香港と台湾で違うこと、似てること

萬達福に士多啤梨。中文の「夜露死苦」系音訳がカワイイ

香港でいちごを「士多啤梨」と書き、広東語の発音で「シードーベーレイ」と読むことに、何の疑問もありませんでした。
でも最近、台湾では「草苺(チャオメイ)」と2音で表記するいちごを香港では「シードーベーレイ」と長く発音するのが、いじらしいような気がしてきた。外来語を漢訳する、音写技法のようなものなのかな。それにしても、スイカは西瓜、パパイヤは木瓜、いちごはなぜ唐突に四文字なのだろう。ブルーベリーは「藍苺」なのに。日本でいう「夜露死苦」と書いてヨロシクのような昭和のヤンキー文化と重なってしまい、愉快に感じて仕方ありません。

 

シードーベーレイがインパクト強めなので隠れがちだけど、中国語で「マングォ」、広東語では「モーングォー」な「芒果」も、マンゴーの音訳のようです。広東語でいうパイナップル「菠蘿ポーロー」は、もしかしたら「プル」の部分の音訳?ちなみに、台湾のパイナップルは「鳳梨フォンリー」と香港とは違う名称になるのは、そもそも異なる種類のパイナップルだからなのだそう。

 

「夜露死苦」系があるなら、「本気と書いてマジ」系もありますね。
香港も台湾も共通、多くの人がちょっとこれはと笑ってしまう「熱狗と書いてホットドッグ」は、この代表的な例でしょう。
「これはこう」と教えられてそう覚え、疑問を持たずに呼んでいたものの名前。ひとつひとつ手に取りながら「おまえ、どうしてこうなった?」と考えるのは、案外面白いみたい。

 

「夜露死苦」問題は、台湾や香港の質問掲示板にも

 

「請問日文中『夜露死苦』的漢字是什麼意思?」

教えてください、日本語の夜露死苦とはどういう意味ですか?

 

 

掲示板に質問を書き込んでいる人たちがいました。「よろしく」と読むらしい、どうやら日本の暴走族が使う当て字のようだ。上着の背中にこの四文字を刺繍をいれているらしい。しかし漢字の音読みを当ててまで、挨拶?お願い?の言葉を背負って夜の街を駆け抜けるのは、何故なのか。意味は説明がついても、なぜヨロシクなのか。なぜ全く関係のない字を当てるのか。この感覚、日本通なら腑に落ちるのでしょうか。台湾語だと「真多謝」を「金多蝦」と当て字にするのが有名だし、何となくわかるかな。

 

「わんだほう」を「萬達福」と訳した字幕にブラボー

先日、台湾のWakuwaku Japanで放送していた「おっさんずラブ(大叔之愛)」。劇中に登場する居酒屋「わんだほう」の字幕が「萬達福」となっていて「これは!」と膝を叩いてしまいました。以前別の局で同作を放送した時は「Wonderful居酒屋」、ひねりはなく説明的な字幕。外来語を片仮名の「ワンダフル」から平仮名で「わんだほう」に変化した面白さをさらに中国語で表現するのは難しいだろうし、説明的な字幕でも特に気になりませんでした。
しかし今回の字幕は「萬達福」ときた。中国語の発音で「ワンダーフー」。広東語だと「マーンダッフォッ」と読むので、台湾ならではの字幕でしょう。
「わんだほう」は劇中に登場する店名だけでなく、乾杯の音頭としても使われて、ドラマの中の楽しいアクセントになっていました。わんだほうを萬達福。町の中華料理屋さんのような、親しみと微笑みが溢れてしまいそうな字面に翻訳した人、すげぇ。これはうめぇ。ブラボー。

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同じ作品でも、放送局が変われば字幕も違ってきます。台湾で日本のドラマを見る時に出る中文字幕はほとんど気にしませんが、「これはどう翻訳するのかな」と注意してみると、別の確度から楽しめました。「萬達福」は、夜露死苦の感覚を知っているうえでの音訳だったのかな。なんともいえないユーモアと地元感を引き寄せていて、とても良いな。「士多啤梨」と同じくらい可愛らしくて、好きです。

再会の祝杯を「萬達福!」と掲げる日を楽しみに、生きていきましょう。

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mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|
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