台湾発・新型コロナウイルス関連コラム

台湾旅行、行ってもいいの?やめるべき?当局の対応と私の本音。

新型コロナウイルスの感染拡大で、台湾へ行くか行かないか悩む方も多いようです。はっきり禁止されていないから、誰かに「大丈夫だよね?」とたずねる人も。

 

2月28日現在の台湾当局の渡航注意と現地事情、台北で暮らすひとりの日本人として考えることを記しておきます。

 

台湾から日本への渡航注意はレベル引き上げ

 

台湾外交部は2月28日、日本への渡航注意のレベルを引き上げました。
北海道への旅行は「レベル3のオレンジ=不要不急の渡航は取りやめ」を推奨、その他の日本各地には「レベル2の黄色=渡航の是非を検討」です。

日本への渡航を禁止はしていませんが、これまで以上に渡航を中止する選択が増加するとみられます。

 

 

日本から台湾への渡航は「14日間の自主健康管理推奨」

 

日本から台湾への渡航者に、衛生福利部は「14日間の自主健康管理」を推奨しています。症状がなければ通常通りの生活をして構いませんが、

〇毎日朝晩に検温

〇到着から14日間は公共の場所に出かけるべきではない

〇出かける場合は医療用のマスクを必ず着用

 

などを推奨しています。
2月28日時点で、日本からの渡航者に対し強制的な隔離検疫や、入国制限の措置はとられていません。公共の場に行くなという、強制や拘束力もありません。

「じゃあ日本から台湾、行っても良いよね」と楽観的に考えたくなりますか。

ところで衛生福利部は、

尊重と共感、正しい防疫と正しい教養が
ハッピーで平和な健康につながる

とよびかけています。相手を尊重し共感する。その点を今一度、考えてみたいと思います。

 

 

3月4日追記:日本台湾交流協会からの呼びかけ

台湾の日本領事館の役割を担う日本台湾交流協会からの呼びかけがニュースになっていました。詳細を読んで、ここまで深刻になっているのかと驚きました。

日本台湾交流協会2020年3月3日付けリリース

新型コロナウイルスに関する注意喚起(台湾を訪問される或いは滞在中の邦人の皆様へ)より抜粋

先週末にかけて,日本から台湾に来た日本人旅客の中で,台北市内の観光地等を訪れた際の体温測定により高熱が発覚し,施設への入場を拒否され,その後医療機関を受診した事例が複数発生しています。

 

 

 

これらの事例においては,発熱等の症状があり,医療機関を受診したところ,新型コロナウイルスの検査を受けることが求められ,検査結果が出るまで外出を許されず,且つ,台湾を出境できない(日本に帰国できない)一方,医療機関から入院は求められないものの,ホテルからは宿泊を断られ,宿泊先の確保が困難となるケースもあったようです。

検査結果が陰性であれば台湾を出境,日本に帰国することが可能ですが,仮に陽性であった場合には強制的に隔離され,台湾の検疫施設(注:防疫のために場所は非公表,本人やその家族にも教えられない)に一定期間の滞在を強いられます。

 

これは旅行者だけでなく、台湾で暮らす在留邦人にも向けられているメッセージです。

 

日本からの旅行者をどうみるか、本音。

 

私には、台湾当局の対応は日本に対してギリギリの気遣いをしているように映ります。日本が大型イベントの自粛、休校の要請、北海道の緊急事態宣言と「公的に対応」をし始めた歩調にあわせて、台湾はじわじわとハードルを上げている。とてもつつましく冷静に、かつ失礼のないようにそっとドアを閉じはじめていると。

 

 

台湾で暮らしていると、日本と台湾の政府や民間の対応と温度差に打ちのめされて
「春節から一カ月もたって今さら慌てだした、ここまできてもまだゲートを開けっ放しにしている日本から台湾に来られるのは怖い」
と感じるのが私の本音です。

学校制度が異なるとはいえ、台湾は早い時期から休校措置をとっていました。台湾の学校が授業を再開したタイミングで休校が始まる日本。マスクの輸出や転売、持ち出しを制限し、国民に行き渡るよう政府がコントロールしている台湾。トイレットペーパー不足の噂は確かにこちらでも出たけれど、とっくに沈静化しています。日本は何やってんの?民間人に非はないかもしれない、でも、後手後手の国からようこそ台湾へと100%手放しでウエルカムはできません。

 

28日には、大阪へ旅行してきたばかりの台湾人男性の感染が確認されました。感染ルートはまだ不明ですが、このニュースは台湾在住の日本人にとって、大きな衝撃でした。

私が日本人と知ったら、怖がる台湾の人もいるかもしれない。大阪や北海道、横浜、台湾の人たちが良く知っている地名が、現地のニュースでも繰り返し流れています。近所の良くいく店にもいつもどおり顔を出して、ずっと台北にいることをアピールしても、私を知らない人は私の話し方で「日本人」と気づき、敬遠するかもしれない。
バスや電車に乗ってスマホを見る時も、中国語のサイトを開くようにしてる。隣の人が「日本語見てる…日本人?」と無駄に緊張しなくていいように。
デリバリーミールの配達員の人はちょっと怯えていた。「日本人だけど台湾に住んでるよー」と声をかけました。彼がこの先「日本人と接触した」と不安にさいなまれないように。

 

台湾はSARSを経験しています。だから危機管理と、あの時のようなことを繰り返すまいという気持ちと行動は、民も官も同じ。
私も香港でSARSを経験しました。あんな思いは二度としたくないと骨身にしみている。そして今の状況は、SARS以上に深刻だと感じています。

 

 

春節の前からシグナルは出ていたのに、ずるずるとここまで意識の低い対応をしていた日本に失望しています。
これは1月9日にNHKのニュースを見てツイートしたもの。

 

その日本から、全力で防疫につとめる台湾へ「行っても大丈夫?」と聞かれる。政府がはっきりとは禁じていないんだし、みんな来てるから大丈夫だよね?台湾って親日なんでしょ?優しいよね?お金払っちゃったし、キャンセル代もったいないし、休みもそんなに取れないし。

 

あなたが大丈夫でも、対応しなければならない人は大丈夫じゃないです。どうして大丈夫だよね?と他人に念をおすの?誰が大丈夫って保証するの?そもそも大丈夫って何が?最近の日本語じゃ、大丈夫ですって断ることもあるのでしょ。

 

今この時期に、欲をかいている人とは相容れない。マスクを高額転売したりトイレットペーパーを買い占める人と、他人に「大丈夫だよね」と念をおす人。どちらにも私は理解を示すことができません。

 

幸い、私の家族や友達、仕事の関係者にも「行っても大丈夫?」などと聞いてくる人はいません。自分の行動を自分で判断して決めてくれているからありがたいです。
もし誰かに「来ちゃった、あそぼ」と言われたら断る。ゲートが開きっぱなしの日本から来た人と接して、私を介して誰かにうつしてしまう危険性はゼロじゃないから。逆もしかり、私が無症状保菌者である可能性も、ゼロでは無い。


尊重と共感、正しい防疫と正しい教養が
ハッピーで平和な健康につながる

 

他者も自分自身も尊重する、尊厳をもつ。その基本がなければ、私は良好な関係を築くことも、ようこそ台湾へと言うこともできません。

ドアを閉じろ。話はそれからだ。といきがってる間に、台湾のドアが閉じられるのが先かもしれませんね。

 

 

 

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mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|