夜明けの台北で朝ごはんに「新四海豆漿」の飯糰(台湾おにぎり)。朝食専門店で生まれたての湯気と働く人たち。
時差の関係で深夜から始まるヨーロッパのサッカーを観終わると、台北は午前五時。お腹を空かせて夜明けの街に出ると、もう朝食専門店から湯気が立ち上って、卵をかき混ぜる音が静かな通りに聞こえてきます。
最愛の台湾おにぎり「飯糰」は 砕いた油條がご飯にしみる
南京東路五段と健康路をつなぐ道にある「新四海豆漿」。午前5時から10時半まで営業する、このあたりでは人気の台湾式朝食専門店です。
私が「新四海豆漿」で一番好きなのは、台湾式おにぎり「飯糰」。
メニュー表示には「飯糰」か卵追加の「飯糰加蛋」のふたつ。私はデフォルトで入っている台湾式肉デンブ「肉鬚」を抜いた「素飯糰」に薄焼き卵を追加した「素飯糰加蛋」にします。メニューには書かれていないけれど、お店の人も常連客もそう呼んでいました。
我的最愛!
「新四海豆漿」の飯糰は、夜明けなのにびしっと整っている。
ここでは型を使って、飯糰のボディを整えています。
型の中にラップを敷いて、ご飯、砂糖を混ぜたクラッシュピーナツ、刻んだ搾菜や切干大根、私は抜くけど肉鬚、その上に中華な揚げパン油條を乗せたら、上からガシャンと押して油條をクラッシュ。薄焼き卵を乗せてくるりとラップを巻き付けるから、形が整った状態になるのね。
卵焼きと搾菜の塩気とピーナツパウダーの甘み、程よい大きさに砕かれた油條がご飯にしみて、味のバランスも食べやすさも良いの。
店によっては楕円形に手で握り、食べる時にビニールラップの中でバラバラに崩れてしまうことがあります。
楕円タイプの場合、私はビニールラップの上からご飯を握りなおす調子で、中の油條を砕いて形を整えます。こうすると油條がご飯や具に馴染み、崩れず食べやすい。中山北路二段に早朝出る屋台もこのタイプで、薄焼きではなく半分にカットした煮卵を挟んでくれる。あれも美味しかったなあ…。これは、また別の屋台で買った楕円形タイプ。
ここの豆漿は、大豆の焦げたような香ばしい味わい。これは好き好きかな。私はもう少し柔らかく濃厚なのが好みなので、ここで豆漿だけ買うことはないです。でも、近くで先にコーヒーを買ってから店先に並ぶとお店のお兄さんが目ざとく見つけて
「飯糰にコーヒー?」
怪訝そうに言われました。
「あわないですね、豆漿もください」
やっぱり豆漿と組み合わせるのがベスト。コーヒーは食前か食後にね。
店先に並ぶ蒸篭からあがる湯気、焦げ目の芳ばしい焼き餃子、焼餅。ここはメニューが豊富で、「おにぎり」と決めて行ったはずなのに、結構な割合でサイドメニューも買ってしまいます。
隣の厨房では粉だらけの台で油條を伸ばし、大きな鍋で揚げている。生まれたての湯気、作り立ての美味しいもの。きびきびと働く人たち、崩れずに熱い、味がしみ込んだ完璧な飯糰。一日を始める朝食のために、静かに並ぶ人たち。台北の朝の始まり、ゆっくりエンジンをかけていく熱と活力を感じるのも、この店が好きな理由です。
「新四海豆漿」 店舗情報とアクセスMAP
住所:105台北市松山區南京東路五段123巷29號
営業時間:5:00~10:30 (月曜日は5:30から)
定休日:無休
アクセス:MRT「南京三民」駅 1番出口徒歩5分
※店舗情報は訪問、掲載時のものです。
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