台湾の長い長い夏が、先週くらいに突然終わったような気がする。
11月に入っても夏日の日はあって、外出する時は日焼け止めが欠かせなかったけれど、昨日はとうとう台北の最高気温19度。
「20度を切ったらダウンジャケットを着ても良い」
という街の暗黙の了解(?)のもと、昨夜は中山北路のあたりも軽めのダウンを着ている人を多く見かけた。
気温が下がると、街に猫が現れる。
夏の間は涼しい場所に潜んでいた猫たちが、あちらにもこちらにもわらわらと現れる。猫に興味のない人は気づかないみたい。だけど、猫アンテナが発達しきった「猫奴」は猫をすぐ見つけるので、立ち止まったりうっとりしたり、挨拶に忙しくなかなか先に進めない。
「猫奴」は中国語で「猫の下僕」のこと。エサをやり、トイレ掃除と言う大役をご主人様に仰せつかってひれ伏し、きまぐれに肉球で撫でられようものなら悶絶して歓喜する、幸せな変態である。
この数日は台北だけでなく、台南にも足を延ばして街を歩いた。猫の鳴き声がすれば、すべての行動を止めて振り向き声のする場所を探す。散歩している猫を驚かさないように望遠で眺める。挨拶の声をかけ、じわじわと近づく。
寒すぎず暑くもない、心地よいこの時期の台湾は、人間の街歩きも猫のお目見えも捗る、とても良い季節。もう少し寒くなると、猫たちはまた快適な場所に潜り込んでしまうから。
台湾の街の猫たち。賛否はあるかもしれないけれど、近隣のひとたちがみんなで見守り、福々しくのんびりした様子で暮らしている。そのありがたさを、この頃つくづく感じる。
どの街でも、どの国でも、猫や犬や鳥たち、人も、こんなふうに呑気に歩いて暮らしていてほしい。
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