クリスマス直前の東京へ、台北からショートトリップしてきました。
年末年始、旧正月に海外から一時帰国する方も多く、海外生活に興味のある方もいらっしゃるようなので、私の行動をほんの一例として紹介したいと思います。
書いているうちに思いのほか長くなってしまったので、お急ぎの方は興味のあるところだけ目次で飛んでご覧ください。
旅前準備 お土産は無し・または王道
台湾からの一時帰国で携えるお土産といえばパイナップルケーキ、からすみ、台湾茶が不動のTOP3でしょう。お菓子やドライフルーツ等もまあまあ喜ばれるし、メイドイン台湾で、可愛い小物も沢山あります。
でも今年、私は親しい友人と「お土産いらないからね」「お返しもいらないよ」とさらっと話し合い、それ以後は手ぶらで会うようになりました。これまでは、私が台湾土産を用意しているのを見越して、友達も何かを用意していました。久しぶり!とカフェやレストランや居酒屋でブツブツ交換、ひとしきり盛り上がります。でも、いただきものの紙袋をたくさん抱えて地下鉄に乗るのも、帰りのスーツケースに詰め込んだり、包装をはがしたり纏めたり仕分けしたり、モノの使い道に悩むのも、実は結構しんどいのです。嬉しいんだけど、気持ちはとっても。
こちらがお世話になる場合やお邪魔をする時、超久しぶりだったり、どうしても渡したいものがあれば用意はします。でも、台北ー日本くらいで毎度毎度モノを渡しあう必要はもう無いよねと、仲間内で納得した結果です。
これが気楽でいいんだわ。みんな手ぶら。バッグ一つ。ハグしたって紙袋が背中にぶつからないし、最高だね。
友達や家族なら、ただ会っておしゃべりして美味しいものを食べて、お互いに元気で良かったと笑いあえるだけで十分なんです。
モノはいらない。
台湾へ来る友達に「何か欲しいものはあるか」と聞かれても、何も持ってこないでと固辞しています。会えるだけで十分だから。
でも今回はご挨拶もあったので、用意しました。王道すぎるパイナップルケーキ、私が台湾で一番好きで、食通の方にもとても喜ばれてアンコール来るほどの「日出」のもの。「パイナップルケーキ博士」と自称する台湾人にあげたら、「俺が今まで食べてきたものは何だったんだああああ」と転げまわって感動してくれたほど、男性受けも凄くいいのですよ。
ここは台中にのみ店舗を構えていて、台北には店舗はありません。でも台湾国内のみならず、海外にも通販をしているので、いつもネットで予約し、出発前日に台北の自宅に届けてもらっています。
香港時代から台北に来るたびに宿泊ホテルへ届けてもらってもう10年以上、一度も注文ミスは発生していないので安心しています。
日本円に両替
今回も、いつも通り離陸一時間前に到着し、オンラインチェックイン済なのでバゲージドロップの作業だけして銀行へ移動、日本円に両替。カウンターもありますが、数人人がいたので横にあるATMで銀行のキャッシュカードから外貨両替をしました。空港着、荷物預け、両替完了まで8分ほど。(腕時計を見てチェックした)
市内の銀行や両替屋で替えるほうがレートが良い場合もあるかもしれないですが、私はそんなに大量の現金は必要としないので、出発前にあちこち動き回らず、空港で済ませました。大した金額でもないのに、レートを気にして動き回る労力の方がもったいないと判断したためです。
携帯はWi-fiレンタル?それともSIMカード?
以前は台湾でWi-fiをオンラインレンタルし、出発前日に自宅へ届けてもらって、台湾に戻ってから近くのセブンイレブンから着払いで返却していました。
そのシステムも間違いなくて便利だったのですが、携帯のほかにWi-fiを持って歩くのが面倒くさかった。バッテリーもすぐ切れるし、切れたら終わり。夜どうやって帰るのか調べることも出来ず、駅のホームで呆然としたこともあります。それに、バッグの中に携帯とWi-fi、それぞれのバッテリーと電子機器が4つもあるのが嫌でたまらなかったんですね。
なので、今回は羽田の到着ロビーでSIMカードを買い、お店で装着してもらいました。メールとLINEで連絡できるなら、通話なしのタイプで十分。
羽田にはSIMを扱う店が何軒か、自販機もあるけれど、スーツケースやコートを抱えてちっさいNanoカードを装着だ作動だとこなす自信もなかったので、お店でやってもらえてよかったです。Wi-fiレンタルの方が割安だけれど、持ち物が減る方が大事でした。
ただ、台北に戻ってSIMを入れ替えたら3Gになってしまい、4Gにならないです・・・と通信会社のカスタマーサービスに電話して設定を教えてもらう羽目に。結局どこかで手間はかかるのね・・・。
Suicaをチャージ
電車やバスを乗りこなし、最終的には羽田でコーヒーも買える、余れば次回も使えるから、多めにチャージします。と言っても5000円程度。京急の切符売り場の自販機には外国人が大勢並んで四苦八苦していましたが、英語ができる職員の方が親切にサポートしていました。
目的地の銀座まで、京急から都営乗り入れで一直線。有難いです。スーツケースを持ってJR乗り換えが一番しんどいので、新宿へ行く場合、私は羽田から直行のリムジンバスを使います。
羽田から新宿へは電車乗り継げば670円くらい、リムジンバスは1230円と倍近くかかるけれど、混雑した電車にスーツケースを持って乗るのは周りにも申し訳ないし、しんどいので、仕方ないと思っています。
電車の路線図を理解する
「台湾や香港の路線図はシンプルで、いいなあ・・・」
心の中、震える声の感じで読んでいただけると幸いです。
東京に戻って何が恐ろしいって、路線図を見上げる瞬間です。グロテスクなほど混じり合った路線。理解できない。山手線内回り外回りも、わからない。東京で生まれ育ったはずなのに、品川からどっちのホームに行けば上野へ行けるのかがわからない。台北駅も大概迷うけれど、新宿駅はもう、ドラマチックな程カオス。
村上春樹の昔の小説、「中国行きのスローボート」で、主人公が初めてデートした中国人の女の子を新宿駅から反対周りの山手線に乗せてしまったことに気づき、逆方向の山手線に乗って先回りし、彼女をホームで待つ場面がありました。
反対周りの山手線に乗ってしまったと理解した時の軽い絶望感。惨めさ。あの中国人の女の子は、デートの相手に乗せられてしまったから、なおのこと悲しかっただろう。
初めて読んだときにはわからなかったことが、時を経て、身に染みて理解できました。
交通関係はきっと便利なアプリもあると思うのですが、私はシンプルにGoogle先生に「現在地」「目的地」を入力して、行き方を確認しています。
みなさんどうしていますか。いい方法やアプリがあったら教えてください。
ラーメンを食べる
台北にもラーメン屋さんが日本から沢山進出して、毎週のように新規開店のお知らせを見ます。でも、私は行列している店に並ぶガッツがない。一度だけ食べに行った店は、スープが甘かったので二度と行っていません。
台湾人の友達のFBでは、日本へ行くと必ず全員、麺類を食している様子をアップします。香川でうどんてもう、「うらやましいね!」ボタンを作ってほしいと心底思いました。
今回は昼の機内食にほとんど手を付けず、夜まで時間もあったので、昼の遅い時間に目についたラーメン屋さんに入りました。
つけ麺。これで並だけど、凄いボリュームでした。店内には中国人のグループ、カウンター席にいた私の隣にはシンガポールから来た女性のおひとり様。
みんな日本のラーメン食べたいんだね。
ここはお店のご主人がスタッフにかける声が暖かく優しかったし、スタッフは元気だし、居心地よかったな。また機会があったら行きたいです。
梵天
東京都中央区銀座1丁目9−12 西山興業東銀座ビル
日~土 11:30-25:00
久しぶりに日本でラーメンを食べて気付いたこと。私は麺をすすることが出来なくなっていました。良く外国人がマナー云々の前にすすり方がわからないと途方に暮れるのと同じで、どうすればいいのか、体がやり方を知らない状態でした。
前回ラーメンを食べたのは3月にドイツへサッカーを観に行った時。デュッセルドルフの匠ラーメンでした。寒いドイツで、暖かい汁物でパワーチャージしたい時にはいつもお世話になっています。
あの時も両脇ドイツ人だったから、麺をすする音は聞こえてこなかったし、私もすすり方のことを考えなかったと思います。
TAKUMI | Düsseldorfer Ramen
Immermanstr. 28,40210 Düsseldorf
月-金 : 12:00 – 22:30
土: 11:45 – 21:45
日 : 12:00 – 22:00
余談ですが、今はヌーハラとか言ってすすったら外国人を嫌がらせるとかなんとか、知らんがなと思います。カレーを手で食べるのが不快と言われてもそれは文化だし、郷に入れば郷に従え。食材に残酷なことをしているのではない限り、食文化や習慣は尊重するもので、外部のご意見など放っておけば良いと思います。
免税で買い物をする
日本では、外国人だけでなく海外在住の日本人も、一定の条件を満たしていれば免税制度を利用することが出来ます
日本の空港で自動ゲートへ誘導されると、帰国のスタンプを押してもらえません。免税ショッピングをする場合は必ず、近くにあるカウンターで「帰国スタンプ」を押してもらうことをお忘れなく!これがないと免税処理が出来なくなります。
。
海外在住者は一時帰国でめまぐるしく動き回り、いつ何時欲しいものに出会うかわからない。限られた時間の中でお得に買い物をするため、私はパスポートと居留証を必ず携帯しています。(身分証明のためもあるけど)これまでは免税手続きのできるお店は大手の百貨店や家電専門店、しかも主要駅周辺に限られていましたが、最近はもう、えっここで?!と思うようなところでも免税カウンターがありますね。品川のイオンに化粧水を買いに入ったら、家庭用品のフロアに免税専用レジがあって本当に驚いた。
ただ、1回につき5,000円以上購入しないと免税対象にならないなど、最低消費額の設定もあるようです。それで何度か涙をのみました。免税のために不要に買い物したくないし。
といいつつ、これまでに日本製のノートパソコンや洋服、化粧品で免税制度を使いました。今回は新宿の紀伊国屋書店でどっさり専門書を買って、1Fの免税カウンターで手続きができました。ありがてえな。
横浜の高島屋免税カウンターで
「あの・・・こちらみなさんに差し上げてるんです・・・」
「横浜キティちゃん」のクリアファイルを差し出すスタッフの方の軽く怯える気配を察したことがあります。
それは美容院で、(おばさんにはどの世代の雑誌を持っていけば失礼に当たらないだろうか)と迷っている若いスタッフの様子に通じるものがありました。
「まあーキティちゃん。友達が好きだからお土産にしますね、どうもありがとう」
としっかり受け取ると、スタッフの皆さんがすごくほっとなさったのが印象的でした。私はそんなにも、キティちゃんと相容れない人物に見えたのかしら。
母が住まいを移した機会に、妹と一緒に子供の頃住んでいた家や、通っていた小学校のあたりを散歩しました。何十年ぶりだったかな。統廃合で名前の変わった小学校、中国語だと「恋愛運小学校」になってしまうことを妹に教えたり、校庭から二宮金次郎像が無くなったことにショックを受けたり、でも学校のシンボルである欅の木は健在であることにほっとして、妹とふたりで学校の愛唱歌だった「けやきの歌」を歌ったり。
変わった場所、変わらない場所があって、思い出話をしたり、私の知らない話を妹から聴いたり、楽しかったです。
もし一人でまわっていたら、かなりセンチメンタルになってしまったかもしれない。懐かしい場所には、誰かと一緒に笑ったりおしゃべりしたり、懐かしい店で買い食いしたりしながらが一番いいと思います。
今回は友達と原宿へ行こうと決めました。何十年ぶりかで竹下通りに入って、マリオンクレープでチョコバナナという王道を食べ、冷やかしでジャニーズショップを覗き、表参道を抜けてキディランドの脇、キャットストリートを歩いてピンクドラゴンへ。
ただただ懐かしかった。かかっている音楽も、お店の匂いも。
ずっと昔、オープンしたばかりの頃かな、ここの二階にあった「ドラゴン・カフェ」でお茶を飲んでいたらE・Hエリックがひとりでいて、「誰を待ってるのかしら」とヒソヒソしていたら、赤いバラの花束を抱えた岡田真澄がやってきたことがありました。
素敵でちょっと不良な叔父様、お兄様たちがいた場所。
お兄様たちに連れられている、無名だけれど目が釘付けになるような美人や、口数の少ない、有名なモデルたち。
可愛くてカッコよかった年下の男の子たちが、目を輝かせてやってきた場所。
東京や近郊の、おしゃれで気の強い女の子たちが集まってきた場所。
そのまま歩いて渋谷駅、途中で友達も思うところがあったらしく、坂の下で両手を高々と上げていました。
色んなことが始まって、一回りして、また始まる。若い頃に散々歩いた場所へ、少しだけ時間を作ってプレイバックしてみてください。これは本当にお勧めです。
Pink Dragon
※公式サイトのデザインが90年代っぽくて微笑ましい。手作りなんですね。
東京都渋谷区渋谷1丁目23−23
純喫茶でまったり、コーヒーも朝食も
次の場所への移動までのクールダウンやスケジュール確認、待ち合わせ。東京ならカフェや喫茶店に困ることはないですね。私は世界中のどこへ行っても、緊急時を除いて某シアトル系チェーンカフェは絶対使わない。東京でもそのポリシーを貫き、チェーンならルノアールかタリーズと頑なに決めています。
ルノアールの昭和な感じが好き。おっさんばっかだけど。
新宿なら小田急ハルクのところの「ピース」も好き。おっさんばっかだけど。
この間行った新宿三丁目の珈琲貴族も良かったな。ここは若者も女性も多かった。
ホテルの朝食は高いし、朝からビュッフェはいらない、かといってコンビニでサンドイッチも味気ないから、ルノアールのモーニングを食べてみました。
網で焼いた厚切りトーストがどうしたとか、しゃらくさいこと要らない。このくらいで丁度、気楽。店員さんたちも穏やかでちょっと訳ありなストーリーがありそうで、謎めいているけれどほっとする。
純喫茶で気が休まらなくって、どこで休むというのだろう。
喫茶室ルノアール 銀座2丁目
店東京都中央区銀座2-7-18 藤田ビルB1F
年中無休 全日:8:00-23:00
仕上げは羽田空港で
ふくやの明太子、とらやの羊羹、ユーハイムのバウムクーヘンが三大マストバイで、ドラッグストアで「つらい疲れに」のチョコラBBドリンク、併設の書店では機内で読む雑誌類。街中のコンビニや書店で売り切れている週刊文春や、台湾特集をしていた雑誌も、空港内なら買えることが多いです。
国内線の方ならもっと品ぞろえがあるそうですが、国際線から行くのも時間的に忙しないし、願わくば国際線の出発間際に「京樽の茶巾寿司」「まい泉のカツサンド」が買えたら、台北に戻ってからご飯の支度をしなくても済むな・・・と思っております。
羽田空港国際線ターミナル
まとめ:旅の達人には程遠かった
こうして書き出してみると、
①レート気にしねえ(大金じゃないから)
②身軽になるなら携帯は割高のSIMでもオッケー
③スーツケース持ってJRに乗りたくないから倍近く払ってもリムジンバス
と、私は楽をするために余計な出費をしていますね・・・。でも思うの。大荷物で移動するのは貧乏くさいし、はた迷惑だからイヤ。
荷物が多ければ多いほど、捨てる、無駄なものも付随してしまう。しかし身軽になり過ぎて真冬にコートを忘れて行ったりするので、私もまだまだ旅の達人には程遠いし、ただの見栄張りなのかもしれないですね。相済みません。
※情報は掲載日当時のものです。ご利用時に営業状態を確認してお出かけください。