台北生活の日記

鎖国。

台湾は3月19日午前0時から、事実上の鎖国状態になる。
外国人の入境を制限、海外渡航も厳しい規制が敷かれている。
ここ数日台湾で確認された新型コロナウイルスの感染者のほとんどが、海外からの帰国者であることを重く見た措置。

 

「まるで鎖国だね」
ニュースのタイトルにも使われているから、台湾在住の友人たちの間でそんな嘆息が漏れた。
鎖国と言っても物流は維持されるし、こうしてネット越しに情報交換やコンタクトもできる。旅行が大好きな台湾人、観光を生業に生活するひとも多いから、打撃は計り知れないけれど。

 

日本の鎖国の流れをさらっと見るだけでも、オランダ、平戸、タイオワンという単語が出てくる。今の台南・安平古堡は、日本が鎖国していた時代に「タイオワン」と呼ばれていた。ポルトガル、マカオへの追放、海外で暮らす日本人の帰国禁止……遠い昔の「歴史の中のこと」だと思っていたことが、ぐっと身近に感じられる。
2月の初めに安平へ取材に行った時、欧米人の観光客を何人か見かけた。皆マスクをしていて、まあそうだよなと思った。台北に戻ってから、感染者を出したクルーズ船が高雄に寄港し、下船した乗客が同じ日に安平に来ていたことを知って、震えあがったけど。現在も過去も、色んなことや場所が、他人事ではなかった。

 

台湾。WHOをはじめ、表向きは国際機関からつまはじきにされている。それがかえって良かったのか、島国という地理的優位、SARSを経験している過去をふまえて、先手先手を打っている。

 

台湾で最初の感染者を確認したことを発表する記者会見で、衛生福利部の陳時中部長、日本で言えば厚生大臣が声を詰まらせ涙を流した。クールな鬼瓦、歯科医師出身でやり手の政治家のイメージ。その陳部長が感情を抑えきれずこぼした涙は、台湾の中にいる私たちを一気に防疫への団結に向かわせたと思う。悔しいよね。辛い。でも絶対負けてはならない。今では陳部長、すっかりアイドル的存在で「陳部長出演のCM見た?!」とメッセージが飛び交ったり。もう絶滅したと思われた頼れる理想の上司像を、私たちは彼に見ているのかもしれない。

 

台北の中で暮らしていると、午後三時過ぎの薬局にマスクを買う行列が出来、街を歩く人がマスクをしていること以外は、特に変わりなく落ち着いている。

建國花市で買ったホウライキョウ、電信蘭に、新しい葉が出てきた。
最初は茎から伸びた固いドリルのような葉のつぼみが、つやのある葉を少しずつ開いていくのを、毎日眺めている。生きているなあと感じる。

 

当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用、まとめサイトへの転載も固くお断りします。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited.

本站內所有图文请勿转载.未经许可不得转载使用,违者必究.

 

 

 

 

ABOUT ME
mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|