台湾で香港ムードにひたる場所

曙・初見咖啡 Chujian Cafe。 港町・基隆のオールド香港スタイルカフェ

港町は危険な香り。基隆のオールド香港スタイルカフェ「曙・初見咖啡 Chujian Cafe」へと雑居ビルの階段を上がっていくと、滑らかでひんやりとした香港式ミルクティーに巡り合えました。

 

基隆まで、台北市内から高速バスに乗ったら15分ほどで着いてしまった。台鐵の古い駅舎は骨格だけが残されて、真新しい駅舎やバスターミナルができていました。

玄関口は新しくなっても、港を眺めながら街中へ入っていけば、台北とは違う気配に包まれる。同じ港町でも、南の高雄とも違っている。基隆に来ると、独特な危険な香りを感じます。

「曙・初見咖啡」は、雑居ビルの2階。表には、カフェの看板どころか番地も出ていません。

ここはかつて、「曙」という名前のカラオケ店だった場所。その気配が濃厚に残っている空間に、オールド香港とレトロ台湾が混ざり合うカフェです。

店のあちこちに置かれている懐かしい魔法瓶や化粧ボックスは、香港や台湾の古いもの。メニューは香港のカフェ食堂「茶餐廳」をベースに、オリジナルも。

 

台湾では香港式ミルクティのことを「絲襪奶茶」と表記します。絲襪=ストッキングで濾したような滑らかなミルクティ、香港では大きなネルの袋で何度も濾すのがあたりまえだったけど、場所が違えばそれは大きな特徴になる。

凍奶茶少甜」、アイスミルクティーを甘さ控えめでお願いしました。出てきたのは、氷を盛った硝子の器の中で冷やされているグラス。

ミルクティーには氷を入れていないから、味が薄まらない。滑らかで、冷たすぎず。ミルクだけが濃く主張しない、濃厚に煮出した紅茶と良いバランス。美味しかった。

こんがり焼いたパイナップルパン「菠蘿飽」にバターを挟んだ「菠蘿油」と、高カロリーだから美味しくて、いけない香港式下午茶。

店の壁際に積まれたポートレート。梁朝偉のこの造形は「2046」かな。

 

大人っぽい雰囲気の店だけれど、女性同士のお客が多く、ソファ席では赤ちゃん連れの女子会も。「ムーディーな店」と構えなくてもいいみたい。

オーナー夫妻は台湾人カメラマンと香港人女性。日本語も話せるオーナー夫人にこの日は会えなかったので、またの機会に。

 

基隆の夜市は昼間も店は開けているから、混雑をさけて明るいうちに出て来るのも面白かった。

港町の高雄とも、となりの台北とも違っている、基隆の独特な雰囲気。もう少し奥まで、深入りしてみたくなりました。

 

曙·初見咖啡 Chujian cafe 店舗情報とアクセス

住所:基隆市基隆市仁愛區愛一路103之1號2樓
電話:02 2427 1882
営業時間:木~月 12:30〜20:00
定休日:火・水
公式サイト:https://www.facebook.com/chujiancafe/
アクセス:「基隆」駅から徒歩約7分
※台北市内からは台鐵で「基隆」まで、または中山駅あたりから國光客運「1802」のバスなどが、15分~20分間隔で運行しています。

※ビルに番地なし、表にはカフェの看板も出ていません。この入口から入ると、階段の踊り場に「初見咖啡」の看板があります。


※店舗情報は訪問、掲載時のものです。利用前に公式ページなどで営業状況を確認してください。

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mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|