MRT東門駅、または古停駅から徒歩10分弱。鼎泰豊の脇から永康街にはいり、古道具などで有名な「昭和町」の向かいにコーヒー豆専門店「藏田咖啡豆專賣」があります。
14時から21時まで営業しているので、永康街で昼食や夕食を終えて訪ねるのもちょうどいい感じ。
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台北で常時50種類以上のコーヒー豆を揃えている専門店
カフェが林立している台湾で、コーヒー豆だけを専門にしているお店は珍しい。ケニアやインド、南アフリカの豆は勿論のこと、台湾の阿里山や南投、屏東産のコーヒー豆も販売しています。
台湾産のコーヒーは、お店で飲んでも、豆を買うのも「えっ」と驚く高価格。「蔵田」の梁さんいわく、「アフリカやケニアの豆が安いのは、人件費のせいなんだ」とのこと。台湾ではそれなりに人件費がかかるため、コーヒー豆も決して安くはないのね。
産地の違い、焙煎方法の違いを好みで選ぶ
いくつかある台湾産のコーヒー豆、梁さんは殻付きのコーヒーの実に触らせてくれました。輸入物の場合、殻がついたままだと嵩張り重くなるので豆だけの状態に加工したものになるけれど、台湾現地産なら新鮮さや品質を保つ殻にはいったままで届けられるのだそう。
ずらりと並ぶコーヒー豆も、気軽に香りを聞かせてくれました。一緒にいった友人も私も、酸味の強いコーヒーは苦手。梁さんまず見せてくれた浅煎りの豆は、いわゆる酸味が強いタイプ。恐る恐るかいでみると、豆から登るのはフルーティな果実や花のような爽やかな香り。きちんと上手に入れたら、この酸味はとても美味しくなるんだろうなあ…。
「君たちはきっと深煎りのほうが好きだと思う」
そう言って梁さんが差し出してくれたのは「屏東・北大武山」と書かれた深煎り豆。うっとりするような、むせ返るような世界が小さなガラス瓶から立ち上りました。
屏東は果物も美味しいものがたくさん実るし最近はカカオもあるし、コーヒー豆までくるとはなぁ…
「深煎り、浅煎りの良しあしではなく、好みで選ぶといいんですよ」と梁さん。コーヒー豆専門店だからといって、気難しい人に「フッ、わかってないねお客さん」と鼻であしらわれることは全然無い。とても嬉しそうに沢山のことを教えてくれた梁さんは本当にコーヒーが好きなんだと感じられて、ここで買い物をするのは気楽でとても楽しかったです。
こちらのオーナーの林さんはコーヒー豆好きが高じて、南部で暮らしながら農園を周っているのだそう。店名の「蔵田」は、大切なものを沢山しまい込んでいる場所という意味が込められています。そんなにコーヒーを大切にしている林さんにも、いつかお会いできる機会があるといいなあ。
台湾のコーヒー農家が作る良い豆を、上質な焙煎技術で美味しく市場へ
台湾の中部や南部へ行くと、土産物として現地のコーヒー豆を買うことが出来ます。台北では値段も高いし、現地だから手ごろで美味しいかな…と買ってみても、あんまり美味しくなかった経験がありました。
「良い豆を作る農家が、必ずしもうまく焙煎できるとは限らないんです。せっかくの豆も、焙煎のやりかた次第では失敗してしまうこともある。だから僕らが腕によりをかけて、農家が作った良い豆を美味しく市場に届けたいんだ」
と梁さん。腕によりをかけて焙煎する。自信と誇りを感じました。
一般のコーヒー豆は200gからの量り売り。台湾珈琲は高価なので100gからの購入も可能です。
私が購入した屏東の深煎りは、100gで450元でした。
いつも近所で買うハウスブレンドの深煎りは200gで200元くらいだから、かなり贅沢しちゃったかしらねえ。
でも、約10gで一杯あたり45元と考えれば、それほど迷って審議うことも、清水の舞台から助走つけて飛び降りるほどのことでもないですね。
自宅のミルでこの豆を挽いた時、あまりにも滑らかにハンドルが回ること、挽きあがった粉の細かく均整がとれていることに驚きました。
豆によってはミルにガリガリ引っ掛かり、不揃いな粉になると「安いミルだし、私握力低いし…」と、「こちら側の不備」だと思い込んでいた。もしかしたら、豆の、焙煎の違いなんだろうか。
眼からうろこが落ちるような発見です。
屏東の北大武山は、ストレートで味わうコーヒー。ミルクは全然合いませんでした。
最初はストレートで飲み、次にカフェオレにしてみたら、びっくりするほど味がばらけて「違うの、おいらそのまんま飲んでほしいの」とコーヒーが抵抗しているようで、ごめんなさいと謝りたくなるほど。不思議だなあコーヒーって。ミルクと仲良くなるタイプもあるし、なんという奥の深さなんだろう。
コーヒー通の方へのお土産に台湾産の珈琲豆。農家から焙煎のプロの手が腕によりをかけ、花開く香りを聞いて、選ぶ愉しみがあります。メイドイン台湾の香りと味わい、届きますように。
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