台湾で香港ムードにひたる場所

恆之茶居Hang’s Cafe |台北にいながら香港へマジカル・ミラクル・トリップ

「誠品生活松菸店」地下の「恆之茶居Hang’s Cafe」。味、内装、80~90年代広東ポップスの三拍子が揃う空間で、台北にいながら香港のマジカル・ミラクル・トリップ

 

台北・信義區の松山文創園區にある「誠品生活松菸店」。地下のフードコートは場所柄か客層も落ち着いているので、緑を求めて文創區へ散歩に来た時、よく立ち寄ります。なかでも私が一番好きなお店は「恆之茶居 Hang’s Cafe」。2019年に香港人オーナーがオープンした、香港スタイルのカフェ・レストランです。

香港の庶民派食堂「茶餐廳」にカテゴライズするには、メニュー、内装、BGMが特殊にいろいろ溢れでてしまっている「恆之茶居 Hang’s Cafe」。足を踏み入れた瞬間に感じたミラクルとマジカルの理由、ご案内しますね。

 

メニューはB級食堂メニューからトリュフいりエビ餃子まで

茶餐廳ならではの「公仔麵(インスタントラーメン)」「菠蘿飽(パイナップルパン)」「鴛鴦(コーヒー紅茶)」などのほか、「恆之茶居 Hang’s Cafe」には「松露蝦餃(トリュフいりエビ餃子)」や「薑汁豆花」「楊枝甘露」など、一般的な茶餐廳を超えた「ちょっとした」メニューもあるのが特徴。

豆花は台湾でも良く食べられるけれど、こちらのは桶入りでボリュームいっぱい。オーダーが入ってから作るので20分ほど待ちますが、ショウガシロップを添えたザ・香港な豆花のためなら待つわ、いつまでも待つわ。

楊枝甘露はマンゴー、ポメロなどをミックスした甘酸っぱジュース状のデザート。

 

私はマンゴープリンよりもこれが好きで、メニューにあれば必ず注文します。香港ロケの時も、食事の際にデザートを確認すると皆さん「マンゴープリン!」「ゴマ団子!」と元気よく希望を述べられますが、私がこれを頼むと「それは何?!」「ミミさんだけずるい!」と盛り上がり「私もそれがいいです」「僕も~」と皆さん乗り換えてきて「うっま!」と大喜びされます。

世界一美味しい台湾のマンゴーで作る楊枝甘露。香港で食べるものより柔らかい甘さで、酸味控えめです。

雲吞撈麵はスープ無し、スイートソイソースを麵に混ぜて食べます。香港ならではのコシのある麵。美味いよ美味いよ。

月曜日から金曜日までは、お得な下午餐(アフタヌーンティ)セットも用意されています。

菠蘿飽やエッグタルトは店頭販売も。持ち帰りができます。もちろん持ち帰ります。

 

内装は1950年代のちょっとハイソな香港スタイル・マジカルテイスト

台北には可愛い系の復古趣味・レトロ調のお店は多くありますが、「恆之茶居 Hang’s Cafe」は1950年代調のドアから一歩足を踏み入れると、ミラクルのような空間。懐かしいようで知らなかった世界が広がっています。

飲茶レストランに鳥かごを持って行くのは、もう香港でも見られない風景。こちらではインテリアに取り入れています。

こういうドア、香港映画でも時々みかけますね。1963年の香港を舞台にした「阿飛正傳」の印象的なシーンに登場する「Queens Cafe」のドアも、素敵でした。

それにしても、どこかで観たことのあるような魔法のようなデジャヴ感はいったいどこから?と不思議に思っていたら、こちらの内装デザインは香港ディズニーランドのデザインも手掛けた方によるものなのだそう。それで腑に落ちた。香港ディズニーのオフィシャルホテル内にあるレストラン「晶荷軒(クリスタル・ロータス)」に初めて行った時、今まで観たことの無い煌めくエキゾチックな雰囲気に高揚した気持ち、あの時の感じが蘇っていたのですね。

お冷はアルミの薬缶で、コーラは瓶入り。グリーンのガラスのパーテーションもレトロモダン。

店名にある「茶居」とは、香港の昔ながらのお茶や点心を楽しむティールームのスタイルのこと。家族やお友達同士、お茶や食事を楽しみながら語らう空間を長くいつまでも続けられるようにと、願いをこめて名付けたそうです。

掲げられた看板やメニューのタイポグラフィーも素敵でしょ。こちらは手描きなのだそう。すっきりしたデザイン、優しい緑色をあしらった配色も、1950年代の香港の空気感を残して現代に復元させていました。香港グリーン、昔も今もとても好きです。

BGMはよりすぐりの70年~90年代の広東語ポップス。一瞬であの時、あの場所へ連れ戻されるよう

「恆之茶居 Hang’s Cafe」を特別な空間に作り上げるエッセンスは、流れているBGMが欠かせません。
1950年代の香港をイメージした内装だけれど、流れているのは70年代から90年代に香港でヒットしたポップスがメイン。BEYONDの「喜歡你」や「追夢人」、譚詠麟「幻影」、張學友「吻別」、劉徳華「緣盡」、梅艶芳「是這樣的」、許冠傑「半斤八兩」……時々はっとなって曲に聴き入ってしまい、会話が途切れ、食事の手が止まってしまうこともあります。
オーナーに訊ねたら、選曲もデザイナーの方がしているとのこと。

広東語の曲だけではなく普通話のヒット曲も混じるけれど、どんなに発音や歌が上手でもそこはかとなく混じる香港訛りに、香港のあの頃、あの時に一瞬で連れ戻されるよう。「恆之茶居 Hang’s Cafe」を訪れたら、ぜひ流れている曲にも耳をかたむけてみてください。

 

「恆之茶居 Hang’s Cafe」店舗情報とアクセスマップ

住所:台北市信義區菸廠路88號 誠品生活松菸店 B2 R001
電話:02 6636 8386
営業時間:11:00~22:00
定休日:無休
公式Facebook:https://www.facebook.com/hangscafe/
アクセス:MRT「國父紀念館」から徒歩8分

 

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mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|