台北の路地裏でみつけた、50’sロカビリーテイストのクールなバーバーショップ「COOL CATS 酷貓理髮廳」
好み過ぎて息が出来ない。
台北に数多あるバーバーショップの中でも異色の、リーゼントスタイルを得意とする店に、國父紀念館近くの狭い路地裏で出会ってしまいました。
「COOL CATS 酷貓理髮廳」は、50’sスタイルがリバイバルした1980年代の原宿ロカビリーが原色のまま、台北の路地裏に現れたかのようでした。
Contents
ロカビリーって何?
COOL CATSという店名だけで、わかるひとには「ロカビリー系」とピンとくるはず。
でも、日本人の場合ロカビリーときいて
①「平尾昌晃」「ミッキー・カーチス」「山下敬二郎」のロカビリー御三家
②「チェッカーズの〝俺たちのロカビリーナイト”」
③「マッチの〝ためいきロカビリー”」
あたりを思い浮かべる、昭和の方が多いのではないかと思います。
違う、そうじゃない。
はい、四の五の言わずに、「COOL CATS」の店内を観てみましょう。
Don’t think,FEEL!
台北でも珍しいロカビリースタイルのバーバーショップ
古い看板は、原宿にあった「CREAM SODA」のもの。日本のお客さんがわざわざプレゼントしてくれたのだそう。
修学旅行で出かけた原宿、CREAM SODAでヒョウ柄の長財布を奮発した男子、いたでしょう。スカルマークだけじゃない、この猫のキャラクターを思い出しませんか?
オーナーの”小凱”Kaiserさんは、全身タトゥーあり。でも全然怖くない。通りすがりに飛び込みで問い詰めた私にも、笑顔で物腰も柔らかくて「あの頃の原宿に、こんなふうに笑う優しい男の子、いたなあ…」と思い出させてくれる雰囲気の方でした。
KaiserさんのInstagramより
Kaiserさんは理容師として修業しながらロカビリースタイルが好きで自分で学び、日本のバーバーショップとも交流していることを話してくれました。台湾で開催される理髪師大会でも、メインのゲストとして技術を披露するほど、この世界では名の知られた方です。
「Shopping Design」Kaiserさんのインタビュー記事(中文)
お店の営業中だったから、台湾で「90後」と呼ばれる世代の彼がどうしてロカビリーに出会ったのか、なぜ好きになったのかまでは聞けなかった。もうちょっと話したいな。
こちらではリーゼントスタイルだけではなく、一般のバーバーショップ同様、理髪やひげそり、お顔の手入れなどが出来るのだそう。
「女性は利用できないの?」
無言で微笑まれてしまいました。
COOL CATS 公式インスタグラムより
お話しを聞いている短い間にも、仕上げて帰る人、小粋なハットを脱ぎながら入ってくる人、途切れることのない客足。あまりジロジロ見ないようにしていたのですが、ちらっと眼の端に入るだけでも
「台北に、こんな風にスタイルを持った、おしゃれな大人の男性たちがいたんだ…」
と動揺してしまうほど。
まだまだ、台湾、台北には知らない人、知らないことが沢山ありました。
看板猫はBoogieちゃん
床の上でじっとお客様たちを見守るように座っていたお店の看板猫、Boogieちゃん。「写真撮ってもいいですか」としゃがみ込むと、ゆっくり近づいてきて頭こつんの挨拶をしてくれました。適度に人懐こくて大人しい、とっても可愛い子。台北でまた、好きなねこと知り合えて嬉しい。
Kaiserさんが好きなエルヴィス・プレスリーの中国語の呼び方は「猫王」。Stray Cats, 猫とロカビリーがCOOL CATSの由来だそう。
ロカビリーと猫。
この感覚、
「わかる奴だけわかればいい!」
と投げ出して、踊りに行ってしまいたい。
リズムを感じて、グリースの匂いを吸い込んでみないことには、こればっかりはどうしようもないの。
「COOL CATS」の空間とスタイル、匂いと技術。台北で形にしたKaiserさんの店に、感じに行ってみてください。
50’sスタイルは古い台湾家屋の名残もアクセント
古き良き台湾のスタイルを見直すお店は多いけれど、COOL CATSの風格は他では見ないもの。でも、近寄りがたいクールさではないのは、シャンプー台やドアにはめ込まれた磨りガラスに、昔ながらの台湾スタイルがしっくり収まっているから。
こちらを紹介したものの、私はお客になることはできません。遊びに行ってもお邪魔になるだけなのが切なく、狂おしい。
男性諸君、どなたか頭やりに行かない?連れて行っちゃおうかな。
細い路地裏を行く猫のようにそっと、またお店を覗きに行きたいな。
COOL CATS BARBERSHOP 酷貓理髮廳 SHOP DATA
住所|台北市大安區延吉街131巷2弄9之1號
電話|02 2720 0861
営業時間|11:00~21:00 無休
アクセス|MRT「國父紀念館」1番出口から徒歩3分
公式URL|Facebook
INSTAGRAM
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昭和レトロな「波麗路」のメニューは50’sスタイル
STRAY CATSのこと
COOL CATSへ行ってから、久しぶりにSTRAY CATSを聴きなおしてみました。
すっげえうまいな。
あの頃は、ストレイ・キャッツって「踊れて楽しい」としか思っていなくて、うまいとかどうかなんて考えてもみなかった。
ブライアン・セッツァー、あのルックスであの声、ギターも上手くて華があって、とんでもなかった。
ブライアンはオーケストラで来日したり、今年はSTRAY CATS 40周年でアルバムも出るのだそう。いいないいな。観に行きたい。ロカビリースターは若く亡くなってしまう人ばかりだったから、ご長寿猫のストレイキャッツは奇跡のようだと思う。ブライアンが元気で彼の音楽を聴けるのなら、聴きに行きたい。
ストレイキャッツとエルヴィスの「Rock this town」、聴き比べも楽しい。両方交互にかけて聴いても踊れちゃう。「Lonely Summer Nights」のような、ほろ苦く甘いナンバーも好きでした。エディ・コクランのカバー「Somethin’ Else」のLIVEバージョンを聴いて、「いやいやうますぎるでしょ」と呆然となってしまった。公式チャンネルで色々聴けます。
Youtube The Stray Cats 公式チャンネルから
https://www.instagram.com/straycatsmusic/
湾ねこ写真集。Boogieちゃんも仲間入りしています。
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