金曜日と土曜日は降ったりやんだり、冬に戻ったような薄暗い天気だった台北。日曜日の今朝、カーテンの隙間から明るい光がさしていたのでカッと目が覚めた。
散歩がてら買い物に出ると、通りかかった公園からピッとホイッスルの音が聴こえた。パパコーチとちびっ子たちがボールを追いかけている。空の下で響く笛の音とボールを蹴る音、子供たちの笑い声。
家仕事の時間が長くなるにつれ、コーヒー豆の消費量も増加。ちょっと歩いて、ロースターカフェへ豆を買いに行く。日のあたるカフェの店先の椅子には、いつもここで見かけるひとたちが勢ぞろい。それぞれ日曜の朝のコーヒーを楽しんでいた。
日曜日定休のはずのペット用品店のシャッターが上がっていたので、寄ってみた。香港出身のオーナーは、店内に誰もいない時広東語のラジオを聴いている。ドアを開けると、興奮気味のコメンテーターが喋る早口の広東語が聴こえた。オーナーと私は普段、台湾の中国語で会話する。この日は店に誰もいなかったので、ラジオの内容に沿って「とある事情」について広東語で話した。そのことについては広東語で説明するのが最も私の心情を的確に表現でき、このオーナーは台北内の歩いて行ける範囲で最もその事情を理解してくれる、「腹が立つけどどうしようもない」ことをわかってくれる人だった。でも深刻にはならない。猫の餌やおやつを買い足し、最後は笑って「また来るね」「またね」と手を振りあった。
半分ひなたで、いつも見かける猫様も気持ちよさそうにうたた寝。通りかかる人たちは猫に気づくとそっと歩調を緩めてちょっと覗き込み、起こさないようにそっと離れていく。
出張市場の屋台から、包丁をまな板にたたきつける小気味良い音が通りに響く。餃子を焼く香ばしい匂いが漂ってくる。歩いているうちに日差しが強くなり、日焼け止めを塗り忘れたことを後悔した。そんな普通の、2020年3月なかば、台北の日曜日。
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