台湾の外国人居留証の番号体系が、本国人の身分証ものと統一されるとニュースが出ました。
台湾在住の外国人なら「わかるー」と共感してもらえるこの違い、以前ブログに書いていたのでちょっと修正・更新します。(2018.11.22)
フォーカス台湾の報道を抜粋すると
中華民国の国民に与えられる国民身分証のIDナンバーが「アルファベット1文字+アラビア数字9文字」の組み合わせになっているのに対し、現行の居留証は「アルファベット2文字+アラビア数字8文字」と付番の規則が異なっている。そのため、居留証のIDナンバーではオンライン申請や電子商取引(EC)を利用できない場合があり、不便が生じていた。
香港では外国人であろうと身分証の番号体系は同じだったのでシステムで弾かれることはなかったけれど、台湾では外国人居留証の番号では登録できず、パスポート番号を入力しなければならないことが多々あるのです。
それが解消されるということですね。
「ドメイン取得」という初めての経験を通じて、台湾での外国人の生活にどんな不便があったのか、実体験のまとめです。
Contents
祖国でブブヅケを食らわされ、居住国でも門前払い!
散々悩んで購入を決意したものの、オンラインショップの決済ページでエンターキーを押した後に「ご利用いただけません」やら、そもそも申込前の登録ページで
「身分証番号が間違っています」
等のメッセージが立ちはだかって呆然と佇んだ経験が、海外居住者、特に台湾在住者であれば、一度や二度はあるのではないでしょうか。
ドメイン購入に悪戦苦闘
台湾では日本の製品が手に入りやすく、割高になっても、街中でお買い物ができます。日本国内の有名どころのオンラインショップでも、台湾国内で発行したクレジットカードで大概は対応可能。好き嫌いのある猫の餌や、読みたい本を取り寄せることができます。
ただ、商品によっては「お住いの国には発送できません」なモノがあるので、その場合は他社の転送システムや、家族愛、友情にすがるしかありません。
今回私がうちのめされたのは、「ドメイン」という特殊なお買い物のせいでした。
このブログのURL欄をご覧ください。
「mimicafe.net」
と表示されています。
以前はbloggerというGoogleのシステムをお借りしていたので、これまでは「blogspot.tw」がアドレスのドメインでした。
このあてがわれたURLでも何の支障もないのですが、ちょっとブログ頑張ろうかなーとメイク魂に火がついて、独自ドメインを取得しようと思い立ったのです。
でもドメインってそもそもどうやって申請するの。
周りに聞いても「アットマークの後ろのドットコム?」と困惑されて終了。海外在住歴が長くなったとはいえ、私の母語は日本語。まずは日本語で検索し、日本のサイトで情報収集、その流れで日本のドメイン会社に申込をするのはごくシンプルな経緯でした。
ドメイン名づけで3日ほど悩み、そもそも私にドメイン必要?と原点に立ち返り、行きつ戻りつ決意を固めてえいやあ!と決済した結果が
「お持ちのクレジットカードはご利用いただけません」
あゝ無情。
日本国内他社でも試してみましたが、結果は同じでした。
台湾でクレジットカード発行のハードル
「台湾が駄目なら日本のクレジットカードを使えばいいじゃない」
と思われるでしょうが、私は日本に住所も住民票もなく、合弁に合弁をくりかえした日本の銀行口座も、もう生きていません。
いつかは日本へ帰る方は日本に口座を持ってカードを作る、決済するのが自然なこと。でも私は、「遊びには来ますが、もう日本で暮らすことはないです」と家族に伝えて移住した人間。ビザを取り、収入を得る国の口座とカードを持つのが自然なことでした。
ただ、台湾では外国人がクレジットカードを持つには「台湾の身分証を持つ保証人」か、銀行が設定する多額の預金が必要になります。上司に保証人になってもらった剛の者もいますが、勤務先から給与が振り込まれる銀行だったら保証人不要なので、マイレージもポイントも付かない、つまらないカードを作りました。上司や友達など個人に頼むのは気が引けるけど、会社に保証人になってもらったようなものですね。
台湾人配偶者がいれば、好きな特典のあるカード申請も保証人になってもらえていいな、と思っていました。でも、「使い道を旦那に知られたくない」から、どうしても個人で取りたい人も多いそうです。イケナイものではなくたって、買い物はプライベートなことだしね。
台湾の身分証と居留証はベツモノ
香港では、口座を作った地元の銀行と、航空会社のマイレージが貯まる外資系、二種類のカードを持っていました。使っているうちにカードのグレードも上がって、プラチナになったのは驚いた。普通の会社勤めの外国人でも、香港永久居民であれば香港人と同じように扱ってもらえたようです。
手に取ることが出来るモノ、本や洋服、チケット等であれば日本だけでなく、海外のオンラインショップでも台湾発行のカードで問題なく決済できていました。でもそれは、実態のあるモノを購入し、「送れば終わり」だからなのかも。電子書籍や音楽ダウンロードについては、「お住まいの国では・・・」とお断りされるケースもあったから、日本のドメイン会社にあえて海外から申込決済は、モノの性質上怪しまれても仕方のないことかもしれません。
んじゃ台湾でやってみるべ。台湾最大の通信会社でもドメインの取得システムがありました。よしよし。オンラインショッピングの基本、まずは登録が必要なので氏名の次に「台湾の外国人居留証番号」をいれたところ
「あなたの身分証番号は間違っています」
ここで台湾在住の外国人は区別されます。私たちが持っているのは「居留証」であり、「身分証」ではないのです。私は今年の初めに五年満期で台湾の永久居留証と個人労働証を取得しましたが、そもそも台湾人の身分証とはカテゴリーが違うのでしょう。
i-bon等チケット購入システムや台湾人が大好きな通販会社等では、外国人にもパスポート番号で対応できていました。私が契約している携帯電話の通信会社も同様。台湾の居留証にも、日本のパスポート番号が記載されています。
しかし、台湾最大の通信会社のドメイン取得は「身分証番号」のみ登録が出来、外国人の居留証や、パスポート番号には対応していませんでした。
そこで冒頭のセリフです。
海外に住んで現地のクレジットカードを使おうとしても、祖国日本では決済ボタンまで進んで「ぶぶづけでも?」とばかりにやんわり断られ、居住地においては登録すらさせてもらえず門前払い。
八方塞がりでしょうか?いいえ乗り越えてみせる。メラメラと燃え上がるブログメイク魂、たどり着くのは香港でした。
香港の会社でドメイン取得に成功
香港永久居民を取得した時、
「これでもう香港人だね」
と言われるたびに、いや私日本人ですから。パスポート日本だし、変えるつもりもないよと心の中で思ったり、口に出して言うこともありました。
でも、台湾で永久居留を取ったことを報告しても、
「これで台湾人だね」
と言われることはありませんでした。
そういうことなんだな、と今になってしみじみ思う。香港だったら、永住権を取れば出来ることが増える。積み立てや、どんな特典のあるカードを発行するかも、誰かの保障や付属でなく、自分で選ぶことができます。取れるか取れないかの審査はあるけど、少なくとも申し込みは出来る。
でも、台湾ではそうじゃない。個人レベルでは親身になって親切にしてもらえる台湾、だけどそれは私が外国人だからで、ここで生まれ育った人だけが台湾人としてこの国で保障され、恩恵を受けることが出来る。税金を納めようが、永住権を取ろうが、外国人には入れない、そもそも外国人がそこに来ると想定されていないドアに、時々ぶつかってしまいます。
私にプラチナカードを与え、永久居民を取得した程度で香港人だねと言ってくれた香港なら、間口は広いはず。香港のドメイン会社なら絶対決済できるはずと確信がありました。敢えて台湾発行のクレジットカードを使って申し込みをしてみます。まだ空で覚えている永久居民のID番号も入力する気満々。
結果、IDもパスポートも、入力する必要はありませんでした。名前と現住所、クレジットカード番号。それであっけなく申込、決済完了。晴れて、ドメインを取得することが出来ました。
台湾で、外国人は永遠に「ゲスト」なの?考えすぎておセンチになる
台湾で、普段の生活には何の支障もありません。むしろ、あちこちで親切にしてもらって、どうしてそんなにと申し訳なくなるほど気持ち良く過ごしてる。駐在で台湾に来て、帰任命令が出ても台湾に残りたくて起業する人が多いのもわかります。
ただ時々、こんなふうに、ここはあなたのための場所ではないですよと枠から外されるような、ゲストだから丁重に扱われているんだと思い知ることがあります。
たまたま日本で生まれ育った日本人だしパスポートはもっているけれど、日本に生活の基盤は作らなかった。香港では、作ったものを解体した。台湾でも、どこにも作れていない、このドメインのように、申し込んで借りた住所のような。
そんなことを考えながら、買ったたまごのケースを開けたら、笑顔がいっぱい。「考えすぎです」と笑われているような。
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