豚コレラ発生で、各国が検疫を厳格化。日本へ肉まんやXOソースをお土産に持ち込んでもいいの?
台湾で小籠包や胡椒餅、香港で肉まんやXOソースなど、現地で食べて美味しかったものを、日本でも楽しみたい。おみやげに頼まれる方も多いかもしれません。
これまでも、肉製品の持ち込みは制限がありましたが、豚コレラの発生以後、日本でもさらに規制が厳格になりました。
知らずに持ち帰り、空港で没収!なんてことになったら、楽しかった旅行の最後にケチがついてしまいます。
日本への肉類持ち込み規制について、もう一度きちんと確認しておきましょう。
動物検疫所に問い合わせたり、様々な資料を記載しているので、通常のコラムよりボリュームがあります。
お忙しい方は、目次から目的の項目へジャンプしてご覧ください。
Contents
豚コレラ問題で、台湾への持ち込み規制厳格化
香港から台湾へ戻ると、入国手続きの前にこれまでにはなかった「豚肉チェック」のレーンを通るようになりました。
対象になるのは「豚コレラ」発生の地域からのフライト乗客です。
「香港と台湾だけの話?」と気を緩めてはいけません。日本の動物検疫所も、アジア各国からの肉類持ち込みをさらに厳格化しています。
日本へ持ち込み出来ない肉及び肉製品リスト
「動物検疫所」の公式サイトで注意喚起の内容や、持ち込み出来ない、検疫の対象となるもののリストを確認してみました。
肉製品の日本への持ち込み
現在、多くの国で家畜の病気が発生しているため、肉製品や動物由来製品のほとんどは、日本へ持ち込むことができません。
不正な持ち込みは、罰則の対象となりますのでご注意ください。動物検疫の対象
これは、2018年の夏休み前に公布されたもの。該当ページで具体的に挙げられていたのは「肉まん」「餃子」「もみじ(鳳爪)」「ハム、生ハム」「生肉」「ベーコン」「ジャーキー」「調理された肉」「ハム入りサンドイッチ」「ハンバーガー」など。
一昔前は、香港からチャーシューだのピータンだの焼き鴨だの持ち帰るのが通みたいな感じ、あったよね…ダメなのよ…!
上記に赤で目立たせましたが、肉類は「熱加工していてもいかなる形態のものも動物検疫の対象」になることをまずは肝に銘じましょう。
入国時の携帯品検査強化。対応の厳格に、罰則も
このコラムを書いている時点で動物検疫所の最新版を確認すると、2018年よりさらに強い注意喚起がされていました。
アジア地域からのお土産、肉製品は持ち込まないで
入国者携帯品の検査強化も
|
出典:動物検疫所 アジアで発生しているアフリカ豚コレラへの対応
先月は無かった検査レーンが、今月にはあるかもしれない。「大丈夫だよね」と軽い気持ちで持ち込んで、あとで大変なことにならないよう、くれぐれも注意してください。
肉まんは駄目、絶対。
3年くらい前、台北から羽田へ帰国した際、動物検疫の周辺がざわついていました。中国大陸から到着した10人近いおばさんたちを係員とビーグル犬が取り囲んで、何やら調べている。おばさんたちのバッグからは、ビニール袋入りの肉まんが次から次へと出てきました。日本へ着いてからまずは腹ごしらえにと楽しみにしていたのかもしれないけれど、残念ながら、これらは没収されていました。
その頃はまだ、現在のような豚コレラ問題は発生していなかった。でも、肉まんの持ち込みは以前から「だめ、絶対」だったのです。
持ち込んだ場合、罰則もある
肉製品などのおみやげについて(持ち込み)
2019年4月22日から海外からの肉製品の違法な持込みに対する対応を厳格化します。
・任意放棄の有無にかかわらず、違法な持込みには厳正に対処します。
・手荷物の中に、輸入申告のない肉製品などの畜産物が確認された場合、罰則の対象になります。
・輸入検査の手続でパスポートや搭乗券の情報を記録するため、検査に時間を要することがあります。家畜伝染病予防法により、
輸入検査を受けずに畜産物を持ち込んだ場合には、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。現在、多くの国で口蹄疫やアフリカ豚コレラなどの家畜の病気が発生しています。また、おみやげや個人消費用の畜産物は検査証明書の取得が難しいため、肉製品や動物由来製品のほとんどは、日本へ持ち込むことができません。ご注意ください。
出典:動物検疫所 肉製品などのおみやげについて(持ち込み)
アジア土産の定番、XOソースと即席めんの持ち込みは?
2017年3月に動物検疫所に「XOソースと即席めん、日本への持ち込み可否」について問い合わせをしたところ、下記のような回答をいただきましたので共有します。
- 市販品の調味料で、
エキス状となっているものは動物検疫の対象外。 - 肉やハム等が具材としてそのままの状態で入っていたり、
調味料の一部としてそれらのかけらが入っている場合は動物検疫の対象。 - 香港や台湾の場合、全ての偶蹄類動物と家きん(鶏、あひる等)
の肉製品等は輸入禁止。 - 調味料中に肉やハム等、
またはそれらのかけらが含まれている場合は、 日本に持ち込むことができません。 - 即席めんは市販のものであれば動物検疫の対象外。
参考(輸入禁止地域と物):http://www.maffgo.jp/aqs/hou/43.html
「即席めんは対象外」と明言されていますが、「XOソースは駄目」とは言われていません。XOソースに限らず「肉のかけらが入っている調味料は検疫対象」としているのか…判断はつきかねるところです。
いずれにしても、購入したものが動物検疫の対象になるか疑問、わからない場合には、空港の動物検疫カウンターで問い合わせましょう。
「ビーフジャーキー取り上げられた」「空港の免税店で買ったのにダメなの?」と戸惑う声を聴きます。「売るのも買うのも違法ではなくても、持ち込みは禁止」のトラップに注意してください。
肉まん、胡椒餅、小籠包、肉のかけらが入っている調味料もアウト
香港土産で定番の「李錦記」サイトでXOソースの成分を確認して見ると「中華火腿(豬肉、鹽)」、豚肉の中華ハムが含まれていました。「ハム」だから、これも厳密に言ったらアウトになってしまいます。
公式サイトに掲載されている商品のうち、中華ハムが使われていないのは、こちらの「桜エビXOソース」でした。
台湾なら魯肉飯の缶詰など、肉製品で人気のお土産は沢山あるし、実際持ち込みをして「問題なかった」というブログ記事なども散見されますが、情況は刻一刻と変化しています。
自宅用でも、お土産で渡すにしても、迷ったら止める、買ってから不安なら検疫所で確認してもらうのが安心です。
肉まん・小籠包・胡椒餅は現地で出来立てを楽しんで
胡椒餅や肉まんのお店が「日本のお客様もお土産に買って行きますよ」というのを聴くと、老婆心ながら「日本は肉類の持ち込み禁止だから、観光客に勧めないほうがいいよ…現地で食べる出来立てが美味しいよって伝えてね」と念を押しています。
熱加工していればいい、冷凍なら問題ない、検疫証明できるのか…、言い出したらキリがありません。
熱いものは、現地で出来立てを食べるのが一番美味しい。だから、現地で楽しみ、食べたくなったらまた旅行に来てねと、個人的には願っています。
「別に平気だし、心配し過ぎ」
と笑われてしまうかもしれないし、
「そんなに頻繁に来られる人ばかりでもない」
「旅行に行けない事情の人に、美味しかったものを食べさせてあげたい」
そんな思いの方もいるかもしれない。
でも、私は空港でスーツケースを開け、たとえそれが仕事だろうと、係の人に余計な時間や手間をかけさせてしまうのがとてもイヤです。
まして、大切な人に、ルールに触れるかもしれないことまでして食べさせるのも嫌です。
だから持ち帰るものは「絶対にひっかからない、安心なものだけ」にしいます。
香港版出前一丁、ベジ系XOソースはセーフ!
日本とは異なるテイストがずらりと並ぶ「香港版出前一丁」は、お土産としても人気があります。これは「即席めん」のカテゴリーなので、動物検疫対象外。安心して持って帰ることが出来ます。
XOソースなら、最近はベジタリアン向け「素食 XO醬」も出ているので、野菜のうまみで作ったものをチョイスするのもいいかも。
先に書いた通り、「李錦記」も「櫻花蝦 XO 醬」桜エビのならハムを使っていないのでセーフです。「CHEF NIC 鋒味」と李錦記のコラボですね。次に香港へ行ったら、買ってみよう。
香港台湾、お土産に何を買えばいいのさ
美味しいものが沢山ある場所へ行ったら、美味しいものをお土産にしたい。こちらのコラムが旅のヒントとしてお役に立てば幸いです。
香港、金華ハムのコンソメキューブならエキスだからお土産にできる!
台湾、買うもの他にもいっぱいあるわ!
疫病が、一日も早く地球上から消滅しますように。
※ブログの内容や画像の転載、流用は固くお断りいたします。