台湾発・新型コロナ関連

台湾のコロナ対策、うまくいってる?観光地大混雑の4連休後に警戒を

台湾の清明節4連休、観光地が大にぎわいで当局が注意喚起。日本の連休後感染増加、SARSが清明節後に感染拡大した過去を教訓に、気を緩めず

 

4月4日(土)、清明節連休の3日目に台湾当局は複数の観光地を名指しで「混雑しているので行くべきではない」と注意喚起をしました。
連休中に気を緩めた各地の混雑と、日本の状況を教訓にしなければならないことをまとめます。

台湾4連休中、海や夜市が大混雑で白目をむく

日本の外務省からも注意喚起のメールが来たので「そんなに?」と思ったのですが、各地の画像を見て白目をむきました。

 

清明節連休、帰省や集まりを自粛する友人たちの話を聴いていたし、テレビCMでも頻繁に「お墓は代表者がお参りを、集まらず、自宅で手を合わせましょう」「社会的距離(ソーシャルディスタンス)を守って」と促していました。まさかこんなに多くの人たちが、海や夜市に繰り出していたとは……。

外務省 から「観光と交通機関利用」の注意喚起

外務省からのリリースは下記の通りです。

「台湾の清明節連休中の観光及び公共交通機関の利用時における注意事項について」

 

4月4日,中央感染症指揮センターは衛生福利部疾病管制署のプレスリリースにおいて,台湾の清明節連休中,各地の観光地が混み合っていることを踏まえ,社会的距離を保つことやマスクの着用について注意を促す旨発表しました。

 

「墾丁には足を踏み入れないよう」

 

【中央感染症指揮センター発表内容概要】

同指揮センターは,台湾内の観光地が混雑していることに鑑み,
(A)阿里山森林遊楽区,花蓮東大門夜市,嘉義文化路,台南開子嶺,虎頭ヒ(土偏に卑),烏山頭ダム及び湖境度暇会館等のヒ(土偏に卑)塘風景区,高雄興達港,旗山老街,雲林北港朝天宮等の一般観光地,及び(B)屏東県南州郷以南(墾丁観光地含む)に関し,室内外で他者との社会的距離(屋内では1.5メートル以上,屋外では1メートル以上)を保つこと,保てない場合はマスクを着用し,手の衛生を保ち及び咳マナーを守り,体調が良くない場合は自宅で休み,共同で国内の防疫安全を守るよう注意を促すとともに,混雑状況に鑑み,特に墾丁(屏東県)付近には暫時的に足を運ばないよう呼び掛けています。

 

公共交通機関ではマスク着用、検温。罰金最高1万5千元

 

2 また,同日,中央感染症指揮センターは,同プレスリリースにおいて,公共交通機関を利用する際,全行程マスクを着用するとともに検温措置に協力しなければならず,もし指導に従わない場合は最高1万5千元の罰金を科す旨発表しています。

 

マスクをせずに地下鉄に乗ろうとして止められ大騒ぎした男性がニュースになりました。鬱憤がたまっていたのか、そういう個性の人なのか……。

搭捷運拒戴口罩還飆罵站務人員 健保署員工道歉了

「退屈だから」「海外旅行もできないし」たまってきた鬱憤

2月なかばの墾丁。人気のないビーチでマスクを外して深呼吸した場所です。あれから何度、この写真を見たかわかりません。

 

旅行好きな台湾の人たちにとって、「海外に行けない」「退屈」「何もすることがない」日々は、そろそろきついのもわかります。私も友達も、SNSで脳内旅行しまくっています。連休で南部に里帰りするなら、足を延ばして海の街・墾丁へ行きたくなる。なんでもない時なら、Go Go墾丁は大賛成です。でも、今は違うだろう。

台湾は、現時点では外出制限や都市封鎖になっていません。市中感染もゼロではないけど多くも無い。普段の生活には一見支障がないから、連休に気が緩んでしまったのかもしれません。

為何墾丁連假塞爆?返鄉人無奈嘆「2關鍵」:心態全炸裂

当局からの注意喚起や警告で、墾丁はあっという間に人の波が引いたようですが……。

勸退警報發威!量額溫嚴查民眾戴口罩 墾丁大街人潮少3成

日本の連休後の感染爆発グラフと台湾を重ねて警戒

台湾の連休にあわせて、日本と台湾の感染者数推移と連休を重ねたグラフが話題になりました。

引用元:自由時報 連假還想趴趴走? 台大教授自製圖表勸你快回家

グラフを作成した台湾大学の徐丞志助教授はFacebookで、日本の連休後の爆発的な感染状況を教訓に、台湾の連休期間は家で過ごそう、早く家に帰ろうと呼びかけていました。

 

連日のニュースで日本の感染者数増加をみるたびに、叫びだしたくなる。日本の家族や友達が、こんな状況の中でも仕事に出て、出勤途中や休み時間に空や桜の花を見上げて「泣けてきちゃったよ」というのを、遠くから「無理するな、泣いちゃっていい、頑張らなくていい」と励まし続けることしかできない情けなさ。

コロナ対策が進んでいる台湾でも、気を緩めずに

私は台湾の新型コロナウイルス政策を「うまくいっている」「世界のお手本になる」と考えています。今週にはマスク配布枚数も増えるし、感染者も帰国者がほとんどで、市中感染の経路もほぼ特定されている。隔離検疫に違反したひとへの追及や罰則も迅速で容赦がない。台湾なら安心、大丈夫、とも。

でも、連休の人出を見て、ある程度自由であることが落とし穴にもなる、何よりも私たち市民が気を緩めないこと、「大丈夫じゃねえ」と防疫意識を持ち続けることが最も大切なのだと痛感しました。

 

日曜日に連休が終わり、月曜日にはまた海や夜市へ行っていた人たちが生活の場に戻ってくる。もしかしたら、私たちのすぐそばに戻ってくるかもしれません。観光地に繰り出した誰もがひとりも感染せず、無事であることを願っています。願うだけではなく、私が感染した挙句に誰かにうつしてしまわないよう、休み明けはさらに慎重に行動します。

2003年、SARSは清明節連休の後に感染が広がった

SARSは清明節の後に感染が広がりました。当時香港や台湾にいた方たちは、あの頃のことを絶対に忘れていないはずです。
台北散歩は毎日続けたい、運動がわりに歩きたい。人の少ない場所や時間を選び、マスクをつけて消毒ジェルも持ち歩き、無理のない範囲で過ごすしかありません。台北で、歩き回る自由がまだ残っているのなら。

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最後に外務省から、台湾在住者へのメッセージを。連休明けから気分一転、注意を怠らずに、引き続きしっかり対策していきましょう。

つきましては,台湾在住・滞在中の邦人の皆様におかれては,上記台湾当局による措置について十分にご注意頂くとともに,台湾においても感染例が増加している状況を踏まえ,防疫措置をしっかりと執られるようお願いします。

 

 

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mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|