台北生活の日記

「心を開いて」ライブの日、台北と横浜で言われたことば。TM NETWORKデビュー35周年

 

台湾でタクシーに乗ると、いろんな運転手に出会います。愉快なひと、個性的なひと、寡黙なプロフェッショナルや、ちょっと危険な香りがするひと。議論したり説教されたり一緒に歌ったり踊ったり(!)、いろんな人と出会いました。

横浜アリーナで行われるTM NETWORKのライブを観るために、自宅から台北松山空港へタクシーで向かっていた時のこと。
「お姐さん、占いは信じる?」
「そうですねえ…最近はあまり気にしていません」
香港では占いにすがって生きていたけれど、台北に来てからはつきものが落ちたように、無料の星占いさえチェックしなくなりました。
「私はその人の書いた字を見てアドバイスできるんですよ。良かったら」
お金は取りませんと真面目に言われて笑ったら、運転手はそれが了承だと思ったのか、松山空港すぐ手前の道の端に寄せてタクシーをとめ、メモとペンを差し出しました。
搭乗手続きの時間にはまだ余裕があるし、まあいいか。
そんな気持ちで漢字を一文字書いて返すと運転手はメモをじっと見て

「心を開いてください」

意外な言われように「えっ」と答えると運転手は静かにタクシーを再発進。カーブから空港の車寄せに入ってタクシーを停め、トランクから私のスーツケースを降ろして「旅を楽しんでくださいね」と笑顔で言いました。

羽田に着いて荷物を置き、着替えて横浜アリーナへ向かう時には、もうそのことはすっかり忘れていました。まさかこの夜のライブでも同じ言葉を聴くとは、想像もしなかった。想像もしないことが起きるのは、TMマジックでもあるのだけれど。

それはステージのスクリーンに映し出される、大人になった〝CAROL” パニーラからのメッセージでした。TM NETWORKの3人へひとりひとりのメッセージの最後に、「そして、Fanksへ」TMファンにむけ
「聴こえますか?」
「必ず聴こえるはずです」
「さあ、心を開いて」

TM NETWORKにはもう何年もずっと、驚かされることばかり。そのたびに泣いたり笑ったり、あの頃の気持ちと今の気持ちが交差して昇華する。だからって、まさか同じ日に台北と横浜で、同じことを言われるとは思いませんでした。

「心を開いて」
実はそれがどういう意味なのか、未だに私はわからない。自分が心を閉じているのか、何かを隠して黙っているのか、まるっきり誰かを信じて無邪気にはなれないのか。そう考えると、身近な、いろんな人たちの顔が浮かんできます。あの人達には心配をかけないよう隠し事をしている。とても好きで、信頼しているひとたち。

あの夜、横浜アリーナの表や裏では、懐かしい人達との再会と抱擁、固い握手を何度も交わしました。こっそりぬぐっていた大人たちの涙。タイムマシンに乗せられて、過去から現在へ一気に戻る感覚。また次も、またいつかと未来が楽しみになる喜び。TM NETWORKと彼らを支えるカッコいいお兄さんたちがいるから、私もついていくと願う安心感。「生きていて良かった」と心から思い、「生んでくれてありがとう」と母に言って、転げまわった夜。

今日はTM NETWORKのデビュー35周年記念日。
2020年のこの日は、うちで祝おう。

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台北や香港、ドイツでも出会ったFanksたち。それぞれの街で、いつ、どんな風にTM NETWORKに出会ったのか、初めて観たライブのことをお互いに話して聴いて悲鳴をあげたり大きくうなずいたり、驚いたり笑い転げたり。違う場所と違う時間に、同じ歌が流れてた。これからも、流れていく。また会いましょう。その日のために、STAY ALIVE, STAY SURVIVE, SELF CONTROL。また必ず、いつかどこかで。

 

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mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|