先日迪化街のいつもの先生に書いてもらった春聯を、旧暦の大晦日にあたる今日の朝、いそいそと貼った。春節の習慣やタブーを調べたら、大晦日の午前中は陽の気が強いので、この時間帯に貼ると良いと書かれていたのでそれに倣う。
旧暦の大晦日を「除夕」と呼ぶのは、台湾に来てから知った習慣。香港では「年三十」、「除夕」という言い方はしなかったから、最初は「ちゅーしーって何?」と戸惑った。
旧正月を「春節」と呼ぶのも、台湾に来てから馴染んだ習慣。香港では広東語で「農暦新年」、日本人同士では「旧正月」と言っていた。台湾では「春聯」と呼ぶこの赤い札も、香港では「揮春」。オレンジジュースは台湾で「柳丁汁」、香港では「橙汁」。広東語で覚えた中国語の文字をそのまま標準中國語の発音に直せば通じるわけではない。中華圏、同じ習慣で暮らしているようでいても、やっぱり色々違っている。
新型コロナウイルス拡散の脅威は、旧正月の大型連休期間にぶつかったことが大きい。ニュースでも「春節」と繰り返し伝えられたから、日本でも定着したみたい。皮肉なことだ。
除夕も夕方まで開いているジムへ行き帰りに薬局をのぞいてみると、医療用マスクの棚はからっぽ。売り切れましたかと尋ねると、カウンターに少しだけ残っていて「マスクはこれで全部。次の入荷は一か月後」とのこと。
「いくついる?でも、全部買わないで。他の必要とする人にも残してあげて」とカウンターの女性に懇願された。勿論です。
年の瀬にマスクが街から消えるなんて。こんなことが再び起きてしまうなんて。情けない。情けない。本当に悔しい。
それでも春節は華やかに、穏やかに、豊かに過ごしたい。どうか誰もが無事に新しい一年を迎えられますように。
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