台湾あるある

「日本人は礼儀正しい」名もなき旅人が台湾で積み重ねていくもの

先日取材で伺った、お茶とお菓子がとても美味しいモダンなティールーム。私たち取材班のほかに、スーツケースをひいた若い日本人女性のグループが、静かに台湾茶を楽しんでいました。
民生エリアという立地から、「徒歩圏内の松山空港を利用して日本へ帰国する前に立ち寄ったのかな」と想像できます。

彼女たちの何気ない行動を台湾人オーナーやスタッフの方が誉め、それを聞いて私たちもとても気持ちの良い時間を過ごしながら、自分たちの振る舞いも改めて気をつけようと思った出来事です。

「日本人は礼儀正しい」と言われる些細な理由

彼女たちが帰っていった後、テーブルを片付ける台湾人スタッフの女性が笑顔で何かつぶやきました。それを聴いたオーナーの台湾人男性が笑顔で私たちに言ったのは、
「日本のお客様はとても綺麗に片づけて行ってくれるんです。本当に礼儀正しい」

「日本人は礼儀正しい」と台湾で言われるたびに
「そんなことないです」と反射的に答えています。
どの世界にも、失礼な人はいくらでもいるから。
でも、台湾の方たちの印象には「礼儀正しい日本人」が残っている。

「日本の方は飲んだものや食べたものも綺麗に始末していますよ。台湾人は、わりと適当だから…」
と笑う、ティールームのオーナー。

台湾人が台湾人を下げ、日本人を上げる。そんな言葉をかけられるたびに、そうかなぁ…と私は曖昧に受け流していました。

名もなき旅人たちが積み重ねていく、日本人の印象

その後の取材も「あんなこと言われちゃったら片づけずにはいられない」と、クルーのみなさんはこれまで以上に気遣っていました。

取材のコーディネートをしながらいつも感じるのは、日本から来られる取材班の方たちが、とても台湾の方を尊重しているということ。お邪魔してもいいですか、写真を撮らせてもらってもいいですか、掲載してもいいですか、この情報で間違いありませんか?協力していただいて本当にありがとう。そんな言葉を通訳して伝えるたびに、相手は「そんなことまでわざわざ聞いてくれるの?」と意外そうに驚いて「もちろんですよ」と快諾してくれます。

私が個人的にブログやインスタグラム用の写真を撮らせてもらう時にも、必ず相手に声をかけます。撮ってもいいですか、紹介してもいいですか。相手が困ることであればすぐに謝り、撤収。その場を楽しむことだけに徹します。

旅行で訪れる人も、暮らしている人も、異国の地で節度を持つ。その土地の人々を、生活や文化を尊重する。お邪魔しているという気持ちを忘れない。ゴミを捨てない。使ったら片づける。大声で騒がない。土足で踏み込まない。

名もなき旅人、通り過ぎる人の行いが積み重なって、台湾の方たちに「日本人は礼儀正しい。だから好き」という印象に刻み込まれていくのだと改めて思いました。

「台湾は親日」と言われるのが歴史の理由だけでなく、今現在もそうあり続けているのなら、私の行いも、その一旦を担うチャンスがあるのかもしれないと。

台湾の人たちが「礼儀」にこだわる理由

「没禮貌!」
礼儀がない、失礼だと非難する言葉を、台湾の方から聞くことがあります。恥ずかしいことや、侮辱的なこと。相手に毅然と立ち向かう姿勢が私は好きです。

私も時には、抗議するべきと判断して「それは没禮貌ではありませんか」と伝えることがあります。食事をしているテーブルにお尻を乗せられたりしたら、できるだけ冷静に、静かに、なぜそう感じたのかを伝えるのが大事です。ほとんどの人がはっとして、改めてくれる。「没禮貌」なのは台湾の方にとって、非常に恥ずかしい、面目の無いことなのだと感じます。

だからって、旅行中に礼儀正しさの表現のために180度のお辞儀をするとか、堅苦しいお作法に則った動作をする必要はありません。

相手を尊重する。「こんにちは」と「ありがとう」を言う。礼儀って、とても簡単で大切なことから始まるのだと、台湾に来てからつくづく感じます。

見ず知らずの日本から来た旅行者の方たちの何気ない行動のおかげで、その場にいたみんながとても気持ち良い午後になりました。

猫がお尻を向けるのは親愛の情を表している場合だそうなので、没禮貌ではありません。むしろご褒美。

 

ABOUT ME
mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|