台湾で香港ムードにひたる場所

「在在Zoi Zoi」|台北萬華・龍山寺近くの香港スタイル小食堂

「在在Zoi Zoi」の楊枝甘露を食べるために、夏の台北へきて。

 

台北で、香港スタイル料理の店にはずいぶんあちこち行きました。
茶餐廳はもちろん、麵やお粥、広東料理のお店。
もう二度と来ないと決めた店は一軒だけあります。店の周りでたむろする店員のガラが悪すぎて、有名だけど入りたくない店もいくつか。このブログで紹介しているお店は何度か出かけているし、好きな場所ばかりです。

龍山寺にある「在在Zoi Zoi」は、香港人カップルが経営している小さな食堂。金曜日から月曜日までの営業で、予約不可。席数も少ないし、何しろロケーションが龍山寺。週末から月曜にかけて、予約できない店に行く危険は侵したくないのと、私はこのあたりがどうも苦手で、仕事や用事があって出かけても這う這うの体で退散してきたので
(行ってみたい、いつか必ず)
と思いつつ、機会を作らずにいました。

 

でも、今月いっぱいで営業をお休みし、改装工事が終わってから再開と知って、慌てました。期間限定と銘打っているデザートの「楊枝甘露」、これは改装後の再開時にマンゴーの季節が終わっていたら、来年までお預けかもしれない。行かなくちゃ行かなくちゃ。

「楊枝甘露(Mango Pomelo Sago)」は、香港でよくあるマンゴー、ポメロ、小さなタピオカの冷たいデザート。こんな綺麗なものは、初めてみました。

 

「在在Zoi Zoi」はMRT「龍山寺」駅から徒歩2分、台鐵「萬華」駅から徒歩5分ほど。「新富町文化市場」や「剝皮寮歷史街區」もすぐ近くにあります。

ドアの横に掛けられているリストに記名して、順番待ち。

 

「在在Zoi Zoi」は電話番号を公開しておらず、オンラインでも予約は不可。12時から店の外に掛けられるリストに、名前、人数、電話番号を記入します。利用は1グループ4人まで。
昼の営業は13時からなので、12時過ぎにリストに記入し、龍山寺周辺のみどころを周ってから戻って来ても良さそうです。

 

在在の店内。香港ポップスが、静かな音量で流れています。

 

開店後、1組ずつ1階のキッチン兼受付でオーダーをしてから、細く急な階段で2階へあがります。ほどよく光の入る窓側にカウンター4席、4人掛けのテーブルがふたつありました。

おしゃべりは適切な声量で。他のお客様への気遣いを求める、小さな注意書きのプレート。

 

滑蛋蝦仁飯と、凍檸茶。
オーナーは、もともと、モノづくりをしているクリエイティブな人たち。いわゆる「蝦玉丼」でさえ、おかずぶっかけご飯にあらず。見た目もきれいな滑らかな円を描いていました。

 

小皿の自家製のソースはしょうゆベースで、辛さよりもほのかなガーリックの香りが生きています。ガツンとこない、品のあるボディブローとでもいうのか、フワフワたまごとエビが引き立ち、(うまい……)とじわじわ効いてくる。とろけるような具としょうゆベースのソース、香港スタイル飯にはやっぱり、さらっと炊いたインディカ米があいます。

 

食後にはいよいよ、楊枝甘露。
出てきた瞬間にため息が出るような、カップと盛りつけでした。
香港で食べる楊枝甘露はフィリピンなどのマンゴーを使っているため酸味が強くて大好きです。でも、台湾マンゴーで作ると糖度が高すぎて、ポメロの苦味や酸味が感じらない。甘ったるい、「違う、そうじゃない」と感じるものがほとんどでした。
「在在Zoi Zoi」のものは、落ち着いた甘さと酸味、ポメロの苦味も時々浮かび上がってきます。特筆すべきはアイスクリーム。(これは全体が相当甘くなるのでは……)と少し懸念したけれど、バニラではなく、ライチとミルクのアイスクリームでした。シンプルな見た目でさらっとした口当たりなのに、生ライチがかくれている贅沢さ。参りました。
「在在Zoi Zoi」の楊枝甘露は、香港の美味しいものが台湾で昇華して、小さなカップに宝物が詰まっているみたい。ずっと眺めていたかった。ずっと夏の美味しいものがあればいいのになあ。でも今日の台北は、体感気温48度。こんな毎日が続くのはしんどい。季節限定だから、美味しさもひとしおなのだと思います。

 

これまで、台湾で香港系の料理を食べて「美味しいなあ」と感じても、それは、たまに香港を思い出したいという、個人的な満足で済んでいた気がします。
でも、「在在 Zoi Zoi」で食べたお料理は、「あの子を連れて来たい、この人にも紹介したい」「こんな美味しいもの、みんなに食べさせてあげたい」と思わずにいられませんでした。この楊枝甘露を食べるために、台北へおいで。いつになったら、そんなことを気軽に言えるだろう。

モノづくりのアトリエも、片隅に。

 

 

台湾に来て生活や商売を始める香港人の多くが、「静けさ」を求めていると感じます。このお店も、香港から来たオーナーの「静かに食事を楽しむ空間づくり」の意向がありました。
「香港はうるさい」
香港人も、外から香港へ来る人も、良くそんな風に言います。広東語は腹の底から発音するものだし、街がせわしなく人が多くスピードが速いから、大声で話さないと声が届かないのは、よくあること。
私はそういう環境で長年暮らしていたので、台北に来てから
「台湾人うるさい、声が大きい」
と台湾で暮らす人が眉を顰めても、「どこが?」「香港のほうがうるさいよ」とあまり気にしませんでした。
でも、ここ数年は、香港でもひっそりしているお店や場所が増えたように思います。若い世代は「静かな空間の心地よさ」を知っているし、話し方も、ひと世代、ふた世代上の香港人とは、違っている。でも、若い世代の人たちにとって、家賃が高く狭い香港では、ものを作る静かな空間を作るのはかなり難しいことかもしれない。

 


とても美味しかった、自家製ソースすごいね、楊枝甘露もたまらなかった。会計をしながら、感想をオーナーのふたりに伝えずにいられませんでした。改装工事後の再開時には、少しメニューも変わるかもしれないとのこと。
「でも、私達の香港スタイル料理を出しますよ」
静かな確信のある笑顔で教えてくれました。

「在在Zoi Zoi」は、香港から台北に来たふたりが自分達の場所を求めて作り上げた空間なのかな。夏の終わりに生まれる新たな空間も、楽しみです。

 

在在Zoi Zoi 店舗情報とアクセスMAP

住所:台北市萬華區和平西路三段61號
電話:非公開(予約不可)
営業時間:金~月曜日 13:00〜16:30、17:30〜20:00
定休日:火・水・木曜日
※2020年8月から改装工事のためお休み。
デザート専門の姉妹店「自自zi⁶zi⁶」は営業中。こちらは完全予約制。
公式サイト:https://www.facebook.com/zoizoi6/
アクセス:MRT「龍山寺」徒歩3分、台鐵「萬華」駅徒歩5分

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mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|