午前中、開けていた窓のすぐ外からバタバタと雨が降る音が聞こえて来た。台湾の水不足は深刻で、大草原になった日月潭の底から200年前の墓碑があらわれていた。いつもなら来るな、あっちへ行け!と念じる台風の進路を「いらっしゃい!」と呼びこもうとするほど。
台北はまだ節水など制限は無いけれど、雨そのものは久しぶり。
土が潤い、空気中の淀みが清められるような気がする。
1時間ほど強く降ってから雨脚は雲に吸い上げられるように弱まって、窓の外がまた静かになる。
念のため折りたたみ傘を持って外出したけれど、もう雨は降っていなかった。敦化北路に来ると、少し地面が濡れたあとがある。もっと進んで中山北路まで来てしまうと、雨の形跡は全くなかった。私がいた松山區はかなり降ったのに、中山區は晴れたままだったみたい。
小さな台北の街でも、雨が強く降る通りと、日差しが強い通りがある。空模様も気温も違う。同じ街にいても、窓の外から聴こえる音、見えるものは違う。誰かと一緒に虹を見ると思いがけない特別な時間を共有したようで、嬉しくなる。
違う場所から同じ虹を見ていたと後からわかるのも、嬉しい。
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