の春節重視とはいえ、やっぱり新しい年の始まりは、みんな気持ちが良いんだね。
常に気持ちが良い猫。