台湾旅行情報

台湾や香港からフルーツや香辛料、日本へ持ち込んでもいいの?果物・植物防疫情報まとめ

台湾土産のドライフルーツや漢方の日本持ち込み、大丈夫?肉および肉製品の持ち込み規制の厳格化、香港や台湾からのお土産で持ち込めるもの、持ち込めないものがあります。

 

「肉まん駄目なら、台湾で何を買えばいいの」

「ドライフルーツは大丈夫ったっけ?」

なんだか心配になって来る方も多いかもしれません。

生のマンゴーなど熱帯のフルーツや野菜、植物類の規制はわかる。

ではお土産としての「乾物」ならどうでしょう?迪化街の香辛料は規制の対象になる?「植物防疫所」の公式サイトで確認しました。

どうして生マンゴーの持ち込みは駄目なの?

台湾で山積みのマンゴーやドラゴンフルーツ、「南国らしいお土産にしましょう」とスーツケースにしまいこむ前に、要確認!

日本で買うよりお手頃だし、何しろ美味しい。でも、熱帯果物のほとんどは日本への持ち込みが禁止されています。

どうして生のフルーツはダメなの?

「植物防疫所」が実施している植物検疫の必要性とポイントは、

 

 輸入植物類に病害虫が付着して日本に侵入することを防ぐことが目的の輸入植物検疫では、病害虫が付着する可能性のある植物はすべて検査の対象となります。

  ただし、家具や製茶のように高度に加工されたもの、瓶詰めされた乾燥香辛料などで密閉されているものなど、植物検疫の対象となる植物の病害虫が付着するおそれがない植物又は、植物加工品等は輸入植物検疫の対象となりません。

出典:輸入植物検疫の対象とならない植物について

と記載されていました。また、現役の係員の方からこんなメッセージもあります。

 

例えば東南アジアには果物類の大害虫であるミバエが発生しており、これらの地域からはマンゴウなどの熱帯果実はもちろん、ほとんどの生果実が輸入禁止になっています。

旅行者がこれら輸入禁止品を持ってきた場合は理由を説明して放棄してもらわなくてはなりませんが、一般の旅行者は植物検疫に対する認識が少なく「知らなかった。」という反応がほとんどです。

出典:植物防疫所

害虫から日本の植物を守るため、亜熱帯の果物の持ち込み規制はとても大切なことなのです。

「でも、日本に沢山外国の果物が輸入されてるじゃない?」

はい、厳しい検疫をクリアしたものだけが、輸入許可されています。

台湾から日本へ送る果物の検疫はとても厳しい

たわわに実る愛文マンゴー。時期が来るとひとつひとつ袋掛けされます
仕分け工場では熟練のひとたちによる何重ものチェックを通してから箱詰めされます。

 

台湾から日本へ輸出が可能なマンゴーは、現在愛文マンゴーのみ。
台湾では、収穫したマンゴーを仕分け工場に集めて丁寧に分類します。日本仕向けのマンゴーは、糖度や見た目、大きさもチェックを繰り返してパスしたものだけが選ばれ、燻蒸処理をしたものだけが輸出可能になります。

仕分け工場では、日本の農水省の方と台湾の衛生福利部の方が駐在して、検疫を行っています。

台湾から日本へマンゴーの宅配時期が限られているのは、日本の検疫官が台湾に駐在している間しか輸出できないからなのです。

台湾で検疫をしたものも、さらに日本到着後に空港で検疫を行います。ここでミバエの卵が確認されると、同じ工場からきた果物も一緒に留め置きになるなど、大騒動になります。

面倒な仕分けや燻蒸をする日本向けより、中国や香港、韓国など検疫が不要なところへ輸出するほうが、農家にとっては楽な仕事なはず。でも、

「自分たちのマンゴーは日本へ輸出できるクォリティを保っていることに誇りを持っています」

と、農協の理事長さんはおっしゃっていました。

「綺麗なマンゴーは全部日本にもっていかれちゃうよね」

と台湾人の友達から皮肉を言われることもあります。そのくらい、選ばれたものが日本へ輸出されているということなんですね。

マンゴー泥棒には、手が腐る呪いがかけられます。

 

植物検疫所の統計で見ると、マンゴーなどフルーツの持ち込み数量は年々増加していました。それだけ人気があり、また検査も厳しいということ。

今一度「植物防疫所」の公式サイトで規制品目を確認して、うっかり違反をしてしまわないように注意しましょう。

 

海外から野菜や果物を持ち込む際の規制

台湾からの持ち込み

香港からの持ち込み

持ち込みアウトの生果物

大切に育てられた果実が無残に捨てられるのは悲しい。持ち込みできないものを確認しましょう

 

生マンゴー、アウト。
※植物防疫所の記載は「マンゴオ」「マンゴー」。

美味しい台湾バナナも、生はアウト。
※台湾バナナの日本輸出量増えているみたいですね。

ライチも生はアウト。
※今年(2019年)は収穫量が激減しています。現地で巡り合えるだけラッキー。

ドラゴンフルーツも釈迦頭もグアバもアウト。

台湾や香港で見かける、色鮮やかな珍しい果物。生で日本へ持ち込むことは禁じられています。

生の南国果物は、現地でもりもり食べましょう!

手続きを踏めば持ち込める生の果物

パイナップルは手続きを踏めば比較的簡単に持ち込み可能。猫は検疫が必要です!

 

意外にも、素手で持つのは危険な「ハード系フルーツ」は手続きを踏めば日本への持ち込みが可能でした。

  • 生パイナップル
    ※手続き簡単だった!と喜んでいた友達が何人もいました。レベルの高いお土産だと思います。
  • 生ドリアン
    ※ドリアン持ち込みは、香りが想像以上に周囲に流れ出るリスクを十分検討し、対策を講じ、覚悟のうえで実行してください。私はすごいことに成りました。おすすめはしません。
  • 生ココナツ
    ※割るのが大変そうだね。

パイナップルはともかく、割って食するまでが大変なハードルの高いハード系フルーツ。好きな方には喜ばれるかもしれないですね。

余談ですが、「台湾で一番好きな食べ物はなに?」と聞かれると私は「パイナップルです」と答えます。台湾フルーツでは、マンゴーよりもさらに好き。

屏東のパイナップル畑で、畑主の陳さんが植わっている果実から選び、その場で切ってくれたパイナップル。冷やさないで、土の温かさをそのまま、果汁をボタボタと土に返しながら食べました。世界一美味しかった。

 

同じように「手続きを踏めば」の項目で気になったのは「薬用にんじん」「乾燥香辛料」「コーヒー豆(生)」。コーヒー豆は焙煎したものが主流なはずですが、「生豆」は注意が必要です。

ドライフルーツ、ジャムや香辛料の持ち込みOKの条件

ドライフルーツやジャムは台湾土産の定番中の定番。なんの疑問もなく日本へお土産に持って帰っていましたが、今一度植物防疫所のページにまとめられている一覧を確認してみました。

「検疫対象外」から気になる項目を抜粋すると

亜硫酸、アルコール、酢酸、砂糖、塩等につけられた植物

あんず、いちじく、かき、キウイフルーツ、すもも、なし、なつめ、なつめやし、パインアップル、バナナ、パパイヤ、ぶどう、マンゴー、もも及びりゅうがんの乾果

乾燥した香辛料であって小売用の容器に密封されているもの

出典:輸入植物検疫の対象とならない植物について

ジャムOK!

チェブラーシカの台湾限定マーマレード。オレンジの箱で眠っていたチェブちゃんならではですね。

 

ドライフルーツOK!
香港の乾燥いちじく美味しいよね。台湾のドライマンゴーも美味しいよね。安心した。

※漂白されて砂糖たっぷりなドライマンゴーは全然美味しくないから、多少黒ずんだ感じでもナチュラルなものが美味しいですよ!

 

乾燥香辛料も小売り用に密封されていればOK!

 

上記リンクには家具や布製品に関する記載もあるので、興味のある方は確認してみてください。

ここに記載されていない特殊なものは、直接該当機関に問い合わせを。

生薬、漢方の検疫対象は「原料」

 

輸入検査が必要な植物の種類の例

には、

  • 香辛料原料、漢方薬原料など

と記載がありました。製品化されていない「原料」は検疫の対象になるので、関係個所で確認をしましょう。

輸入条件に関するデータベース

 

「空港で見つからなかった(捕まらなかった)から大丈夫」なのではなく、「見つからずに持ち込んで、害虫を日本で拡散してしまう可能性がある」から、一個人も責任を持たなければならないのよね。

「台湾が好き」「香港が好き」と大事に思ってくれるのならなおのこと。愛はルールを守ったうえで語りましょう。

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mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|