台湾発・新型コロナウイルス関連コラム

新型コロナウイルス、台湾と日本の温度差の狭間

台湾にいるサービス業のベテランの友達から、「香港でSARSの時、お客様対応どうしてた?」とたずねられた。

 

SARS発生当時、私は香港でサービスカウンターの仕事をしていたので、その頃の対応を参考にしたいのだそう。台湾から日本への渡航には注意喚起が出ているけれど、日本から台湾へ来るお客様はまだいらっしゃる。だからこそ「感染予防は必須、でもお客様に不快な思いをさせたくない」と悩んでいるようだった。

 

SARSの頃、私が勤めていたサービスカウンター内のスタッフは全員マスクをしていた。入り口にはアルコール消毒液も置いて、「ご自由にどうぞ」と案内していたと思う。

 

私の記憶では、SARSがまん延していた期間に日本からのお客様と対面したのは「このままで、ラグビーセブンズ開催するかしら?」という問いあわせが最後だった。お客様もマスクをしていたのを覚えている。セブンズ開催前だから、3月半ばくらいのことだっただろう。

それからはお客様ゼロ。ぱったりと日本人は姿を消した。廣東道のDFSも、中にいるのはスタッフだけ。日本人だけでなく、買い物客そのものがひとりもいないことが多かった。

香港では「感染予防とお客様対応の狭間」で悩んだ記憶がない。マスクしてあたりまえ、消毒して当たり前。お客様が来た途端、これみよがしにアルコール消毒はしなかったけれど、用事のすんだお客様が帰られたら、スタッフがすぐにテーブルやドアを消毒をしていた。

台湾から日本への渡航には、レベル2の注意が出されている。
また、2月24日から日本から台湾への渡航者に対して、14日間自主的な健康管理を推奨している。

 

この期に及んで、台湾在住者にがっつりしたマスク姿で対応されたと苦情を入れる日本人旅行者はいるだろうか。日本人が来た!と大騒ぎしたり消毒液を吹きかけたりあからさまに嫌な顔をすれば、不快な思いをされるだろう。そんなのはサービス業として最低な心がけだと思う。でも、もしかしたら、そんな対応をせずにいられないほどどイライラする事情も、あるかもしれない。相談してくれた友達は誰もが信頼を置くプロだからこそ、より深く考えて対応している。頼もしいと思った。

 

お互いに気を付け、他人に迷惑をかけないようにするのは、サービスをする側も、受ける側も同じ。どちらが上でも下でもない。

 

日本と台湾では、新型コロナウイルスへの警戒心や対策が異なっている。政府やお役所の対応だけでなく、民間の温度差も違う。日本から「こっちだって生活があるんだからしょうがない」「どうしても行きたいイベントだからしょうがない」と聞いた時には、春節前からLINEやメールでわあわあ注意喚起を送り続けていたのも響いていないのかと、絶望的な気持ちになった。

「もういい、知らない。勝手にしろ」と投げ出したくなる。でもすぐに、それじゃだめだと思いなおす。放ってはおけない。わあわあ言っても届かないなら、そういえばさあ、とさりげなく。私は諦めないぜ。

 

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mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|