台南でエルヴィス。孔子廟近くの「艾維斯咖啡 Elvis Cafe」に心奪われる
このカフェにはエルヴィス・プレスリーの写真やイラストが飾られて、古いタイプのVespaが店の前に停まっていました。50sスタイルが大好きな私は心臓を撃ち抜かれ
「こんにちは!珈琲飲ませてください!」
すぐさま店に入ろうとしたのですが
「ごめーん今日はもう終わり!」
店から出てきたおじさんはそういうと店の前に停めたVespaでぶーんと、孔子廟のほうへ消えていきました。
あれから4年。
台南ロケの集合時間が少し遅めだった5月の早朝に、炭焼きトーストを買いに行ってからふと思い立って、エルヴィス・カフェに電話をしてみました。
「今日開いていますか?」
「開いてるわよ」
「開いてるんですか?!すぐに行きます」
4年前に目の前で店を閉められて以来、台南へ行くたびに「エルヴィス・カフェ」の前を通り、今度こそ、今度こそと思っていても、いつもシャッターは閉まったままでした。閉店した様子はないので電話をかけても、誰も出ない。
楽しい台南関連書籍をいくつも執筆・プロデュースされているヤマサキタツヤさん、ヤマサキハナコさん兄妹と台北で食事をした時「あのカフェご存知ですか?いついっても開いてないの、もう営業していないのかもしれない」と嘆いたところ、その後台南へいらした際にわざわざお店まで行って、「開いてますよ!」と営業状態を調べて教えてくれました。
「わたし4年間ずっと毎回台南に来るたびに来たけど一度も開いてたことなくて、今日やっと、やっと入ることができて感動しています!」
朝っぱらから興奮気味に話しかけると、オーナーは困ったように
「それはごめんなさいねえ」
と笑っていました。
お話を聞いてみると、以前は印刷会社だった場所を「美味しいコーヒーが飲みたいな」という気持ちから、学生時代から好きだったエルヴィス・プレスリーのコレクションを飾ったカフェにしたのだそう。
「ここに来るのは近所の、大体知り合いばっかりだから」
そういいながら、ちょっと不思議そうにオーナーは私のことを見ていました。台南には今どきのおしゃれなカフェがいくらでもあるのに、外国人の、年齢的にもエルヴィス世代ではない私がなぜここまで「エルヴィス・カフェ」に執着するのか、謎だったのかもしれません。
「ここはわたしひとりでやってるし、用事があって出かけるときには店はしめちゃうの」
どうやら私はこれまで、オーナーがお出かけしている時にばかり来ていたようです。
エルヴィスの話になると、女学生のように弾んで楽しそうなオーナー。好きな曲は「Summer Kisses, Winter Tears」と教えてくれました。私はソングライターとしてのエルヴィスのことはよくしらなくて、デビュー間もないSun Records時代、「Blue moon of Kentucky」のような40年代後半の曲をエルヴィス流にカバーしたのが好き。有名な「Can’t Help Falling In Love」が収録されている「Blue Hawaii」も時々聴きます。
生まれた場所も時代も国籍も違う、初めて会った人と珈琲をはさんでおしゃべりが弾むなんて、音楽の力ってすごいなあ。
台南の青い月を見に、また行きたいな。
エルヴィスカフェ、POPEYE「台湾シティガイド」でも素敵なグラビアになっていました。嬉しい。
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艾維斯咖啡 Elvis Cafe Shop Data
住所:台南市中西區南門路14號
電話:06 214 1619
営業時間:7:00-18:00 日曜休
※営業時間は不定なので、事前に電話で確認を。
アクセス:台鉄台南駅から徒歩20分
台南孔子廟から徒歩5分、莉莉水果店から徒歩3分です。
※営業時間は不定なので、事前に電話で確認を。
※情報は訪問、掲載時のものです。ご利用前に営業状態をご確認ください。
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