Hong Kong

伊藤万理華 写真集「エトランゼ」香港ロケの匂いと音をもう一度。

祝、重版出来!

伊藤万理華ちゃんの初めての写真集「エトランゼ」。

 

香港ロケコーディネートのお話をTop Taiwan Media Factoryからいただいて、ロケ先を選定するため送られてきたイメージ写真に驚いてしまいました。

私はそれまで彼女のことを知らず、乃木坂46を卒業する女の子と聞いていたから

「こんなところに可愛い女の子を放り込む気ですか」

と心配になり、彼女がどんな子なのかチェックしてみました。

出てきた動画「まりっか’17」はポニーテールで制服を着て、不思議な歌を唄いながら踊るもの。耳に残り、サビのところが癖になるもの。

「一風変わったアイドルなのかな」

さらに調べているうちに、彼女の公式インスタグラムで一枚の画像を見つけ

「なるほど、こういうのもアリなのね」

と腑に落ち、そこからロケ場所のピックアップが始まりました。

 

それでも、香港で初めて会った万理華ちゃんにはまだ

「ほんとうに大丈夫かな」

と、少し不安がありました。

とても大人しそうだし、年齢よりも若く見える。

ぼんやりしていたら突き飛ばされるほど早足に行きかう人々、ほこりっぽい街、知らない人にはケンカ腰に聴こえる広東語。これから行く先々、香港の街のパワーに彼女は怯まないだろうか。

 

それは杞憂でした。

彼女自身がこの写真集のために選んできた服を着て、場面ごとにメイクや髪型も変え、ひとたび街に降りると、五感を全開にしているかのように見るもの、匂うもの、聞こえる音に自ら近づいて行く。香港の街の中、伊藤万理華の背中を追いかけ続けた4日間でした。

佐敦エリアの細い路地は、住んでいる人でもあまり入りたくないところ。じめじめと暗く、使いまわした油の匂いがたちこめて、何が落ちているか、何がはい出て来るかもわかりません。

 

昔、このあたりで跳ねまわる仔猫を見かけて我を忘れてしまい、尻尾に導かれるように路地の中までついていったことがありました。その様子が怪しいと、警察官に追われて職務質問をされてしまったので、私はもうよほどのことがなければ路地に入りません。そこらへんに転がっているものに触るのも「汚いからだめ」「ここは日本とは違うんだよ」と散々香港人の友達に注意されたので、刷り込まれて、ためらってしまう。

 

だからこそ、無秩序に伸びるアンテナと竹の足場に囲まれた、古いアパートの屋上に打ち捨てられた脚立を見つけてためらわずにそこに登り、夜の路地裏の中にも自ら進んで入っていく万理華ちゃんには

「とてつもねえ、大した度胸だ」

と感嘆せずにはいられませんでした。

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仔猫の尻尾を追いかけて路地に入ってしまった時のように、万理華ちゃんの背中を追いかけて、もう一度、香港の街を体験できたような気がしています。

口数は多くないけれど、彼女は静かな熱の塊だった。香港の街のあらゆるものを見つけては一瞬で取り込み、カメラを見据える目としなやかな動作で自分の世界を作り上げる。与えられたものでこなすのではなく、自分で考えて作り上げる表現者として、仕事をする一人の女性としても、彼女はプロフェッショナルでした。

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フォトグラファーの大江麻貴さん、ヘアメイクの髙橋わかなさん、スタイリストサポートの大橋みずなさん、編集の篠本634さん、マネージャーの河木容子 さん。短い日程の中で22着の服に着替えその都度ヘアメイクも変えるのは、一般的な撮影ではないこと。万理華ちゃん本人も、スタッフの皆さんもとても大変なことでした。それでも、彼女の「はじまり」のために、彼らが愛情と情熱をもって万理華ちゃんを支えて作り上げた「エトランゼ」。

 

写真集を手に取った方たちの感想もTwitterの#スゴイゼエトランゼキーワードで拝見しました。伊藤万理華が好きだから、ひいき目で可愛いキレイと褒めているのではなく、ある作品に触れた心の揺れが溢れ出すような言葉が多いことに、とても驚いた。

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本日をもって、このアカウントは終わり。 伊藤万理華の脳内博覧会officialから始まり、エトランゼofficialになってから、たくさんオフショット載せたりしてました(関係ないやつも載せたけど)が、楽しんでいただけたでしょうか、! 最後のオフショットはとっておきの部屋のカットです。好き過ぎてページ数増やしてもらったシーン。香港でいちばん強烈だったかな。この空間にいるっていう意識がしっかり残ってた。街も人もパワーに溢れてて、お祭りだったよ。 集英社インターナショナル様、スタッフの皆様、手にとってくださった皆様、本当にありがとうございました。 この本が名刺となって、この先、価値のあるものになるよう、これからの活動に全力で挑んでいきます。まだまだどうなるかわからないけど、私はとても楽しみです。 #エトランゼ#étranger#photobook

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万理華ちゃんが香港の色合いや空気を摂り込んで表現する世界に、こんなにも様々な感想があって、瑞々しい言葉で語られているなんて、想像を上回る、嬉しいことでした。

この写真集は、手に取った方の中の中でも物語として始まるのか…

嬉しいような、空恐ろしいような気持にもなり「エトランゼをきっかけに香港にも興味を持ってもらえたらいいな」と抱いた希望に、光が見えたようでした。

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撮影隊の行く先々でも、香港のひとたちが親切にしてくれました。

「果欄」と呼ばれる果物市場では、おじさんやお兄さんたちほぼ全員、万理華ちゃんを見てキラキラの笑顔になったり、ボーっとしてしまったり。みなさん快く協力してくれるのに、一緒に撮ろうと言うと恥ずかしがって、キャッキャ言いながら逃げ出すのが香港人ぽいところ。

 

香港でのロケ地を「聖地巡礼」する方もいらっしゃると思います。いろんなところを見ていただきたいけれど、表紙となった「モンスターマンション」や「金魚街」の店舗、個人のお宅などは許可なしでの撮影はできません。現地で生活している方たちを尊重し、くれぐれもトラブルのないように楽しんでくださいね。

 

万理華ちゃんが見たもの、感じた匂い、聴いたかもしれない音、香港の街でその空気に触れてからもう一度、この写真集「エトランゼ」を見てもらえたらうれしいな。現場にいた私たち大人が「万理華スゲェ…」と感嘆した理由を、五感で感じられると思います。

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こちらの公式アカウントで、未掲載のオフショットを見ることができます。

伊藤万理華 公式インスタグラム

伊藤万理華写真集「エトランゼ」公式ツイッター

スターフェリー 船内の座席

 

 

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mimi
ライター/コーディネーター。長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。台湾、香港、ベトナムなどで活動をしています。 詳細と連絡先はこちらをご覧ください。