台北にも春が来ました。
今日は陽気に浮かれて出かけた、内湖の「台北花市」の紹介をします。
植物は持ち帰れないので旅行者にはあまり興味ないトピックかもしれませんが、ディープな台湾Loverさんには台湾の花事情もわかるし、なにしろ気持ち良い。人ごみに疲れたり、時間があるときにでも出かけてみると気分転換に良いですよ。
台北在住の方で、日本から遊びに来てくれるご家族やお友達がお花好きだったら、一緒に出掛けて部屋に飾るものを選んでもらうのも楽しいです。
私は一度、花を育てることにおいては凄腕の母を連れていき、あちこちの店で話し込む母と台湾人のお姐さんやお兄さんたちの間で通訳をし続けてくたくたになったので、もういやだ。でも、東京ドームのらん展に出展したお姐さんと盛り上がっていた母は楽しそうだったし、台湾の蘭に囲まれた母の写真は好きです。
暇すぎてぼーっと目覚めた月曜日、花市へ行こうと思い立つ
日本の新年度、香港はイースターホリデー、台湾も清明節と、4月の初めはみなさんあわただしかったり休みだったりで、久しぶりにぼーっとする月曜日。衣類の入れ替えなどをしたついでに部屋も片付けると、壁が寂しいことが明白になりました。
ならば花か植物。でも、サボテンも枯らす、バジルに花を咲かせてしまった私は切り花を「とうっ」「やあっ」と活けるのが精いっぱい。できるだけ鉢植えは買わず、切り花を求めて建国や内湖の花市にでかけていました。
台湾のカフェにはあちこち行きますが、みんな壁にセンス良く写真や絵を飾っています。でも自分がやってみるとちっとも素敵じゃない気がするので、手つかずでいました。
なんかほしい。植物ほしい。
去年のクリスマスにRuins Coffee Rostersでマーケットがあって、そこで買ったリースを飾ってみたら結構可愛かった。
寝起きにぼーっとしている時リースが目に入ると「うふふおはよう」とニヤニヤできるのも嬉しかったし、「エアプランツ」ならどうかしら。
今日は月曜日、週末しか開いていない建国花市はお休みだから、バスで内湖の「台北花市」へでかけてみました。
「台北花市」は平日の午前中営業
内湖の台北花市は、日曜日と祝日を除く午前4時頃から12時頃まで開いています。
建国と違うのはその規模、種類、1ユニットの大きさ。建国でならいろんな花を少しずつ束で売っていて「どれでも3束100元」なんて店もあるので、好みのブーケを作るのも楽しみでした。
正月には建国で見繕った花で、こんなの作った。
「建国」が縦に長く駐車場を花市にしているのに対し、内湖は「切り花」と「鉢植え」の建物が分かれています。上階にはお道具もたんまり。なぜかメリーゴーラウンドもあって、半日遊べるくらいの規模です。
一般の人ももちろん買い物はできますが、どちらにも仕入れ業者が訪れるため、バラならダースでどかーん、葉っぱ類も両手で抱えるほどもっさりな売り方。狭い部屋で飾る花を探すには、種類は多いもののちょっと持て余してしまうこともあります。
でも春はいいね。種類が多いせいか、冬よりも小さめのユニットで販売していました。
今日はエアプランツを探すために「鉢植え」のほうへ。
ぐるぐる歩いて、緑が放射する素敵なオゾンを浴びます。
エアプランツを扱うお店がいくつかある中で「ここはどうかな」と思うお店の女性に話しかけてみました。
「壁にかけるタイプにしたい。でもこれでは小さいし、これは大きすぎる。これ可愛いけど球体だから壁から浮いちゃうよね」
建国のほうが、こじんまりとセンス良く作られたエアプランツが多かったかも…。ちょっと後悔しながら尋ねてみると
「この木の中から好きなの選んで、プランツも好きなのを見つけて組み合わせるといいよ。あのおじさんが壁掛けのフックも作ってくれるから」
女性の差し出す木は大小さまざまなサイズ、台湾製だとのこと。
「いい香りがするでしょう。部屋にあると気持ちいいよ」
鼻先にぐいと差し出されて香りをかぎ
「ほんとだね」
自分で好みのサイズと形を選べるのは嬉しい。
じゃあこれとこれとこれ、これはこっち向きでこれはこの辺でこんな感じでと、選んだものを女性とあれこれ組み合わせておおよその形を決定。
「20分くらいでできるから、その辺見てて」
と言われて近くのコストコかホームセンターの特力屋を見ようかと思いつつ、切り花館にふらふら近寄り、入ったとたんにひとめぼれした少し紫がかって見える青いふわふわの花を購入。もりもりの束で50元でした。安いです。同じ花でも、別の店ではもっと萎れて小さい束が70元だったから、あちこちぐるぐる見て回ったほうがいいですね。
何もなかった壁に、嬉しかったこと、思い出をエアプランツとともに
エアプランツのお店に戻ると、出来上がったものは店先にかかっていました。奥で作業をしていた男性も出てきて、ちょっと遠目で私の反応をうかがっている感じ。
「かわいい!ありがとうございます」
女性と、その後ろに隠れるようにしていた男性にもお礼を言うと嬉しそうでした。
「ダメになってしまったらまた作り直せるから、いつでもおいで。自分で作ったものはわかるから、持ってきてくれれば大丈夫」
頼もしいですね。ダメにならないよう、大事にします。
早速壁にかけてみました。
一個だけだと寂しいので、写真と、はがきと、家宝のサイン。
「猫肥家潤」のはがきは台南で買いました。台北のカフェでも結構見かけます。台南の女の子と、「お揃いね」といって二人で同じのを買ったんだった。
どんなものにも思い出、誰かの名前と笑った顔が思い出されます。メイドイン台湾のエアプランツにも、お店のひとたちのまじめな様子と嬉しそうな顔が浮かぶのが嬉しい。
気づかぬ間に夏と入れ替わる台北の春、もう少し楽しみたいと思います。
内湖台北花市
台北市內湖區新湖三路28號.36號
サイトに営業日の暦が掲載されているので、確認してお出かけしましょう。
今回エアプランツを作ってもらったお店
成和季農園
花市の店番号は3208