桃園の病院で発生したクラスターをうけて、台湾では2021年春節前後のイベントが軒並み中止や延期になりました。春節の爆竹、ランタン祭り、それから旧暦の年末に立つマーケット「年貨大街」も。
1年頑張って来た台湾の新型コロナウイルス対策、ここへきていくつかの綻びに直面しています。春節は1年で一番人が動き、人に会う時期。14日間の隔離や事前事後のPCR検査も承知の上で、それでも「会いたい」「帰りたい」と海を越えて故郷に、家族のもとに戻る人たちが大勢いる。春節後に、今以上に感染者が増えると私は考えています。年貨大街が中止になって、春節の巨大さを改めて実感し、覚悟ができました。
春節前の「年貨大街」は、私にとってけじめのようなものでした。
1年が無事に終わっていく。
新しい年を迎えるための準備ができる。
お菓子をあれこれ買う楽しみ、いつもお願いする先生に春聯を書いてもらって、新年に張り替える清々しさ。
男女共学の公立高校の文化祭とアメ横の賑わい、ヨーロッパのクリスマスマーケットも一緒くたにしたような「年貨大街」は、賑やかだけれど押し合わず、活気があってゆったりしていて、笑顔で歩いて行く幸福感にあふれる場所だから、とても好きなのです。
ドイツでクリスマスマーケットを歩いた時、夜が長く寒い国で、この灯りとクリスマスの挨拶、プレゼントの準備ややりとりは、1年を無事に過ごせた幸福の印なのだと気づきました。
だからコロナでクリスマスマーケットも中止になったと聞き、現地の人たちはどうやって気持ちの折り合いをつけたのか、とても気になった。
そして私も台湾で暮らしながら年貨大街なしでどうやって年越しと新年の切り替えをすればいいのかわからず、呆然としている。
クリスマスマーケットを取り上げられた人たちの気持ちが、実感としてわかったような気がします。
年貨大街の中止が告知された1月の暖かい平日のお昼時、迪化街は結構な人出でした。
街並みや店構えは、いつもと同じ。マスク着用率は、目測で90%。
中止のお触れが出る前に掛けられたのであろう年貨大街の垂れ幕と、赤と黄色の提灯は、そのまま街の上で交差していました。
年貨大街をあきらめきれない。春聯を書いてくれる先生を探し出さなければならない。でもきっと、1月28日から始まるはずだったマーケットは開かれず、いつもと変わらない街並みのままなんだろうな。(※2月5日追記。にぎわっています。)
年貨大街は中止だけれど、春聯の方老師は民生西路のいつもの場所におでまし。夕方くらいにはいらっしゃるそうです。
迪化街の「年貨大街」をあきらめても春節はやってくるから
https://t.co/V6FzxnBGKT※迪化街はあきらめてない人で程よく賑わっています。 pic.twitter.com/oaReYGsZg7
— 𝗆𝗂𝗆𝗂|33ʀᴘᴍ (@mimicafetw) February 5, 2021
何もしなくても日は過ぎて、新しい年は来る。イベント自体は中止と決まり、往年の賑わいは望めず、会いたい人に会えなくても、新しい年を迎える準備と気持ちは、誰にも取り上げられない。
2021年春節前。今のところ、そんな調子です。
迪化街の脇の路地で。暖かい日だったので、寝ている子、散歩している子、沢山のワンコに会いました。
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