台湾あるある

台北の交通事故現場で、台湾人の行動を真似してみる

バスに乗っていたら急ブレーキがかかり、咄嗟にバーを掴まなかったら体が投げ出されていたほどの衝撃を受けました。
車内は悲鳴が上がったあとしんと静まり返り、運転席の横に高齢の女性が倒れている。ちょうどバス停で乗り込み、まだ席に座ってもいないのに発進したところでの事故だったので、前方のボードに頭を打ち付けてしまったらしく床に倒れたまま動かない。運転手も座って動かない。

台北に来て一番驚いたのは、交通事故を頻繁に目撃することです。バイクは数が多いだけでなく、我先に隙間を縫って走ってくるから車から降りてきた人にぶつかるのもしょっちゅうだし、単独で転んだりもする。交差点で車同士の衝突も良くあります。
事故は何度遭遇しても、慣れることはできません。特にバイクで倒れこむ場面を見ると、いつも立ちすくんで動けなくなってしまう。
そして、周りの人たちがさっと動き出し、倒れている人を歩道に移動させたり、散らばったものを拾い集めたり、救急車を呼んだりする連係プレーにも毎回感心していました。見知らぬ人同士の阿吽の呼吸。咄嗟に動けるのは台湾の人たちは事故を見慣れているから?親切だから?私は事故現場で一度も、自分から動けたことはありませんでした。

 

でもこのバスの車内では、全員が当事者だったせいか、倒れている人がいるのに、誰一人動かない。なんで?あんたら台湾人でしょ?と不思議に思ったけれど、そうも言っていられないと倒れている人のところへ駆け寄り「大丈夫ですか」と話しかけてみました。話しは出来るし、見たところ流血もしていない。千切れて飛び散った彼女の翡翠や真珠のアクセサリーを拾い集めて渡し、起き上がろうとする女性の背中を抱いてバスの外を見ると、急ブレーキの原因になった飛び出したバイクとぶつかった車の人たちが出てきて話し合っていました。

車内の人たちも息を吹き返したように動き出し、綺麗なお姉さんが冷静に救急車を呼び「バスの車体番号?ちょっと待って」と運転手に確認しようにも、運転手のほうが動揺していて要領を得ず、他の人がプレートを読み上げて、見知らぬ人同士が連携していました。そうよ、台湾はこうでなくっちゃ。

女性が救急車で運ばれて行き、最後まで残って付き添ってくれた綺麗なお姉さんと顔を見合わせてアイコンタクトした後、運転手もやっと喋れるようになったのか「すみませんでした」と声をかけてきました。

台湾のバスの運転手は、親切な人も多いけれど、何が気に入らないのか急いでいるのか、乗車してまだ席にもつかず、ポールにつかまってもいない人がいるのに急発進させることが多いです。普通に運転していても、バイクが飛び出してきて急ブレーキをかけ、車内に立っている人が多いときは将棋倒しになることもある。友人はそれで全治2か月の大けがをしました。
乗ろうと思って手を挙げたのに、明らかに目が合った運転手に無視されてドアを開けてもらえず(やな感じ)と後発の便に乗ったら、その先発のバスが人身事故を起こして人が倒れているのを見てしまったり…

台北の入り組んだ路線バスは便利だし、良く乗ります。でも、両手に荷物がいっぱいで、座れないほど混んでいる時は避けるようにしています。それだけは、これから利用する人にもくれぐれも注意してほしいです。

事故現場で咄嗟に何をすればいいのかわからないから、今回はとりあえず、今まで何度も見てきた台湾の人たちの行動を真似てみました。その後ひどく動揺して、手が震えたけど。
事故現場に遭遇したひとは、どうやって動揺を鎮めているのかな。私はたまたまその夜に友達と待ち合わせをしていたから、ハイボールをひと息に飲み、それからゆっくり美味しいものを食べ、他愛のないおしゃべりに救われました。

 

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mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|