台湾発・新型コロナウイルス関連コラム

日本への帰国者に隔離免除?どうなる台湾からの里帰り

国慶節を祝う花火大会を開催した台南は、大変な賑わいだったようです。
台北市内も、住宅街は静かでしたが西門町など旅行者が好むエリアは大混雑でした。高雄の六合夜市も賑わいが戻っているとニュースになっています。
国慶節は、今年の台湾の連休。
次に民族の大移動が発生するのは、例年なら春節です。
新型コロナウイルス対策入国制限措置、11月から日本への入国の隔離が免除になるかもしれないというニュースもありました。
日本と台湾の往来はどうなるでしょう。一体いつになったら、日本の家族や友達に大手を振って会いに行ける?10月現在の状況を確認してみます。

日本から台湾へ、PRC検査は陰性でも消毒液でずぶぬれに

夏の終わり、ビジネスのために日本でPCR検査陰性の証明をとり、友人が台北入りしました。ホテル隔離が終わった日に仲間が駆け付け
「アニキ、おつとめご苦労様っす」
と出所と再会を一遍にお祝いしたけれど、2週間の完全隔離生活からいきなり娑婆のざわめきは、慣れるのに少し時間がかかった様子でした。ちょうど台湾の七夕で外食をする人も多かったせいか、満席で賑わうレストランを眺め
「台湾すげえ…」
と呆然。「東京のレストランでは、こんな密度はありえない」とリアルに聞くと、ニュースやオンライン越しに友達や家族から聴いてはいたものの「そうなんだ…」と、こちらも少し呆然とします。まだまだ、正常化への道は遠いのかな。
気を取り直して
「で、どうだったの入境時は?」
と尋ねると、
「あったまきた!」
友達はそれまでのぼんやりした感じから急に元気を取り戻したように、喋りはじめました。
いわく、入境時に全身びしょぬれになるほど消毒液を吹きかけられ、手荷物ももちろん運んでもらえない。まあそれはそうだよね、と私たちは食べたり飲んだりしながら受け流したけれど、
「入境時にPCR検査の陰性証明が必須だから自費でとってきたのに、ばい菌扱いされたのが腹立たしい」
と本人は訴えていました。
台北では当たり前の賑やかな夜のレストラン、その風景が失われてしまった街からやってくるには、いくつもの長い関門を通らなければならないことを実感します。これは一体、いつまで続くの?

11月から、日本への一時帰国は14日の自主隔離免除?

台湾から日本へ行って二週間、日本から台湾へ戻ったらまた二週間。合計四週間の隔離はそう簡単に予定を組めないから、「やろうと思えばできる」里帰りや一時帰国も、二の足を踏んでいる人がほとんどです。
そこへ、10月8日付のNHKの報道で、11月からの入国制限措置の緩和検討が伝えられました。

 

新型コロナウイルス対策の入国制限措置の緩和に向けて、政府は、海外に出張した日本人や在留資格を持つ外国人が日本に入国する際、一定の条件のもとで14日間の待機を免除することを、今月にも決定する方向で検討に入りました。

ー中略ー

政府は入国制限をさらに緩和し、全世界を対象に、海外に出張した日本人や在留資格を持つ外国人が日本に入国する際、一定の条件のもとで14日間の待機を免除することを、今月にも決定する方向で検討に入りました。

具体的な条件として、訪問先などを記入した「活動計画書」の提出や、入国後14日間は公共交通機関を利用しないことなどが検討されていて、当面は入国者数に制限を設ける見通しです。

また、日本人に向けて出す「感染症危険情報」について、政府は、159の国や地域を対象とする「レベル3」の「渡航中止勧告」を、今月にも一部の国や地域で「レベル2」の「不要不急の渡航自粛」に引き下げ、入国拒否の対象から外す方向で検討しています。

 

引用:入国制限緩和 海外出張などから入国時の14日間待機 免除検討

 

緩和対象となる国や地域に含まれた台湾でも一斉に報道されましたが、
当局は「台湾には、条件をクリアしていれば入境できます」としています。日本の緩和に同調する予定はないとのこと。
日本の感染者数推移を見ると、まだ「はいそうですか」とドアをあけるわけにはいかない…ということですね。
参考:
日本11月將首次調降出國警示 台灣也在列
日本擬將開放民眾來台 指揮中心:符合入境資格者可來

11月以降、台湾から日本へ一時帰国スケジュールはどうなる?

もし11月に日本帰国時の隔離が免除になったら、台湾から日本へ渡航する日本人は増えるでしょう。
でも「行きはよいよい帰りは」で、台湾に戻って来た後の二週間の隔離は免れなさそう。
現時点でも、台湾籍や台湾の居留証を所持している外国人は、台湾入境時のPCR検査の陰性証明は不要とのこと。
日本国籍で台湾の居留証を持っている場合、日本での隔離と台湾に戻る際のPCR検査が免除になる。
するってえと?台湾から日本への一時帰国再開の流れは、こんな感じでしょうか。

1.日本への一時帰国に隔離なしで即フリータイム

2.台湾に戻る前に日本でPCR検査や証明取得は不要。
手間や時間、費用も掛からずフリータイム絶好調


3.台湾に戻ってから14日隔離

3の台湾での隔離が短縮や免除に、あるいはあらかじめそうなることを覚悟・準備しておけば、日本への一時帰国もぐっと現実的になりそうです。PCR検査で白なら無罪放免、隔離不要になればさらに良いですが…。

参考:
新型コロナウイルス(COVID-19)のPCR検査について
台湾における発生状況,入境制限及び入境後の行動制限等の概要

市中感染ゼロが続く台湾も、完全に白ではない

台湾では市中感染が数ヶ月にわたって確認されていません。だからといって、台湾が完全に白かといえば、そうともいえない。台湾からの帰国者に陽性反応が出たというニュースが、途切れていないのです。最近では10月7日にも、台湾から日本へ帰国した男性3人に検査の結果陽性反応が出たと中央感染症指揮センターは公表しました。
又增4例台灣輸出病例 分別自日本、法國

台湾からの帰国者が受けた検査結果が正しく、移動中の感染ではなかったら、台湾で感染した可能性があるということです。
台湾内では今でも公共の乗り物や建物の中ではマスク着用が求められ、街を歩く人たちもほとんどが自主的に着けています。私も人通りの少ない場所を歩く時はマスクを外しても、必ずケースに数枚マスクを入れて持ち歩きます。住んでいるアパートのエレベーターに乗る時も、規則ではないけれどマナーとして着用しないとやんわりお小言を喰らってしまう。密室で他人とマスク無しで接するのは、やはりみんな怖いのです。

PCR検査で陰性でも、14日の隔離は必要なの?

陰性証明をとったから入境資格があるのに、消毒液でずぶぬれにされた挙句2週間の隔離に耐えた友達の怒りは、当事者の立場になって考えれば理解できます。
現時点で台湾の条例では隔離中の外出は違法、罰則対象ですが、日本には条例がないので現状では「自主的」「常識の範囲」の隔離となるようです。
つまり一時帰国で日本へ行き、すぐにその辺を出歩いても、罰則の対象にはならない。やろうと思えば自由ということと私は解釈しました。日本での自主隔離は、家族や見知らぬ誰かを守るための、良心を問われる日々だとも。
ちょっと散歩。ちょっと買い物。出かけるたびに、自分がクラスターを起こしてしまったらと慄くのは重い。それならいっそ2週間きっぱりと、規則です、ハイ!と部屋に籠ってカウントダウンするほうが、よほど気が楽だし、それなりにしっかりした準備もできる。本人も周りの人も、「どうすればみんなにとって安全で、安心か」最善の方法をきちんととることができます。

 

2020年内、ビジネス以外での日本と台湾の往来はそう簡単ではないかもしれません。
ワクチンの開発、新しい暮らし、人と接する距離。それが整って行かなければ、大手を振って「ただいま」「おかえり」と抱き合えない。それでも、ガラスやアクリルの板越しでも構わないから、せめて同じ空間で向き合って声を聴きたい。
それが誰かに迷惑をかけることになるのは、自分が感染するリスクよりもつらい、重たいことだとも思う。それでも、隔離明け当日に日本から来た人とテーブルを囲むことを恐れないか?と聞かれたら、私は
「PCR検査を受けて陰性証明をとった上に14日も隔離されて、これ以上何を恐れたらいいの?」
としか言えません。

羽田空港で、混雑を避けるために欧米路線の多いエリアに来ていた頃が懐かしい。
ABOUT ME
mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|