台湾のカフェ

「食 不厭」九份近くの隠れ家。来るたびに幸せな気持ちになるレストラン

「食 不厭」九份老街から黄金博物館へ、霧の山道の途中にあらわれる隠れ家

 

観光スポットになっている九份・老街から黄金博物館方面へ行く途中の道はとても狭い通りで、旅行客を乗せたバスはゆっくりすれ違うのがやっと。
人里離れた、雨や霧に包まれた静かな場所にカフェレストラン「食 不厭」があります。

カフェの入り口に魚。

九份エリアの人気店と聞いて、ずっと気になっていたこのお店へ取材で訪れたのは1月の終わり。
取材陣も大喜びの料理と、ここで買ったコーヒー豆の美味しさが忘れられなかったので、2月に友達とプライベートで訪ねました。

うまいカフェや食堂には、個性的なオーナー・シェフがいる

前回買って帰った、自家焙煎の豆。挽くたびに香りにしばしぼーっとしました。深みとコクの味のコーヒー豆は、カップを変えたり、ストレートやミルクを入れていろんな飲み方を楽しんでいたら、あっという間に無くなってしまいました。

今回は食事は勿論、こちらのコーヒー豆(半ポンド250元)の購入が大きな目的。台北からバスを乗り継いで1時間半、そう気軽に来ることは出来ないけれど、ちびちび飲むのはつまらないから、出かけるしかありません。

「今朝、息子がそこで焙煎したんだよ」と教えてくれたのは、オーナーシェフの阿寛さん。一夜干しからティラミスまで、美味しいものを作ってくれます。

うまい食堂やカフェには、個性的な店主がいる。

阿寛さんもお店の雰囲気そのもの、寡黙そうで熱いハートのオーナーシェフです。
「焙煎したばかりよりも、一週間くらい置いてから飲むとより美味しい」と教えてくれました。
「一週間ね、待ちきれないけど、待ちます」
と答えると、
「すぐ飲んでも美味しいけど」
と笑っていました。
息子さんのカフェももうすぐ水湳洞にオープンするそうなので、行ってみなくちゃ。

名物は午仔魚の一夜干し。台北から出かける甲斐のあるふっくらした焼き上がり

私たちは窓側のテーブルで、前菜にトマトのブルスケッタ、キャベツの炒め物、そしてここの名物の「午仔魚の一夜干し」と「猫まんま」を注文しました。食後には、ティラミスとコーヒーも。

トマトが甘いブルスケッタ。こちらのパンも手作りなのだとか…お代わりがほしくなる美味しさだけれど、メインのお料理のために、少しだけ楽しみましょう。

ひとり一尾食べきれるかな?
初めて見た時は心配になった、結構なボリュームの午仔魚の一夜干し。
日本ではミナミコノシロと呼ばれるスズキ目の魚だそうです。脂がのっていて、台湾では好んで食べられるようですが、一夜干しとなるとここ「食不厭」のものが「多分台湾で一番美味しくて人気」らしい。
阿寛さんによると、一夜干しづくりは風の通り具合などが難しいのだそう。こちらでは工夫した工場を持って、台湾中から注文が来るほどのもの作っているのです。

私は魚があまり好きではなくて、上手に食べられないこともあり、外食で焼き魚を注文したことは一度もありませんでした。
まさか台湾で、瑞芳の山の中へ「あのお魚をもう一度…」と食べに来ることになるとは思わなかった。それほど美味しいのです。

午仔魚の一夜干し、裏に返せば、こんがりした焼き目とふっくらした姿。

 

焼き魚を食べていると、家族のことや、好きだった人のことを不思議と思い出す。今日も美味しくいただきました。

台湾米に、粗削りなかつおぶしをたっぷりまぶした「猫まんま」。日本と少し違うのは、やや甘めなお醤油を絡めているところ。見た目は男飯の豪快さ、食べると子供に戻った、どこか懐かしい場所へ帰ったような気持ちになりました。
季節の野菜、この日はキャベツの炒め物。こちらも山盛りなのに、歯ごたえがありながら柔らかく食べやすいからあっという間に無くなりました。野菜と魚とご飯のバランス、心にも体にも優しいな。

イタリアから仕入れた製麺機で作る自家製パスタのメニューは、最近お休みしているのだそう。4月ごろ復活するかもしれないので、楽しみです。

カフェラテや水出し、アメリカン、エスプレッソ、ハンドドリップなどの各種コーヒーのほか、ココアや抹茶などもあります。

 

食後のコーヒーやお茶に、手作りのティラミス。

 

雨や霧の多いエリアだから、窓側の席も光が穏やかで落ち着きました。

 

九份に近く不便な場所、観光地価格で適当な仕事でも商売は出来るかもしれないのに、この手作りティラミスは「ここまで来てよかった」と心から思える、「食 不厭」のお食事の仕上げになります。

ここに来るたびに幸せな気持ちになる、食 不厭。

店の中央には10人がけの大きな木のテーブルがあり、この日も満員だなと思ったら、テーブルのグループから声をかけられました。以前の仕事でお世話になった方たちでした。毎週一回集まって食事をする仲間同士、この日は「食 不厭」に初めて来たのだそう。

台北の街中からはるばるやってくる人たちの、リラックスした楽し気な表情。そんな彼らに「なんだか楽しそうだよ。会社勤めの頃とは顔つきが違うね」と言われたので「あなたたちも、会社にいた頃と違うみたい。楽しそうで良かった」とお互い笑ってしまった。やり取りを見ていたお店の方も「知り合いなの?偶然だね」と微笑んでいました。

ここに来ると、幸せになる。
「食 不厭」、不思議なカフェレストランです。

お店の子。たまに店内にも姿を見せます。

食不厭 お店情報とアクセス

Shop Data

食 不厭
住所:台湾新北市瑞芳區金光路221號
電話:0911 827 844
営業時間:11:30-15:00、17:00-21:00 無休
公式サイト:Facebook
※周りに何もないので、必ず予約をしていきましょう。
交通:MRT「忠孝復興」駅からバス1062で終点「金瓜石」下車、徒歩15分
※九份老街から金瓜石の途中にお店があるので、道なりに戻るかっこうになります。
※バス965「保民宮」下車で目の前。MRT「西門」駅、MRT「北門」駅を通りますが、本数が少ないので要注意。
※私はこの日、往路はバス1062、復路はUberを利用しました。台北市内まで片道820元ほどでした。

※情報は訪問、掲載時のものです。ご利用前に営業状態を確認してからお出かけください。
※情報や画像の転載や利用はお断りします。

 

ABOUT ME
mimi
ライター/コーディネーター。長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。台湾、香港、ベトナムなどで活動をしています。 詳細と連絡先はこちらをご覧ください。