学生時代の友達が台北に遊びに来てくれました。
四人は東京、一人はアメリカ、総勢五人のアテンドをこれでもか、これでもかと行程表という名の旅のしおりに肉付けをして、到着前の数日は眠れないほど大興奮。
東京組は羽田発・台北松山空港着。日系航空会社を選んだので、本人たちに任せておけばいいだろう。・・・と思ったら、
「E-Ticketって何?」
という爆弾発言や、出発当日になって
「ねえ、出発って羽田だっけ、成田だったっけ?」
と、聞かれたこちらが内股になって膝が震えるような質問も飛び出し、出発前から珍道中になることが透けて見えてきました。私はといえば、内股のまま褌を締めなおしたと言っておきましょう。褌はもってないけれど。
海外在住の友達の家に泊まるとき
アメリカから来る友達は、長年の外国暮らしで里帰りや旅行の機会も多いから、旅の手配は慣れていました。
けれども、彼女だけは出発地や航空会社の関係で成田経由の台北桃園空港着。しかも、他のメンバーより一日早く到着する。
「悪いんだけど、台北で先に一泊するホテル探してくれないかな」
そんなメッセージが来たので、
「うちに泊まりなよ。猫がいるし、狭いけど」
「いや悪いからいいよ。仕事でしょ?疲れてるだろうし迷惑だよ」
私がホテルを紹介しないものだから、自分でホテル予約サイトでピックアップしたいくつかのホテルの評価をしてくれという。彼女が使ってたのはこのふたつのサイト。居住国の通貨でも価格をチェックできるから、彼女はUSD、私はNTDで同じホテルの値段を見てました。
Booking .com
http://www.booking.com/index.ja.html
トリップアドバイザー
https://www.tripadvisor.jp/Hotels
「あんたが選んだホテル、どこも私知らないところばっかりだわあ。夜遅くについて初めての台北で、そのあたりで英語通じないって。スーツケースひきずってうろうろしているかと思ったら心配で眠れないし、そっちの方が迷惑。だからうちに泊まって!猫が怖くなければだけど」
お互いに遠慮なし。友達も、海外暮らしが長く「人の家に厄介になる人」をこれまでアテンドして来て苦労がわかるからこそ、「迷惑をかけたくないから」と言ってくれました。私も同じ苦労をしてきた。滅多なことでは「うちに泊まって」なぞ、自分から言いません。
海外旅行の非日常、まともなはずの人たちが、変なテンションで人が変わるのを何度も見てきました。使い荒らされた寝床をため息ついて片付けたこともある。
友達を他人にしたくないから、無暗に家には泊めない。私自身も、人の家に泊めてもらうより、ホテルでだらだらしたいです。
でも、この友達はちゃんと自分で手配して泊まるところを探そうとしていた。私に迷惑かけたくないから、と気づかいをしてくれた。最後に会ったのは東京で、多分10年以上前。でも、大丈夫だと思うのです。
何十年ぶりの再会?なのにノンストップ
桃園から松山までバスでやってきた友達を出迎えてタクシーに乗り込み、家に着いたら早速台湾ビールで乾杯して、夜中まで喋って、笑い転げました。一番心配だった猫のことも、この友達は動物好きで普通にしていてくれたし、猫も「この人いい感じ」と察したのか、友達の足元にごろんと横になってくつろいでいた。
長旅でダメージがあるだろうから、以前習った足マッサージをしてみると、疲れや寝不足に影響する足の親指がふわふわと柔らかい。
「眠れた?寝不足の相が全く出てないんだけど」
「うん!飛行機で爆睡した」
そんなことだけでもまた笑い転げてしまう。それから、共通の友人がそれぞれの国に遊びに来た時、どんな我儘に振り回されたかをお互い悲惨自慢。
ふたりでセルフィーしようとしても、笑いすぎて手ぶれがひどく、今見返してもぼやけてしまっている。それほど楽しかったということです。